5月12日19時 サントリー

指揮:ラハフ・シャニ
ピアノ:チョ・ソンジン

ベートーヴェン:劇音楽『エグモント』 Op. 84 序曲
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 Op. 16
アンコール
ラヴェル:マ・メール・ロワ 第5曲 妖精の園(四手ピアノ版)
ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 Op. 64-1「小犬のワルツ」
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op. 98
アンコール
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番

5月、6月は海外オケの来日公演が多くなる時期だが、今年は特に名曲+若手日本人ピアニストの公演ばかりのような気がする
そんな中で、ミュンヘン・フィルは、名曲路線とは一線を画したプロコのPf協2番を採り上げている、聴くならこれでしょう

最近のインフレで音楽ファンが財布の紐を締めているのか、サントリーホールの客入りは若干寂しいものだった
ミュンヘン・フィルは一昨年ソヒエフが振った時に聴いたが、その時はもう少し客が入っていたと思う
シャニは3年前のロッテルダムフィルの来日公演以来、その時はきびきびとした指揮ぶりに好印象を持った
9月にはミュンヘンフィルの首席に就任するということで、今回の来日公演は婚前旅行ということか
オケは12型の対向型、コンミスは青木尚佳さん、

1曲目はエグモント序曲、昔はコリオラン、フィデリオ、レオノーレ3番といった序曲は、レコードで交響曲とカプリングされることが多かったこともあり、耳にすることも多かったが、最近は聴く機会が大幅に減った
久々に聴くと本当にいい曲、そしてミュンヘン・フィルの弦楽は非常に深みを感じさせる音を発していた

そして、2曲目は大好きなプロコのPf協2番を、言わずと知れたショパコンの覇者チョ・ソンジンで、
流石の演奏だった、彼ほどの手練れになると、第1楽章のカデンツァですら易々と弾いているように聴こえる
しかし、反田さんの演奏を聴いた時にも感じたことだが、さらりと弾かれると何となく物足りない
演技でもいいから、プロコフィエフの罠に苦しみながらも、何とか弾き切るピアニストが見たいのだ

アンコールの1曲目はシャニとの連弾で、とろけるようなマ・メール・ロワ
そういえば、前回ロッテルダムを振った時も、シャニは藤田真央と連弾していた
そして、アンコール2曲目は子犬のワルツ、非常に抑制的な演奏だった、個人的にはもう少し表情豊かな演奏の方が好み

後半のブラームスが超名演だった、派手なところは無いがすべてが丁度良かった
弦楽器は前半のベートーベンに比べると柔らかい音でレガート基調、管楽器を派手に鳴らすことはないが、フルートもホルンも肝心なところでは良い仕事をする、
本当に心地よい演奏だった、シャニとミュンヘン・フィルの未来は明るい

 

5月10日12時 東京芸術劇場

指揮・プロデュース:山田和樹 [東京芸術劇場 芸術監督(音楽部門)2026年4月就任]
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:東京混声合唱団、栗友会合唱団(合唱指揮:栗山文昭、碇山隆一郎)
太鼓:林 英哲
ティンパニ:武藤厚志(読売日本交響楽団 首席奏者)
ソプラノ:熊木夕茉
総合監修:水戸博之
賛助出演:東京音楽大学
(指揮:三河正典、三原明人、佐藤和男、杉原直基、柏木大輝、坂寄楽友、伊丹悦洋、笹田悠翔)
青山学院大学グリーンハーモニー合唱団
慶應義塾大学混声合唱団楽友会
東京大学柏葉会合唱団

水野修孝/『交響的変容』(1962-87)

第1部 テュッティの変容 (1978)
第2部 メロディーとハーモニーの変容 (1979)
第3部 ビートリズムの変容 (1983)
第4部 合唱とオーケストラの変容 (1987)

1992年の初演以降、再演不能とまで言われた水野修孝の交響的変容を、今年から芸術劇場の芸術監督に就任した山田和樹が取り上げるという、これを聞き逃す手はない、席は迷った挙句、音かぶり席にしてみた
現場に着いてみると、1階の左右ブロックの1ー6列がせり出しになっていてなっていて、これに近い席が音かぶりになるらしい
私は右ブロックの席だったのだが、ティンパニーや大小のベルが脇に準備されていた
11時半よりプレトークが有ったが、いつもより早い開場時間だったこともあり、後半部分しか聞けなかった
何やら、「変容」というカクテルが用意されているらしい、記念切手も作ったとか、終演は16時半予定と告知されているが、おそらく17時近くなるであろうと予告された

第1部、音かぶり席だったので、ステージが俯瞰できなかったので、オケの構成は弦が16型相当であること以外分からなかった
配布されたプログラムにも、今回の演奏に使用した楽器の構成については記載がなく不親切、コンマスは林さん
曲は静謐な弦楽の合奏で開始し、正面のオルガンの左右に配置されたチューブラーベルが効果的に響いた
また曲調に合わせ照明も変化していた
約20分で第1部は終了したが、第1部-第3部は休憩なしに演奏されるとプログラムにあったので、山田さんがタクトを置いても聴衆は拍手することをためらう時間あった、
しかし、山田さんの所作から、ここで間を置くことを察した聴衆から拍手が起き、山田さんも拍手に応えた後に、一旦指揮台を離れた

第2部は、初めて聴く自分には第1部の延長戦のように聴こえた、
正直、第1部に比べて管楽器のパートが増えた程度で、違いが良く分からなかった
約20分後に山田さんがタクトを置くと、今度はそれほど間を置かずに拍手が起きた

山田さんが袖に消えると、右手のせり出しにはティンパニーが、左手のせり出しには和太鼓が設置され、それぞれの奏者が楽器の許に鎮座した
和太鼓奏者の林さんは、第3部初演、全曲初演時にも和太鼓を叩いている、名称は分からないが袖のない如何にも太鼓叩きという衣装、
ティンパニーの武藤さんは、黒いぴっちりとしたタイツ状の衣装だ
第3部は、一転、金管楽器にリードされたジャズ風の曲調で、途中和太鼓、ティンパニーが参加するといった感じで進行したが、
終盤には約10分ほど、和太鼓、ティンパニーのカデンツァ、和太鼓には赤の、ティンパニーには青のスポット照明があてられていた
音かぶり席の特権を満喫したが、演奏の迫力は私には表現不能だ、

45分休憩があったので、外で昼食を掻っ込んだ、気になっていた火星カレーを食べたかったのだが、混んでいたので近くの店でクッパを食して、そそくさと芸劇に戻る
ステージ後部と左右のバルコニー席には、右には男声、左には女声の合唱団がすでに入場していた
左右のせり出しの和太鼓、ティンパニーは撤去され、それぞれ大小各種の鐘が設置されていた
他所にも合唱団、楽器が配置されていたかもしれないが、自席からは確認できなかった

第3部は、1-6章まであり、演奏時間も1時間を超えるので、途中に15分の休憩がある
最初の1-3章は、それなりに盛り上がる部分もあるのだが、合唱はヴォカリーズを中心にしているが、2章、3章の終盤には原爆に対するメッセージが唄われた

15分の休憩、折角なので、カクテル「変容」をいただく、レモン風味をお楽しみくださいとあるが、それ程風味を感じられず、氷に仕掛けがあるのかと見守ったが、結局「変容」は感じられなかった、残念

そして、4-6章が凄かった、合唱団員が客席通路を走り回った後、複数の指揮者がそれぞれ合唱団を指揮するカオスに突入した、
左右のせり出しと、山田さんの傍らの合唱指揮者は確認でき、客席内にも合唱指揮者が確認できたが、全員は確認できなかった
圧巻の合唱カオスが終了し、一旦退場した左右バルコニーの合唱団は、それぞれ混声合唱団に組み替えて再度バルコニーに入場した
以降のステージは絶唱だった、

色々書き落としていることがある、ソプラノnお歌唱が有ったこととか、オルガンのこととか、
終演は山田さんの予告通り予定の16時半は過ぎたが17時前には終わった、絵がタイヤ意見だった











 

5月4日 東京フォーラム

公演番号224 名手2人が織り成す、黄金色に輝いた妙なる室内楽
オリヴィエ・シャルリエ (ヴァイオリン)
アンヌ・ケフェレック (ピアノ)

モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第40番 変ロ長調 K.454
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番 ヘ長調 op.24「春」

公演番号225 フォーレと弟子のラドミロー。若き達人たちによるフランス的室内楽の絶えざる流れ
神尾真由子 (ヴァイオリン)
瀧本麻衣子 (ヴィオラ)
横坂源 (チェロ)
パク・ジェホン (ピアノ)

ラドミロー:ピアノ三重奏曲 ホ長調「大河」
フォーレ:ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 op.15


今年のLFJは、これはという公演はなかったが、かと言ってスルーするのも寂しいので、2公演だけ聴くことにした
5月になったばかりだというのに、ポカポカを通り越し、都心でも30度に迫ろうかという好天だ

開始時間より早めに会場に到着、中央広場にはキッチンカーがずらりと並んでいるが立ち寄らずに、有楽町駅から見て右手のビルに入って目新しい出店などないか見て廻る
何となくだが、出店が減ったような気がする、目を惹くような商品もないので、早めだが会場に向かうことにした
向かった先のC会場、入場して2階に上がると更に上に上がるエスカレーターに大行列、しかも係員がきちんと行列を統制していない
満員御礼なのは良いのだが、何かげんなりしてしまった、

最初の公演は、ヴァイオリンソナタ2曲、
去年のLFJには顔を見せずに心配していたが、今年は女王ケフェレックが来てくれた
ヴァイオリンのシャルリエは初めましてだ

モーツァルトは、ピアノソナタより多くのヴァイオリンソナタを作曲しているが、演奏頻度は低いように思う、
自身もここ数年は実演で聴いた記憶がない、まあ最近はヴァイオリンのリサイタルにはとんとご無沙汰なのだが
やはり、モーツァルトのヴァイオリンソナタは流麗で耳には心地よいのだが印象には残らなかった
シャルリエのヴァイオリンは音が生き生きとしており素晴らしかった、ケフェレックも息の合った伴奏
ということで、春は心和ませる快演となった

一旦会場を出て、少し時間を潰してから再度C会場に向かう、
今度は、さしたる混雑もなくホール内に、さっきの混乱は何だったのだろうか

今度は室内楽で、1曲目のラドミローは名前を聞くのも初めて
フォーレの弟子だそうだが、たまたま作品に今年のLFJのテーマと同じ「大河」があったから採り上げられたのだろう
プログラムを見ると、曲は、泉、 激流、小川、増水、川、都市、海、と名付けられたパートから構成されいるようだった
最初のVn、Vcのトレモロが泉の湧き出る様子を表し、それが徐々に水量を増していくような感じは何となくわかったが、
最後の都市、海は全く分からないまま曲は突然終わった、

ヴィオラが加わり目当てのフォーレ、神尾さんを聴くのは久しぶりだが、なかなかの力演で、
最近行っていないヴァイオリンや室内のコンサートに近いうちに行こうと思わされた