⑤の続き脚本・人物の続き(本日2投稿目)
今作の大きな変更点はアヴァク。原作のイヴァネや他の重臣たち要素を合わせ、
憎まれ役を一手に引き受けています。勿論彼も祖国と前王の忠義心からなる
仕業なのですが、なんにせよやりすぎルスダンまであそこまで追いつめて
何がしたかったのか。ルスダンを傀儡の王にしたかったんでしょうか?
結局改心しルスダンを真の王と認め、ディミトリのことも心から信じ。ずっと
王配扱いしなかった彼が最後に王配と呼んだのはよかったですが、、、
そもそもディミトリを追い出さなければ。。。ディミトリの策が通ったとなると、
ホラズムの属国になることになり、それもどうかって感じではありますね
その二人にずっと付き従うさりお君と天飛君は、ギオルギ兼アヴァク信者(笑)
アヴァクが黒といえば、純粋無垢な赤子も黒と断じそうなその3人+ゆりちゃんが
集まると、ま~た悪だくみしてるわ~と重臣たちにも思われてそうw
今作で外してはならない存在が、ギオルギ王とバテシバ。二人の存在がいかに大きく、
亡き後もディミトリ、ルスダン、アヴァク、そして観客の心に訴えたことか。
そんな影響力ある二人の、愛してなお別れなければならなかった恋の行く末が、
その後のディミトリとルスダンのあり方を決定づけてしまったのが。。。辛い。
二人の気高さ、誇り高さがあかさん、くらっちだからこそ出せるもので。
物語が温まらないうちに二人のデュエットで序盤の山場を作ってくれたので、
ここで一気に物語に入っていき。二人の歌がその後の展開にも生きてきますね。
タマラ女王やチンギス・ハン、エルズルム公なども、一瞬ながらもインパクト大。
特にエルズルム公の行動はどこかこっ恥ずかしく、滑稽な部分もありますが、
それは大国にもまれた小国の処世術であり、子を思う親心でもあり。
エルズルム公がディミトリを亡くしたと聞いたときはどう思うのだろう。。。
インパクト大といえば、語り部兼狂言回しのみきちぐさんどこかおぞましく不気味で、
物乞いとありましたが彼は何者だったんだろう。。。どこぞの亡国の亡霊だろうか。
対するリラの精は観ていて心が浄化されでもあの現場にルスダンを誘ってしまうのは、
やはり精霊と人は=じゃないというか“人でなし”ということでしょうか。
忘れてはならない、イケメンすぎる庭師(笑)絶対目立つでしょ~www
セット、演出について。美しい作品にふさわしく、美しいセットに彩られています。
街中や王宮、寝室に書庫等々、結構場面展開が多かったと思うのですが、
幕を極力下ろさずに盆回りとセリだけで大胆に舞台転換してくれるのも、
生田作品の特徴ですね。セットの一つ一つもこだわりが見て取れます。
映像を使ったギミックもありましたが、今回面白いなと思ったのが王女が
誤って厩舎に入り込んだシーン。まさか本物の馬に襲われるわけにいきませんから、
影絵を使って上手い事危うく事故にあうところや、ミハエルの救出シーンを描き。
影の大きさも大きくしたり小さくしたりで、上手い事遠近感出していましたね!
また、思わずずっしりときたのが、ルスダンがディミトリの足跡(2回目)を
見つけたときに、ルスダンの心の牢獄を示すかのような表現。
ホラズムが攻め入ったときに燃やされる宗教画の映像も、前にいるディミトリの
表情とも相まって、心に訴えるものがありました。
ライティングも上手い事使われていますよね。ディミトリが神に祈るシーンで
ライトを極細に絞っているところや、ジャラルッディーンがディミトリを助けるところに
カッと赤くなるところは、思わず「来た~!」と喝采を上げるところでした。
映像だけでなく、原始的な手段も。今作の象徴的存在でもあるリラの木。
昔あった飛び出す絵本のように(笑)ぱっと満開に開くところは見ごたえありますね!
その分、思いっきり黒子さん達が見えるのはご愛敬w(『シャーロック』の時もそうだった)
今作の一番のみどころは、やはりジョージアダンスでしょう!これを礼君にやらせるために
今作を選んだといっても過言じゃないくらい(生田先生談)最初のリラの精の踊りや
結婚式の踊りも見ごたえありますが、なんといっても戦場のシーン。
ポージングの美しさや群舞の迫力、このシーンだけでもお釣りが来ます。
簡単にやってそうですが、本当に大変だったんだろうな、、、
あんだけディミトリ頑張ってたのに、ギオルギの右側にいなかったから(笑)
衣装、音楽について。衣装は『風の谷のナウシカ』でも参考にされてた通り、
まるでアニメやゲームにでも登場しそうなエスニックな装い。
コチラのサイトで詳しく説明してくださっていますが、どの衣装も素敵
ちょっと、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』もコチラ参考にしたんじゃないかって
思っちゃった。宝塚でも弾帯はないですが、かなり近づけて作られているのがわかりますね。
男役も娘役も本当に豪華で、殿堂で近くで見られるのが今から楽しみ
一方、ホラズムは現在のウズベキスタンやトルクメニスタンあたりですが、
コチラも色彩豊かな民族衣装(砂漠な地方というももあるんでしょうか)
色艶やかな衣装を眺めているだけでも楽しめますね。
音楽はどれも名曲揃い!。。。なのですが、、、どうにも「ビッビッビ~♪」に
上書きされる(笑)個人的にはギオルギ&バテシアのデュエット、ディミトリが
神に祈る歌が好きだけど、思い出そうとすると「マジ~マジ~♪」が(笑)
最後にジョージア大使から。(駐日ジョージア大使公式ツイッターより引用)
心温まるメッセージに