先に「~風が吹けば桶屋が儲かる~」を読んでおくと、理解の助けになると思います。

これまで、資産と負債(ストック面)に重点を置いて解説してきました。
これは、何をするにも元手が無いと始まらないからです。
そのため、元手となる資産とそれを裏付ける負債について書いてきました。
今回は、実際に資産が使われる場合を考えます。

まずは「何を消費と呼ぶか?」を決めないといけませんが、ここでは「モノやサービスの対価にお金を支払う事」とします。
そのため「土地を買う」や「給料を支払う」「借金を返済する」といった事は消費には当たらず、資産や負債の移動という事になります。

以前「輸入のために」や「為替シリーズ」で、輸入のために輸出などで外貨を稼ぐと説明しました。
同じように、消費のために仕事やお金はあると言えます。
お金を使わないでずっと貯めるだけなら、それは無いと一緒です。
しかし、貯めたお金を誰かに貸し出してそれが消費に使われるなら、再び意味を持つようになります。
これの繰り返しによって経済が成り立つのです。

これまで何度も負債(借金)について書き続けたのは、人が貯蓄する以上は誰かが借りないと「循環」が止まるからです。
好景気と言われる場合はこの循環が概ね上手くいっていて、不景気では上手くいっていません。
(20万円手に入れて10万円を貯蓄しても、10万円分誰かが借りて使えば20万円しっかり回るが、5万円しか借りられなかったら15万円しか回らない)
そして不景気時には皆がお金を使わず貯めようとするのでまた不景気が続きます。
貯蓄の増加量に対して負債が足りないから景気が悪くなるのです。
ここを対処しない限りは景気回復は夢物語になります。

あれ?、何というか「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!」な気分です。
「俺は消費の話を書いていたと思ったらいつのまにか負債の話になっていた」
フローについて書いていても結局ストックが絡んでくるんです。
とりあえず次回はGDPについて書こうと思います。
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前回、為替を「歪ませる」ものとして資本収支の赤字を挙げました。
相手国にお金を貸し出す事で自国通貨安になり、結果的に輸出しやすくなる。
あくまで、貿易収支の黒字を稼ぐのは輸出産業です。
その輸出産業が、稼いだ黒字を国内に入れようとすれば通貨高を招き自分達が不利になる、だったらそのまま外に貸し出そう、と考えても不思議ではありません。

それは置いといて、他に為替を歪ませるものとして、政府による為替介入があります。
物の売り買いやお金の貸し借りではなく、直接、お金そのものを買ったり売ったりする事です。
日本では、為替介入をする際に政府短期証券というものを発行します。
この政府短期証券とは、介入時に財務省が日本円を銀行から調達するためのもので、借りた円でドル買い介入をするわけです。
中国あたりは通貨を発行して同じように介入しているようです。

変動相場制を取り入れた以上、輸出し続ける、黒字を出し続けるという事はできません、できない筈なんです。
それをお金の貸し出し(資本収支の赤字)とお金の直接売買(為替介入)で歪める事で、できない事をやっているのです。
前者は外国の負債の増加、後者は自国政府の負債の増加によって。

久しぶりにこの結論に戻ってきました。
「誰かのプラスは誰かのマイナスによって成り立つ」
さらに進めるなら
「プラスを増やし続けたいならマイナスも増やし続ける他ない」
同じ結論に辿り着く、国家経済論 その12でした。

(連絡事項)
あ~、それでですね、次から何を書きましょうか?
恐らくこの先何を書いても「マイナスによってプラスを作る」という結論は変わらないと思います。
国家経済を考える上で見逃している事があるなら教えて下さい。
(何か盲点があるような気がして?)
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(ちょっと失敗、編集)
第9回「~為替でバランス~」の続きとなります。

前々回で「収支が黒字だと円高方向に向かい、輸出しにくく、輸入しやすくなる事で黒字の縮小と赤字の拡大への力が働き、バランスを取る」と書きました。
そう、「収支が黒字や赤字なら」バランスを取る方向に為替は動きます。
が、貿易収支や所得収支が、経常収支が大体いつも黒字の日本は、ずっと円高には向かいません。
「別の赤字」により黒字と赤字のバランスを取っているのです。
「~日本の稼ぎ~」を参照するなら、経常収支の黒字に匹敵する赤字とは、資本収支になります。
また説明しますが、資本収支とはお金そのものが移動した結果です。
稼いだお金(経常収支の黒字)をそのまま貸し出す事(資本収支の赤字)で為替はバランスを取っています。

「歪み」とはまさにこのバランスの事です。
技術革新、コスト削減、商品開発、品質管理など、ありとあらゆる努力の賜物が日本の貿易収支の黒字であり、それに所得収支の黒字も加えたのが経常収支の黒字です。
その黒字の代償が円高なら、円高を利用しその努力に見合うだけの物を買い、資源を確保し、企業すらも買収すればいい。
だが実際は「外」に売るためにお金を貸し、結果として為替が維持され、それでさらに輸出し利息も手に入れたお金をまた貸して…を繰り返します。
アメリカは「外国からお金を集めて消費(輸入)し、黒字として相手が手に入れたお金を借りる事でさらに消費し…」を繰り返す永久機関とも呼べるものでした。
赤字は蓄積されるが、そのマイナスの対価としてモノを手に入れ続けました。
日本はこの逆です。
外から来たお金を外に出す、という点では同じで、アメリカは借りたお金を赤字により、日本は黒字を貸し出す事で。
違いはプラスとマイナスのどちらが溜まるか、モノが入るか入らないかだけです。

書いている内に思い至った結論は幾つかありますが、思考の連鎖が飛びすぎて、考えがまとまらないので1つだけ。
「1000文字では入りきれない」
結論が曖昧な国家経済論 その11でしたorz