①の続き
セット、演出について。盆も回るしセリも大活躍だし映像も大いに駆使するし。
武蔵の分の予算を此方に回したのかと思ったぐらい特に映像は
効果も併せてこれまでになく一番使っていたのではないでしょうか?
単語?が流れてくるところだなんて、とても漫画チックな技法だなと。
斎藤先生といえば幕開けや幕前にもよく仕掛けしてくれますが。
今回はジョージとエマが5分前からカウントダウンしてくれますね
そんな小洒落た仕掛けからもこのミュージカルに誘ってくれます。
細かいところは豪華だったのですが(ホテルのバーとか)
映像に目が行く分大がかりな舞台転換がなかったのが少し寂しいか。
まぁその分ヘリコプターで大いに度肝を抜いてくれましたけれどね
ペガサスに比べたら舞台セットも進歩したな~と思ったりです。
あと、あれだけ豪華なセットにもかかわらず、雪山のシーンだけ
妙に手抜き風な(おい)書き割だったのはなぜだろう?普通なら気にしませんが、
それ以外がリアルに作られている分(ウィーン観光のシーンとか)ちょっと気になる。
両サイドのエレベーターが間として上手い事使われていますが(パブロ関係で)
どうしてもチーンて音が鳴るたびに反応してしまう星組ファンでした
衣装、楽曲について。衣装はほとんど新調じゃないかしらと思うくらい。
色遣いが派手でしたが、おもちゃ箱をひっくり返したかのような今作にふさわしい。
また、派手だからこそ最後のシックな舞踏会が締まりますね!
楽曲はこのミュージカルのためではなく既存のポップスを使っている
ジュークボックス・ミュージカルなため全てオーストリアが誇る
国民的歌手ラインハルト・フェンドリッヒのもの。
どの楽曲も素晴らしいのは当然ともいうべきか。
個人的にはパブロがかかわる曲全部好きですが(「♪マッチョマッチョ」とかw)
やはり外せないのはオーストリア第二の国歌ともいわれる「♪I am from Austria」
(水を差すようですが、個人的には第二の国歌は「♪美しき青きドナウ」だと思ってますが)
劇中の歌詞もよかったですが原曲の歌詞も素晴らしい!
“谷から水が流れるように 子供が流す涙のように
抑えがたく清く 私の体に流れる血
世界が終わろうとも 誇りをもって
世界でたった一人になったとしても 私は言おう
I am from Austriaと”(最後が英語なのも何とも言えない切ない気分にさせます)
(余談ですが、ここのさくらちゃんの発音が良すぎて
たまき君がカタカナ英語になってるのがなんともかわいらしかったです)
第二の国歌といえばイギリスは「♪威風堂々」チェコは「♪モルダウ(ブルタヴァ)」
アメリカの「♪星条旗よ~」フィンランドの「♪フィンランディア」なんかがあげられますが、、、
日本の第二の歌に当たるのはなにになるんだどう?(戦前なら「♪海ゆかば」でしたが)
と脱線しましたが。フィナーレは月城君センターの若手オラオラからのあり君マッチョロケット(笑)
(あの腕を組んでやるやつ、本当に大変だと思う誰よりも足が上がってるのがあり君)
群舞はあのオーストリーの民族衣装が素敵ですよね(何気今回の衣装の中で
一番好きって思ってしまった)流れるようなフォーメーションなので目が足りない
家族愛、夫婦愛、友達愛、そして郷土愛。現代人が忘れかけた心に投げかける
クスッと笑えるけれど温かい。ふと立ち止まって自分もルーツを振り返ってみたい。
そんな気持ちにさせてくれるハートウォーミング・ミュージカル。
これから更に寒くなりますので、ウィンナーコーヒーで(笑)
温かくなってみるのもいいかもしれませんね。(もしくはウィスキーw)
最後に一つだけ。ちなつさんがあまりに素敵な件について
見た目のイケオヤジっぷりももちろんなんですが。
絶妙な間のとり方(いいタイミングなんだけれど出しゃばらない)
ちゃらんぽらんに見えて妻への愛、子供への愛がしっかり見える。
かと思えば、フィナーレではシャープな踊りに色気を振りかざし。
次の出島もどんな姿を見せてくれるのか楽しみで仕方がありません
そのちなつ君の妻の海ちゃんも本当に素晴らしかった!
OTTからの復帰でしたが、1幕大ナンバーで生き生きと踊る海ちゃんに
本当によかったね~と(衣装は少しびっくりしましたけれど)
それと、、、ずっと研16だと思っていた風間君。なんて可愛いんだ
あんな渋親父から可愛いダメボーイまで演じ切るなんて、芸の振り幅に驚かされます!