「ソナマルグの狼」とバトル | エハッドのニューデリー生活

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ちょっと避けてたインドに駐在2年。帰国し、書き逃したことを記し中。がんばるぞー。おー。

金曜一時半。

 
ソナマルグも漏れなくモスクの礼拝が始まる。
 
バザールの男たち(しかいない)は店を閉めてモスクに向かう。
 
一緒にダラダラしてたレストランのカシミリ・ボーイズたちも同様。
 
スリナガールでは礼拝の後にデモが予定されている。そのデモは、警察に対する投石行動に発展しやすい。
 
こちらはそのデモに出くわさないよう、早くタクシーを見つけて出発したい。
 
ローカルニュースをチェックしてー、
 
警察による封鎖地区も把握したー。完璧。
 
さータクシー運転手!
 
寄ってきたのは、ゼロポイントのときのドライバー。
 
が、スリナガールのデモの話は全然把握していない。
 
ルート相談も通じない。
 
そもそも、英語がイマイチ。
 
そこに、カシミリ・ボーイズの一人がやってきて、道中は危ないだの、ソナマルグに一泊してけだの、ウダウダ言ってくる。
 
(*´Д`*)アババ- 黙れ、こわっぱ!
 
…颯爽とタクシーに乗り込んで、さっさと出発してやるのである!(*´∀`*)ヤ-ヤ-
 
 
…ん?
 

 

ウ、ゴホッ!(´Д`;)

 
 
排ガスが車内に逆流してね??
 
 
「ノープロブレム!」
 
 
ノープロブレムじゃねーよ!危ない
 
昨日も乗ってた車だよね?なぜ??
 
2時間の移動は耐えられない!
 
ソナマルグに戻ってー!
 
車交換しろっ!
 
 
・・・
 
 
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え?他のドライバーは礼拝中だから何もできない??
 
ヽ( )`ε´( )ノ
 
あれ?しかも、サングラスがないー!えー!
 
もう紅のブタごっこができないー!。゚(゚´Д`゚)゚。
 
 
…イライライライラムカムカ
 
 
サングラス、見つからない!
 
 
だれか盗んでない?
 
 
…ブォォォオ
 
 
来たっ!新しい車!
 
車内のニオイはオッケー👌 排ガス臭くない。
 
え?この人、英語ができないのー??
 
スリナガールのデモも知らない?まじ?
 
値段?2000ルピーでしょ?
 
早く急いで出て!
 
 
・・・
 
 
そのドライバー、ソナマルグの狼と名付けようぞ。
 
でかい声で男気溢れる白髪混じり、シワだらけの43歳。
 
道中、
 
私用のために一時停止して知り合いとダベりまくるわ、
 
運転しながらケータイで話すわ、
 
ヒッチハイクをしようとするローカルな人々を乗せようとするわ、
 
ことごとく、横から厳しい突っ込みを入れる乗車体験。
 
すでに気まずい空気。
 
そして、リアルな空気も怪しくなってくる。
 
スリナガールに近づけば酷くなる大気汚染。
 
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まだこんな谷間なのに。
 
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自然いっぱいであれば大気はキレイかと言うと、そうじゃないね。
 
このインド生活を通して学んでいる。
 
北インドには、木々が吸収できる以上の汚染物質の量がある。スケールが違いすぎる。
 
 
・・・
 
 
さー、そろそろスリナガールに入る頃。
 
目的のホテルはスリナガールの南にあるが、直進すれば、デモや封鎖が行われているダウンタウンを突っ切っていくことになる。
 
だから、ダール湖を東にぐるっと周っていきたい。上から下のマークまでね。
 
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!そこを左へ!
 
 
運転手「ハァ?真っ直ぐ行った方が速いんだよ。」
 
 
今日はデモがあるから安全に行きたいの!
 
 
「真っ直ぐの方が安全で近いんだよ!」
 
 
ノー!ノー!こっち!!
 
 
 
「■○●◆◇▲◎!!!」(カシミリ語)
 
 
 
ノー!デンジャラスだって言ってんだろうが!( ゚д゚)
 
 
・・・
 
 
変なところに止まり、中から怒声が聞こえてくれば、もちろん人は寄ってくる。ケーサツも。
 
しかし、ケーサツは呆れ顔。
 
英語ができるオニーサンが仲介するも、
 
「真っ直ぐ行った方が速いし、安全だよ!そっちは危ない。GPSを信用しちゃダメ!」
 
と、ドライバーの味方をする。
 
オマエラ、今日のデモを知らないだけだろう!!
 
絶叫してみるも、ニッチもサッチも行かない。
 
ええ。
 
ドライバーが運転しない限り、前にも進まない。
 
仕方ない。
 
 
Ok, go.
 
 
全く納得しない。
 
不本意だけど、運転手の好きなようにさせることにした。
 
 
・・・
 
 
無言のまま、スリナガールの市街地に突入する。
 
カシミール大学の横を通って南に下る。
 
人通りが激しく、見張りの武装警官もいる。
 
ドライバーも、警官に話しかけている。多分、もう大丈夫か聞いているんだろうね。
 
更に南に下ると、前を走っていた車の動きが鈍くなる。
 
なに?
 
 
・・・
 
 
・・・
 
 
道路一面に、不自然に大量の石が散らばっている。
 
つまり、ここで投石があった証拠。
 
デモが起きて、警察の部隊がやってきて、デモに参加してた若者たちが石を投げた。
 
そのときの石たちに違いない。
 
石と言っても、池に投げるような小石じゃないよ。
 
レンガの半分くらいの大きさ。
 
頭に当たったら流血もの。
 
車に当たったら窓ガラスが割れるはず。
 
そして、警察の対応も催涙スプレーや失明者を続出させているゴム弾といった方法で対抗する。
 
そんなところに巻き込まれたら危ないのは確実。
 
 
道端に転がる石を見て、
 
 
ドライバー、Uターンをする…
 
 
・・・
 
 
・・・
 
 
・・・ホレ。
 
言っただろうが…( ゚д゚)ゴラァ
 
 
始めからダール湖を周回してりゃ早く着いたんだよ、オイゴラァ
 
 
「アァ?こっちの道は長いから、2500ルピーに値上げするからな!」
 
 
 
( ゚д゚)!!
 

・・・まさかの開き直りの上にプライスアップ!
 
 
ソナマルグの狼は、肝が座っていた…
 
 
…アー、そこ左!
 
どこ行くんだよ!
 
「ダール湖だろう!」
 
ちげーよ!Uターンプリーズ!
 
なんで聞かないの?なぜ地図を信用しない?
 
 
もう!
 
 
キキーッと、止まる車。
 
 
なに?なぜ止まる?ムカムカ
 
 
ポリース!ポリース!
 
 
先手必勝。
 
こいつ、絶対落とし詰める( ゚д゚)ユルサン!!
 

アホな自分の呼び声に導かれて、スリナガールの現地タクシー運転手がやってくる。
 
そして、事情を聴き、「ツーリストをリスペクトするべきだ!」と、隣の狼を諭してくれる。
 
 
…もうここまで来たら、仕方なし。
 
 
真っ直ぐ進んで、迂回するしかない。
 
遠回りで余計に距離を行くよね・・・値上げ・・それはい・・・や・
 
 
限界! 
 
 
ストップ!
 

車を停めさせて、2000ルピーを投げ渡し、
 
オマエ、最悪!
 
ユー・アー・ベリー・バッド!!
 
 
…捨て台詞を吐いて下車。
 
そんな自分を見て、狐につままれた顔してた。
 
狼のくせに。
 
しかし、、、
 
料金をしっかり払ったのにも関わらず、ホテルに到着できなかったから、結局は狼の方が一枚上手だった…。く、くやしい…
 
 
・・・
 
 
すぐ目の前にいたオートリクシャーに乗って、よーやくよーやくホテルに到着…。゚(゚´Д`゚)゚。
 
今回最後の数日は、急遽、五つ星ホテルに宿泊を決めたの。
 
フォーポイント・バイ・シェラトン
Four Points by Sheraton
 
 
さすがに…疲弊したから…
 
ほんと、開発途上国、合わないわー…
 
こんなにキレる人でなかったんだよ。
 
むしろ、いつも冷静でニヤニヤニコニコしてくれるから安心できる、という評価まで頂いていたくらい…!
 
友人も自分が絶叫してる姿を想像できないだろう。
 
アァ、南アジアは人格を変える。゚(゚´Д`゚)゚。
 
 
・・・
 
 
このホテルは、3か月前にできたばかりの新しいホテル。
 
そして、スタッフが出来る人たちばかり_:(´ཀ`」 ∠):ウゥ…泣ける
 
部屋はちょっと贅沢をして、デラックスルームをゲット。と言っても、東京のビジネスホテルと変わらない値段!スゴッ
 
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キャオーン。゚(゚´Д`゚)゚。
 
ジェットバスもあるよー!
 
フロだよー!
 
とにかくまずシャワー!(*´∀`*)
 
 
…あれ。
 
 
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グッチャリ、一面水浸し。
 
あれ、おかしいな…
 
ちゃんとドア閉めたのに…
 
の、ノープロブレム…
 
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