星組大劇『ディミトリ』『JAGUAR BEAT』観劇感想⑤ | ★F**kin' Perfect★

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徒然なるままに、つらつらと。。。

昨日は宙組バウ、そして今日から星組がようやく再開となりました!

本当におめでとうございますアップどうか、、、どうか最後まで

無事に公演できますよう、心から願っております。

 

星組再開を祝して、感想の続き。④の続き右矢印

 

脚本、人物について。原作は並木陽氏の『斜陽のルスダン』。

原作ありの作品を舞台化すると、時間の問題であったり演出の限界であったりで

どうしても「もうちょっとこうしてほしかった」「ここを描いてほしかった」

というのが出てしまうのですが。今作の場合は元々120ページほど

(1ページ当たりの文字数がかなり少ないので、実際はその半分くらいか)

舞台で表現しにくいアクションシーンやマジマジマジックもないので(笑)

原作冒頭シーン以外はほぼほぼ忠実に脚本化されています。

 

そのためか、タイトルにもある通り原作の主人公はルスダンであり、

舞台でもいつもの娘役トップさんよりも強めに描かれている印象。

(性格が強めではなく、脚本の割合的に。いや、性格もスゴツヨなんですが)

 

といってもディミトリがお飾りというわけではなく、彼の苦悩やルスダンへの想い、

何より“宝塚のヒーロー”的な要素(自己を犠牲にしてでも愛する人を救う)

もきちんと描かれています。ずっと道を自分で選べず何者にもなれなかった彼が、

王配として自ら選択し、その命を懸けて第二の祖国を、愛するものを守る。

その姿には何度見ても涙を禁じえませんでした。

 

最初の二人が本当に幸せそうであり、そこからどんどん悲劇的になるのがね、、

あんな沈んだ結婚式なんてありますかという。しかも、ルスダンは生まれながらの

王女であり、でも王としての教育は受けずに女王にならざるを得なかった。

そんな彼女のわがままであり、言いかたはあれですが考えが足りないところが

見ていて辛い。。。彼女自身は懸命に女王たらんとしていますし、

特に終盤は立派な女王として立っていますが、その横には愛する人はもういなく。

 

一方ディミトリはずっと影たらんとしていましたが、彼ほど優秀であればもっと

前に出ていれば、、、とも思わないでもないですが。有名な王配殿下といえば

アルバート殿下(ヴィクトリア女王の王配)やフィリップ殿下(エリザベス二世王配)を

思い浮かべますが、彼らを観ていてもやはり王配という立場は微妙なのだなと。

(公務を代わることもできず、自らが何かをすることもできず・・・)

女王は国に尽くしますが、王配は女王に尽くす。そんな3組の女王王配の共通点は

お互いを心底愛していたのだなと。もっともディミトリたちは悲劇的な愛でしたが、、

 

二人が原作通りの描かれ方をしているので、他の役が少し描かれ不足。

特にジャラルッディーン周りは少し割を食った感がありますが、

1時間待たせてのあの登場の仕方のカッコよさにすべてが帳消しラブラブ

というか、ジャラルッディーン登場シーン少なく3、4シーンほどなのですが、

そのすべてがカッコいいってどういうことラブラブ!せおっちのくせに(笑)

 

特に2番目の登場シーンとラスト。ディミトリのピンチにホラズム軍が助けに

来るんだろうと思ってましたが、弓が飛んでくるかと思いきやまさかの王自らとは!

そりぁディミトリも恋の矢ってなりますね(笑)それからというもの、ずっとセルジュークの王子に

全幅の信頼を寄せているのがディミトリ的に辛いえーんどんな蛮行に及ぼうとも、

彼の魅力には抗えないですよね。まさしく覇王の威光ともいうべきか。

 

その彼を裏切ったディミトリに対し、頭でわかっていても信頼していると口にするディミトリ。

結局彼の口から裏切りを告げられても、最後まで彼のことを想い、最期に最も

ディミトリが欲してた「王配」として死を迎えてあげるのも、なんか本当に優しい。

 

彼にずっと付き添っているのがぴーすけ演じるナサウィーですが、彼もいい味だしてる。

それもぴーすけが演じているかに他ならないのですが、飄々として、でも優秀で、

時折見せるジャラルッディーン強火担な様子もにやり「(せおっちが)美しいものを近くに

おいておきたがる」と言ってますが、自分もずっと近くに侍っていて。

=自分もジャラルッディーンに美しいものと認めてもらっている自負でしょうかw

 

原作同様、やはり出番が少ないキワミ君演じる“美しい人”ことミヘイル。

最近のキワミ君史上、役付きの出番は一番少ない気がします。

ただ、慮って出番を増やすとバランスの取れた脚本を壊しかねませんし、

組子の出番と脚本のバランスを考えるのは本当に難しい事ですね。

 

出番少ないながらもインパクトは大。王女に「美しい人」と言われるのも納得の美しさ。

でも、彼の優しい心と仄かな恋心、ルスダンの傷心に付け込まれ、、、アヴァクめパンチ!

もう少しタマラ王女との絡みも観たかったですね(王女役のひよりちゃんかわいい~)

他にもバイトしてますが、モンゴル兵の時なんてめっちゃイキイキしていましたね(笑)

 

 

続く右矢印