サイボーグ009天使編/石ノ森章太郎 | spanish castle magic

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「サイボーグ009」は、1966年に「少年キング」から「少年マガジン」に移り、「ヨミ編」が連載されます。ここで、009たちは、それまで戦ってきた死の商人「黒い幽霊団」との最終決着をつけることで、石ノ森はラストエピソードとする予定でした。しかし、読者の熱い要望により、少年マガジン1967年13号の最終回からすぐに「冒険王」1967年5月号で再開しています。当初は戦う相手が黒い幽霊団の残党で、スケールダウンの感がありましたが、「移民編」で未来人が、「海の底編」で海底人が登場し、よりSF的に展開しストーリーの幅を広げていきます。また、移民編の頃から、009が青年化していき、プロポーションや表情が変わっていきます。そのような中で、1969年2月号から「天使編」が始まります。石ノ森は、それまでの単行本9巻全部を合わせたくらいの長い大きな構想による009たちの最後の戦いとして臨みます。それは、人類の存亡をかけた造物主たる神々との闘いでした。人類の存在意義、造物主と戦うことの可否、人智を超えたはるかな存在を相手にした絶望感、無力感など、哲学的、心理的領域に深く踏み込みます。章名もそれに応じたものになっています。

  • 第1章 長いいくさの日々へのプロローグ
  • 第2章 神 天より降りたまいき
  • 第3章 われらヒツジのむれ
  • 第4章 敵か?みかたか?
  • 第5章 生きるべきか 死すべきか それが問題だ
  • 第6章 万物に生きる意志あり 生きる権利あり 死を選ぶ自由あり

しかし、5回目の連載を終えた1969年6月号で中断してしまいます。続く「悪魔編」と併せ、009の総決算として「長いすさまじい最後の戦いの記録」とする予定であるため、少し休んで力を蓄えた上で、本当におもしろいものにしたいということが理由でした。そして、「COM」同年10月号から、「神々との闘い」として構成をし直し、新たに始められますが、翌年12月号で再び中断します。小説として発表しようとも考えられたようです。その後、009は、1975年に「少女コミック」で「風の都編」により復活し、「マンガ少年」、「少年サンデー」など各誌で連載されますが、これらはインサイドストーリーであり、「天使編」の前のエピソードとなっています。