① の続き観劇感想と被るところもありますが、、、
【ティボルトの心情】
ティボルトの持ち歌が“自己紹介ソング”“俺は悪くないソング”“俺モテモテソング”と、お友達に
なりたくないタイプwなので最初は歌が理解できなかったのですが、彼はとても単純な奴なんですよね!
その単純さを理解すると、歌にも「なるほど~」と。
「♪ティボルト」
とりあえず、ジュリエット命!恐らく赤家どうこうよりジュリエットの方が大事。でも跡取りの居ない赤家は
自分が継がなければ、ジュリエットは路頭を迷うことに・・・もしくは、ジュリエットに婿って考えも
赤父にはあった(特にティボが死んでから強引に嫁がせようとしたのも、赤家を潰させないようにと
赤父の焦りもあったのか)でしょうが、ジュリと結婚出来ないティボにとっては自分が継ぐしかなかった。
しかし、そうなると赤家の掟には従わなければならない。ジュリエットを思うがゆえに赤家の跡取りになり、
跡取りになるがゆえにジュリエットをこの手に抱くことができないジレンマ
抑えきれない想いを必死に留め、自分は赤家の跡取り“ティボルト”なのだと言い聞かせる。
一方ジュリのほうはというと、運命の人に出会いあっさり「キャピュレットの名前を捨てる」って
言ってるんですよねあんだけジュリのための赤家を継ごうとしているのに、ティボ哀れ
「♪本当の俺じゃない」
赤家を跡取りとなるために赤父から言われ続けたこと。敵を憎み、敵を倒せと。
敵を殴れば自分の心が知らずに傷つき、憎しみの心はやがて自分へ負のオーラとなって返ってくる。
しかも自分の本意じゃないとしたならば、この多感で繊細な青年の心をどれだけ傷つけたことだろうか。
思うにですね、実は赤父はティボにきつく当たってたんじゃないかって恐らく自分の弟あたりの子
でしょうが、幼き日に両親が他界し自分の家で引き取ったものの肝心の自分たちには跡取りは生まれず。
そのまま跡目に添えたものの自分の子ではなし赤家の跡取りとして育てはしたものの
子に向ける愛情は向けてこなかった更に自分の奥さんと関係があったとあっちゃ(赤父は
ティボ&赤母との関係を何となくわかってる気がしてます)そりゃきつく当たりたくもなりますよね~
片やティボ。動機がジュリのためとは言え赤父に認めてもらおうと、そりゃ~頑張ったんでしょうね!
(出ないとジュリの婿に跡目を取られる可能性もあるし)
しかも「赤家は自分が引っ張っていかなければならない」なんて気負っていたため、相談できる仲間も
作ってこなかった。ほんとにさ~真面目すぎるんだよ、ティボ君は
仏verで印象的だった歌詞が「俺の怒りで泣き 泣きたくて怒る」きっと自分でも止められない怒りが
泣きたいほどにいやで、でも泣く代わりに再びこぶしを振り上げる。
ほんとにさ~繊細すぎるんだよ、ティボ君は
「♪今日こそその日」
多分一番突っ込みどころの多い歌wいきなり今までの女性歴を披露し、さらにロミオの心臓の前で
告白したって、ジュリが頷くとは到底思えないですけど
ただ、よくよく歌詞をみたら「♪ティボルト」の時となんら変わらないんですよね!ジュリエットが好きで好きで、
それでも手に入れることができないなら他の女性を抱いて忘れようとしても想いは募るばかり。
こんなにも想ってきたのに、彼女はあっさりと自分の心を裏切った
今までもロミオに対して憎しみの感情はあったと思うのですが、あくまで大人たちに言われたから。
恐らく、この時初めて自分の気持ちでロミオに対し憎しみが湧いたのだと思います。
(マーに対しては前々から憎んでそうですが)
ジュリエットを獲られたのもありますが、それ以上に同じ立場にも関わらず彼には仲間もいて親からの
愛情もある。跡取りにもかかわらず誰にも何にも支配されず、自分と同じように手に入れられないはずの物を
易々と手に入れてしまった。今までの自分の人生を真っ向から否定された気持ちになったんでしょうね~
「誰もが自由に生きる権利などない!!」と声をあげてロミオに反論したのも、そんなところからでしょう
そんなロミよりもジュリを憎む気持ちの方が強かったんじゃないかと、最近になって思いました。
「復讐~してやる~」はロミに向かって言ってるのかと思ってたんですが、実はジュリに言ってるのかなと。
「彼女は俺の心を引き裂いた」だから彼女の一番大事なロミオを殺して彼女へこう告げる。
ロミオよりもずっと前から、ずっと深く「誰よりも愛してきたんだ」なのにお前はこの俺を心を傷つけたから、
俺もお前の心を痛めつけてやるんだ、と
そうすることでジュリへの想いを断ち切り、「報われぬ恋にけじめを」つけようとした。
う~ん、真面目で繊細な人が一旦切れると手に負えないですからねぇ
ただ、そう意気込んだところでティボはロミを殺しはしなかったでしょう。せいぜい痛めつける程度で
なにせティボは我慢の人。人を殺せば跡取りでなくなってしまうのは理解していたでしょうし。
そんなティボが人殺しをし、さらには殺した後でも酒をあおるような行動をとったのは、一重に理性の糸が
切れてしまったからですが、糸を切ってしまったのは他でもないずっと憎んでいたマーなんでしょうね
ということで、続く