⑤ の続き
オハラ家の人々(礼真琴・夢妃杏瑠・美城れん・紫りら)
スカーレットのイメージって「♪私は明るくおしゃまな娘」「♪陽気で勝気でおしゃれな娘」と自分の事を
言ってしまうほど頭にお花畑というか叶わぬ恋に現をぬかし(しかもその恋は幻だったし)あんなにも
想いを寄せられてる素敵なおじさまに背を向ける。原作ではレットとの間にできた子供の死等、
紆余曲折を経てどうしようもなくなってしまったみたいですが、宝塚verはその過程がバッサリ
カットされているので、どうにも身勝手すぎる女に思えてしまって
なぜ世の男性が(アシュレを除く)スカーレットを好きになるのか。今回ようやく分かった気がしました。
だって“明るくて、おしゃまで、陽気で、勝気な”娘なんだもん!そう歌っても許されるわw(バトラーverは
ないんですけどね)“おしゃま”という言葉が入っていますが、これは“少女が年齢の割に大人のように
振る舞う事(実はあまりよく知らなかった)”でも、どうにも“強い女”というイメージが先行していて、
あまり子供が背伸びしているように思えがなかったのですが、琴スカはどうしようもなく子供。
ニコっと笑ったら誰もが許してくれると信じてる(これがまた可愛いんだ)無邪気で愛嬌たっぷりな娘。
今回、そのスカーレットの勝気さや勝手さという面よりは、純粋で単純というか“根は善良な娘”という部分が
強く出ていたと思います。アシュレが好きで好きでたまらず、でも別にアシュレの好みの娘になろうと
するわけでもなく(アシュレが好いてくれていると信じきっているからw←そこがまたスカの子供っぽ所だけど)
アシュレの為なら何だってやる。(今回のみつるアシュレは、そんなところも見越してスカーレットに
メラニーを託した(悪く言えばスカーレットの恋心を利用した)そんな計算高いようにも見えたりして)
タラの土地を守り、バトラーと結婚したのだってアシュレに傍にいてほしかったからのようにも見え。
今回のスカって行動原理が“タラを守る”というよりは“アシュレの傍にいる”なんですよね、、1幕ラストが
すごく良かっただけに、2幕の姿が少し弱い気も(ただ、これはカーテンのシーンがない脚本のせいかも)
結局アシュレの衣装に恋していたことに気づき、本当の愛をバトラーに見出す。でも、バトラーは
スカーレットをずっと愛していたけれども、スカーレットは本当にバトラーを愛していたんでしょうか。
最後の嘆きもバトラーという存在の大きさ、ずっと捧げられていた愛を失ったことに対する悲しみであって、
愛する人が去ってしまったからとは違うような。しかも、愛される事に慣れてしまって、その愛が
永久なものと信じている。相手にどんな仕打ちされても愛され続ける。そう信じていたところも、
バトラーの言う通り「君は子供なんだよ」と言われる所以だよなと。(それでも可愛いんだよな~)
最初のオープニング。思いのほか可愛くなかった(笑)(それほど男役になったということか。。少し寂しい)
でも、あまりにアシュレの好き好きオーラが出まくってて、もうずっと“恋する乙女”状態なのが可愛い
本当に表情豊かで、拗ねてみたりニカーっと笑って見せたり。そりゃバトラーもデレデレ状態だわとw
一方、ずっと「可愛い」ばかり言い続けていましたが、可愛いだけじゃダメなのもスカーレットの難しさ。
今までやってきたお役の中で、一番難しく感じていたんじゃないでしょうか?(そりゃあの学年でこの大役、
おまけに性も違うわけですし)高い声での台詞回しも大変そうでしたし、いつもどこか余裕と大物感を
感じさせるのに一杯一杯な感が。(むしろ、これで余裕で演じられると末恐ろしすぎるけど)
ただ、その体当たりでの演技、とても良かったです!実は礼君の演技、今までは上手いけれども
どことなく物足りなく感じていたのですが、、、今回は熱を帯びていたというか、とても魅入られました!
(女役で魅入られるのも不本意かもしれませんけどね)女役を演じると男役の幅も広がると
いいますしね。この役を通して、演技力もかなり成長される事に期待(というか、そう信じています!)
歌は文句なし!ナンバーオンリーなら、歴代スカと遜色ないんではないでしょうか?「♪明日になれば」は
圧巻の一言!裏表のナンバーもスカⅡも歌ウマなだけあって、とても聞きごたえがありました
そうそう、スカⅡのあんるちゃんもこれまた可愛くて迷える琴スカを積極的にリードするお姉さん。
でも、スカⅠの心の姿だから、多少ご本人がごつくても(コラw)心の中はこんなに可愛らしい方なんだと
(ほら、スカⅡが結構コワめの方もいらっしゃったからww)バザーの時にはしゃぐ姿にホッコリし
(そういえば、白いドレス姿がスカⅡの方が豪華に見えたのだけれど、、、気のせいだろうか?)
スカーレットといえばこの方!1幕ラストの登場だったのに、圧倒的な存在感を放っていたマミー。
いつものさやかさんと言うだけでなく、歴代のマミーをしっかり踏襲した姿で。ちょっと頑固で気の強い、
でも優しく温かみのある姿はさやかさんのマミーでした。あの姿を見て涙しないものはいません。
涙といえば、スカとのシーンより印象的だったバトラーとのシーン。ちょっとクスッと笑わす場面で、
あの間のとり方が絶妙なですよね!でも、それ以上にその後のビンからそっと指を抜いて旦那様を
寂しそうに、或いはスカーレットに向けるものと同じ眼差しで見守る姿にまた涙です
あとこの子を忘れてはいけない、プリシー(笑)スカートからすらっと伸びた足が黒人の女の子って感じで、
仕草も声もこましゃくれたプリシーそのもの!子役専科といってもいい紫りらちゃん、そろそろいい学年なので
大人っぽい役も観てみたい気がしますが(宙組はもっと上だったけどw)流石の上手さでした!
2幕では一人お化粧替えでどこぞのご令嬢役。1公演で黒りらも白りらも堪能できます(笑)
(そういや、昔英真さんがタカスぺ(当時TMP)でプリシーやっていたのを思いだしたwww)
続く