ももクロ春の一大事2024 in 亀岡市 2024/4/13(土)~14(日) | 接触が苦手だけどアイドルは好き

接触が苦手だけどアイドルは好き

接触が苦手な人のアイドルライブレポでしたが、もうほぼももクロしか行ってないです。

都内に住んでいる自分にとって、春の一大事は他のライブと違い、長距離移動、知らない町での宿泊、スケジュール設定など、事前に考えておくことも、当日考えることも情報量が多い。

 

さらに近年の春一はライブ終了後の月曜日まで連泊し、周辺を観光するようにもなったので、さらに脳の中で幅を取っている。

 

夜行バスで出発して新幹線で帰るまで、寝る時間を除いた活動時間は「48時間」位になる計算だが、その中でライブは「5時間」程度。そのライブの記憶を他の記憶よりも優先して、都合よく覚えているのは思ったよりも難しい。

 

すべての記憶が断片的にしか出てこない。

ステージ上で微動だにしない明智光秀公、日差しが暑かった開演までの待ち時間、なかなかバスにたどり着けない1日目の長蛇の列、突如現れた4人の神、春の一大事会場入口からライブ会場までの長い道のり…

 

それもすべて1日目の記憶だ。

2日目の記憶は、前日に似た経験をしてるおかげで更に圧縮されたひとかまりになってしまい断片を探すのも難しい。「ロマンティックこんがらがってる」に至っては、トロッコに乗るももクロちゃんの向こうにスタンド席が見える風景が、2023年福山での春の一大事と同じ光景過ぎて、1日目2日目どころではなく、去年の福山春一の記憶まで一緒になって溶け始めているように感じる。

 

思い出しにくい春の一大事の記憶を解きほぐすため、セトリを見てみる。

 

 

 

セトリ・1日目

 

overture
01. MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰
02. GODSPEED
03. 孤独の中で鳴るBeatっ!
04. 行く春来る春
05. ザ・ゴールデン・ヒストリー
06. MORE WE DO!
07. HERO
08. ニッポン笑顔百景 -ZZ ver.-
09. なんとなく最低な日々
10. ツバメ(地元小学生合唱)
  亀岡光秀まつり再現
11. 労働讃歌
12. BIONIC CHERRY
13. ももクロの令和ニッポン万歳!
14. 走れ! -ZZ ver.-
15. 桃色空
16. スターダストセレナーデ
17. いつか君が
18. キミノアト
MC:AEイベント告知
19. Brand New Day
20. Re:volution
【アンコール】
21. Heroes
22. 吼えろ

 

 

セトリ・2日目
 

overture
01. 夢の浮世に咲いてみな
02. Re:volution
03. 仮想ディストピア
04. 行く春来る春
05. ツヨクツヨク
06. PUSH
07. HERO
08. 笑一笑 ~シャオイーシャオ!~
09. 誓い未来
亀岡光秀まつり再現
10. にじいろ(地元小学生合唱)
11. キミノアト(地元小学生)
12. 宙飛ぶ! お座敷列車
13. ももクロの令和ニッポン万歳! 
14. 走れ! -ZZ ver.-
15. スターダストセレナーデ
16. ロマンティックこんがらがってる 

17 青春賦
18. Brand New Day
19. Chai Maxx
20. 上球物語 -Carpe diem-
【アンコール】
21. Heroes
22. バイバイでさようなら
 

 

 

 

それぞれの曲に対しもちろん瞬間的な記憶はあるのだが、文章にしようとするとなかなか思い出せない部分が多い。

 

その中で、比較的生々しく覚えてる「桃色空」について記録しておく。

 

春の一大事が始まって、この「桃色空」を聞く前までの私は、夏菜子ちゃんに対して、言葉にできない、口に出せない感情がありすぎてしまい、心の中でも自分の感情や考えていることを言葉にしていなかったせいで、自分がどういう感情なのか自分で把握できない、自分自身にモヤがかかっているような状態だった。

 

そんな混沌とした感情の中で曲が始まってしまったのだが「曲の提供者と結婚した人が歌っている」というフィルターをかけて見ていたせいか、そのような曲を目一杯の感情を込めて歌う姿が、言葉を選ばずに言うと、とても色っぽく見えて、感情が揺れた。

 

桃色空の時は、ももクロちゃんたちがトロッコに乗ってしまったのでもう肉眼で見ることはできない。なのでずっとモニターで姿を追っていたのだが、同じトロッコに乗って向かい合って歌うももたまいを映す映像は、日が少しだけ傾いているせいなのか、カメラがいつもと違うのかわからないが、いつもよりコントラストが強く見えて、映画みたいにきれいな映像だった。

 

結婚ということが人生の節目なのかどうか、それは人によって違うのでわからないが、自分がももクロを見てきた中でのターニングポイントの一つになっていることは間違いなかった。

 

そんな自分から見ていると、結婚という事実に一番近い「桃色空」を、今、ももクロが歌うことに対して、ももクロが無感情ではいられないと勝手に推測して見てしまう。どうしても。

 

そうすると、この曲がどういう気持が込めて作られたのか、今みんながどういう気持で歌っているのかということを考えて、何度も聞いている曲ではあるのに、急に脳の中にグサグサと歌詞が刺さってくる感覚になった。

 

歌い出しの色っぽい夏菜子ちゃんを受けての詩織ちゃんのパートが、詩織ちゃんが歌っているということもあって、何か「今のこと」を歌っているようにも感じられて、分かるようでわからない。そういう感覚になった。

 

この道の果て 宇宙へと駆け上がって

戻れない宇宙(ふね) 星に成って照らす日が

いずれ来るのよ その日へと瞬いて

歌え Life is one time Life is one time

 

でも聞いてる途中で「これは今のために作った曲ではないし、今ここにいない人が作った曲なわけなので」と、急速に冷静になる感じもあって、そういう心の様々な揺れ動きやアップダウンが、桃色空の間中続いた。眼の前にはひたすら丁寧に感情を込めようと歌うももクロの姿があって、とても自分には、今見えてる、感じてる、主観的なこと、客観的な事実、それらを正しく言葉にする力はないなと思った。

 

集中力と感情の揺れ動きが高かった桃色空が終わり、次のスタセレでいつものももクロに戻っていくように見えるのだが、全く気持ちがおいついて行かなかった。

 

その後の「いつか君が」のサビで連続するジャンプをしていたらテンションが戻ってきた。精神は、肉体を動かすことで制御するしかない。

 

 

 

 

1日目の本編がRe:volutionで終わるのは、明智光秀の革命を表しているとMCで説明があり、その時初めて思ってた以上にガッツリと明智光秀を語ったセトリだったのだと分かった。

 

明智光秀のことは本能寺の変を起こしたものの、あっという間に豊臣秀吉にやられてしまった。という表面的な知識しかないが、春の一大事のOPVで語られた、2日間で別々につけられたサブタイトルの意味を聞くだけでも、だいぶ春の一大事が語ってたことの意味が分かってくる(多分)。

 

(正直ももクロライブのOPVは大げさな語り口のナレーションと、それとは全く違うテンションでニコニコ笑うももクロの映像というわけのわからない組み合わせであることが殆どなので、ナレーションが言ってることの意味を理解できることはほぼない。ので、多分。)

 

OPVのナレーション(とその後自分で少し調べたこと)によると、1日目サブタイトルの「時は今」は「本能寺の変」直前、光秀の天下取りを目論む気持ちを表した言葉であり、光秀の革命家としての顔を表している。

 

2日目サブタイトル「真・英雄たん」は、OPVの説明だけでははっきりと分からなかったのだが…明らかに雰囲気の違う1日目と2日目のセトリからも情報を補完すると、1日目の激しさから変わって、夢見がちで、ファンタジックで、優しく笑顔が感じられる2日目のセトリの色あいが見えてくる。

 

2日目は光秀の、天下を取って、その後の平和な世界を夢見た優しい人物。部分にスポットが当てられており、そして恐らくもっとも重要なのは、春の一大事というイベントを通して、そのような光秀像と、ももクロとがつながっていく…それが「真・英雄たん」本当の亀岡市のヒーローの話…だと。(多分OPVでもそれを言っていた。)

 

プラス、演出の佐々木敦規さんの「ももクロが亀岡市とどう寄り添えるかを熟考した結果、一番身近な存在だったのかも。」と光秀のことを語ってるあたりからも、そういうことなんだなと察し。

 

 

「Heroes」は春の一大事のための曲ではなく、別軸で作られているアルバムのコンセプトに沿っている楽曲なはずだが、タイトルも内容も結構公演にハマっている気がするのがおもしろい。 

 

だがやはり光秀に対する知識不足の限界で、正直2日目のセトリはよく分かってない。なんで上球物語?なんでバイバイでさようなら?

 

しかもバイバイでさようならの前に、神様の衣装でももクロが登場するので、あの世感の強い曲が更に強化される感じがした。今回はももクロの方が神なので、春の一大事のためにこの世に1度降臨させた光秀を、あの世からやってきた神々が送り返しているように見えた。なんかちょっとこわい。

 

 

 

 

 

春の一大事という長いイベントを、セトリを見ながら細かな思い出を振り返るのは、とても脳が疲れる作業だ。

 

しかし3日目に、自転車に乗って知り合いと一緒に亀岡市内を色々と回り、自分1人では絶対に通らなかったであろう、Googleマップに載っていない砂利道を通って、晴天の保津川沿いを風を受けて走ったことは、簡単に思い出せる。

 

できれば、お金を払っているイベント部分の記憶がより濃く残っていて欲しいが、脳にとっては、この3日目の記憶の方が自分にとって人生に必要なものとして判断できたのだろう。

 

春の一大事、3日目に観光するようになってから、この「ライブ以外の部分の方が鮮明に覚えてる」ことについて結構自覚的になってきている。春の一大事とは、もはやただのライブではなく、開催地で巻き起こる全てのこと。だ。なので、3日目の記憶が鮮明なのは、自分が春の一大事を正しく楽しめてるということにする。