ミケの話 1 | 南仏ーの生活

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うちにはペー様というお猫様がいるが、実はもう1匹、世話をしている猫がいる。

名前はミケ(仮名)。

 

正確にはうちの猫ではないが、うちの裏庭に半年以上住み着いていて、私が朝晩せっせとゴハンをあげたり糞尿の始末をしているので、知らない人が見たらうちの猫だと思うだろう。

しかし正式には誰の猫でもなく、いわゆるノラ猫。

 

なぜこうなったのか。

 

出会いは昨年の5月。

近所の道端で交尾をしている猫たちがいた。

そのうちの1匹は、この辺では見かけない三毛猫。

これがミケちゃん。

 

その後、ミケはうちの裏にある駐車場に出没しては、私を含め駐車場の利用者にすり寄っていく。

ものすごく人懐こいので、初めは誰かの飼い猫だと思っていたが、近所のS氏は、彼と同じ団地に住んでいた一家が引っ越しの際に捨てて行ったと疑っていた。

 

こんなに小さくて(おそらくまだ1歳前後)、キレイな模様で、何よりこんなにも人間が好きなカワイ子ちゃんを捨てられる?

 

件の一家のお子さんたちは、うちの子供たちと同じ学校に通っていて、引っ越し後も学期末までは転校せずにいたので、うちの子に頼んで、その家の子たちに猫を飼っていなかったかをそれとなく尋ねてもらった。

 

しかし返答は「黒い猫を飼っていた」とのこと。

え?ミケじゃないの?

本当だとして、その黒猫は今いずこ?

 

この話をS氏にしたが、彼はこの一家に何度か迷惑をかけられたようで、全く信じていない。

ちなみにうち(特に夫)も、ちょっと迷惑をこうむったが、別件なので割愛。

 

真偽はわからないけれど、この一家が引っ越した時期とミケが現れた時期がほぼ一致していることや、S氏以外のご近所さんも同意見だったことを考えると、かなり怪しい。

 

しかし仮にクロだと判明したところで、この一家がまたミケを飼うとも思えないし、大事にするとも思えないので、これで良かったのか。

 

否、良くないのだが、幸い近所の人々はミケを飼うことはなくとも邪見にもせず、ミケ自身も新しい飼い主を探しつつ、裏山を自由に駆け回っていた。

私もミケが足元にすり寄って来た時は、ちょっと撫でてあげたりと、付かず離れずの関係を保っていた。

季節的にも温暖だったので、さほど問題もなかった。

 

 

しかしその2か月後、事件が起こる。