3月25日19時 東文

指揮:マレク・ヤノフスキ
ヴァルデマール王(テノール):デイヴィッド・バット・フィリップ
トーヴェ(ソプラノ):カミラ・ニールンド
農夫(バリトン):ミヒャエル・クプファー=ラデツキー
山鳩(メゾ・ソプラノ):オッカ・フォン・デア・ダメラウ
道化師クラウス(テノール):トーマス・エベンシュタイン
語り手(バリトン):アドリアン・エレート
管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩

シェーンベルク:《グレの歌》

今年の東京春祭では例年ワーグナーシリーズを仕切っていたヤノフスキが合唱シリーズに回り大曲グレの歌を振るという
そして、ヤノフスキの春祭出演は今回が最後だという、これは聴かないわけにはいかない
例年より開花が早かった桜は予報によれば本日が満開ということだが、生憎の雨天で公演には花見客の姿は見られなかった

前回ノット・東響の演奏を聴いたのは、調べてみたら2019年なので、もう6年以上前になるのか
ステージ上には20型の大編成のN響と合唱団、コンマスは郷古さん
続けて、歌手とヤノフスキが登場、
今回の演奏の詳細は各種レポートが出るだろうから、私は個人的な薄い感想を述べるに止める

ヤノフスキは、ここ数年と全く変わらない風情、全体的にテンポが落ちるような印象全くなく、バトン捌きも俊敏
前半のトリスタン和音に満ちた第一部では。山鳩のダメラウが見事な歌唱だった、
そして、合唱団が入場する後半に曲は大きな盛り上がりを見せた、語り手のエレートは気持ちの入ったナレーションだった

前半も後半も一切のフラ拍はなく、今日の聴衆は質が高い
カーテンコールが繰り返され、花束贈呈があった
ヤノフスキはインバルや、デュトワより若いのだから、N響定期にはまた来てほしい


 

3月19日19時 サントリー

指揮/ピエタリ・インキネン
ピアノ/キット・アームストロング


ラヴェル:ラ・ヴァルス    
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第4番 ハ短調 op.44    
アンコール
サン=サーンス:左手のための6つの練習曲 op.135 より第2番 フーガのように
プロコフィエフ:交響曲第3番 ハ短調 op.44

前日フィル首席指揮者のインキネンが都響に初登場、
その選曲が素晴らしい、日フィル時代はこのようなプログラムは無かった
日フィルの任期終盤にはコロナの影響もあり、出演機会が少なかった、サントリーではクレルボを聴いたのが最後だ

最初のラ・ヴァルスは人気の演目だが、インキネンがどのようなアプローチを見せるのか興味深い
演奏は実に軽快、名前のせいか陰キャラだと思っていたが実は陽キャラだったのか
16型の都響も全開だ、コンマスは水谷さん

2曲目は演奏がレアなサン=サーンスPf協4番、つい先日5番を聴いたばかりだが、演奏されるのは2番か5番が相場なのだが4番は初めて聴く
ピアニストのアームストロングも初めて聴く、30代前半だが、音楽院卒業後、複数の大学で物理・化学・数学に修士をとったという異色の経歴を持つ、今回の曲目もアームストロングの提案という
4番は元々は交響曲として構想されたそうで、全2楽章だが、それぞれの楽章が2つの部分を持つという、交響曲オルガンと同様の構成をとる

実際の演奏を聴くと先日の5番に遜色ない魅力的な曲想で、特に2楽章は名ピアニストでもあったサン=サーンスの演奏テクニックの見せ所満載
天才アームストロングの演奏は一点の曇りもない、インキネンも14型のオケで好サポート

後半はこれも演奏がレアなプロコの交3、
インキネンは指揮台に登るや否や16型に戻したオケに敢然とタクトを振り下ろした
全く隙のない緊張感あふれる演奏でインキネンの統率力もすごいが、それに付いていく都響も流石だった、
インキネンと都響は相性がよさそうだ、来シーズンの客演陣には名を連ねていないが、近い将来また都響でタクトを振ることを予感させられる演奏だった



 

3月14日14時 ミューザ川崎

指揮:藤岡幸夫
ヴァイオリン:若尾圭良
チェロ:佐藤晴真
ピアノ:福間洸太朗

プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 op.63
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第5番 へ長調「エジプト風」op.103

川崎定期は前半は大作揃いだったが、後半はだいぶ経費節減的、内容は悪くは無いとは思うんだけど
今日は若手ソリストによる協奏曲が3曲、必ずしも名曲でないところがよい
当日券が売られていたが、会場に入るとほぼ満席の活況
オケは14型、コンマスは小林さんだ

最初のプロコの若尾さんは初めて聴いたが、力強い演奏でびっくり
音圧の強いダイナミックな演奏が曲にもマッチしている
ぜひまた聴きたい、アンコールはなし、ということは今日はアンコールは全員ないだろうな

ドヴォVc協は名曲中の名曲だが、実演を聴くのは久しぶりだ、
佐藤さんは、以前にも何度か聴いており、実力は折り紙付き、個人的には宮田さんの後継は佐藤さんと思っている
今日のドヴォも熱演、久々に堪能しました、1時間超の長い前半だった

後半の福間さんを聴くのは久しぶり、何しろ聴きたいピアニストが多すぎるのだ
今日のエジプト風は意外な選曲だったが、実に音色豊かな演奏、
特に2楽章の冒頭は本当にピアノの音なのかと思えるほど幻想的な音だった
演奏開始前に布で鍵盤を拭いていたが、その布に何らかの薬物が仕込んであったのだろうか
とにかく今まで聴いた福間さんの中でも一番印象に残る演奏だった
大満足の土曜の午後だった