①の続き
演出について。引きで見ていたから余計になんですが。初の大劇場という事ですがあまり大劇場を
使い切れていないついでに言うとセットも使いまわしが多かったような(ここはローマかとw)
誰もが憧れる“王妃の館”が普通のホテルの一室の様になってしまったのは残念。割と平面的で
立体感がなく(『ローマ』『相続人』の時も思いましたが)もう少し舞台機構やセットを使いこなせればと。
(『SANCTUARY』の時はかなり期待持てる感じだったんですけどね~。舞台の重厚感とかも)
これを中々出来る人はいないのですが、大劇場お披露目ということで。光、影ツアーの面々やルイは
個性的で際立っていましたが、その他が全く使えておらず(海外μなんてそういうのざらですが)
別箱でも上演できたんではというのが残念な所。(演者はこれでもかというぐらい嵌っていましたが)
ナンバー、衣装について。あまり耳に残るナンバーは少なかったですが(というのも、その後の
「ソーラン宙組」に全て上書きされたからw)結構ナンバーも多く、主題歌で右京と玲子のデュエットは
制作発表の時に聞いた時よりも心にグッとくる。(そして、何気ルイナンバーが多かったです)
衣装はほぼ着たきり雀。そんななか、クレヨンがバック2種類(+ガラガラ)なのは優遇されてるなとw
(もしかしたら金沢さんの鬘もなん種類もあるかもですがw)そんななか右京はともかくとして
玲子さんもツアコンなのに3種類も(笑)これはナウオンでもご自身らで突っ込んでいましたねw
制作発表ではとんでも衣装だなと思っていましたが、舞台で観ると普通に見える不思議(きっと
ミチルのド黄色に目が霞んだに違いないw)真風君が衣装何だかセットなんだかのデカさ具合に
原作ありきだとどうしても比べてしまいますが、原作の良さ、宝塚版ならではの良さがあったかと。
宝塚版吉本という感想も聞きますが、脚本というより間やテンポ感でクスっと笑える感じでした。
(ほら、星組に慣れたりw昔のTMPとか比べると全然お上品ですわよw)十分に良作と言える作品。
なのですが、、、やはり原作を知っていると“削られた”部分が惜しいのも事実。当然ちゃ当然ですが
人間描写の奥深さは原作に軍配があがるかと。特にクレヨンやミチル(リクレヨンも好きですが)
「世の中ってね、幸せの形はみな似たり寄ったりだけど、不幸の形はどれも別々なの。(中略)
もしあなたが特別な苦労をしているとしたら、そう思いこんでいるあなた自身の姿が不幸なのよ」
「忘れちまいな。恨みつらみは片っ端から水に流して。過ぎた事にこだわっていたなら、一歩も
前に進めない。(中略)他人に無茶苦茶にされるほど、貴女の人生は安くはないはずよ」
このクレヨンとミチルのセリフが好きで、このセリフを言う機会がなかったのは残念
ですので、もしこの公演に少しでもホロっとされた方は原作も読まれることをお勧めします
続く