水の中。 -73ページ目

水の中。

海外小説のレビューと、創作を。

うちの父は、第二の人生だとかで、よその会社で働いている。

個人的な事務所にいて、今まで他人とあまり接点なく仕事をしていた父にとって、世の中は「理不尽なことだらけ」なのだそうだ。

時間を守らない人がいるのだとか。
ミスを他人のせいにする人がいるのだとか。
言いがかりをつけてくるお客さんがいるのだとか。

それを聞いてあげている母は、
「○○ちゃん(我が家のローカルルールにより、父はちゃん付けで呼ばれております)て、ホント世間知らずなのよねえ~」
と笑っている。
長年、接客業をしてきた母にとって、理不尽なことなど「あって当たり前」なのだそうだ。

「そういえば、K子さん(我が家のローカルルールにより、母はさん付け)の仕事のグチって、聞いたことないねえ」
と私が言うと、
「あんたのもないわねえ」
と母が言う。
「現場を知らない人に説明したってねえ……」
と、私たちは頷き合うのだけれど、

「おい、もっと真剣に話を聞いてくれ!!」

と父が割り込んでくる。


がんばれ、パパ。





完結した小説
「まるで愛のような」
を並べ替えしました。

全16話
これでやや読みやすくなったかと思われますので、お時間のある時にでも、どうぞ。

今の連載が陰気でイヤになってきたら、これの番外のようなものをやろうかと思っています(逃避か)

日付をいじるのがイヤで、長いこと放置していたのですが、思い切ってやりました。フー!

それにしても、重いのかタイムアウトなのか、弾かれっぱなしで作業が進まず、ちょっとくたびれましたですよ……。

くたびれ侍。


ここで書き始めて、
「もう二ヶ月かあ、早いなあ」
と思っていました。

アホ記事を整理しようかと見直して、総記事数が87件あることに気がつく私。
毎日更新しているわけでもないのに、87?

……三ヵ月すぎてる……。

どうやらここ、11月13日から始まっている模様です(初めて知ったよ)!

ある種の人には信じがたいことのようですが、世の中には記念日というものを覚えられない人間が存在します。
わたしです。

大事なひとの誕生日ですら、語呂あわせで覚えようと苦労する、受験生のような私……。
一昨年は、キレイさっぱり忘れてしまっていて、ひどくがっかりされました。
なので去年は「今年こそ!」と意気込んでいたのですが、その気合がまずかったのでしょうか。
11日を10日と間違えてしまったのです。
たった一日なのに、ダメなのか(そりゃそうだ)

結婚記念日を忘れて、妻の機嫌をそこねてしまう、世のお父さんの気持が分かります。
だって、それって愛とは関係ないんだもの。

その人が大事なのと、その日が大事なのは、違うんだもの。

だから皆さん、愛する人に記念日を忘れられることがあっても、どうか怒らないでください。

お願いします。


(そして悩んだ末に、11日をワンワンの日、と記憶しようとしている今日このごろ……)

舞台は戦国のとある国。
狩原家の長女・鈴女は孤児を拾い、育て始める。
彼女はその美貌と才覚を武器に、飛雲城の城主の地位につき、しだいにその勢力を拡大していくが――
架空戦国ファンタジー。



著者: 半村 良
タイトル: 飛雲城伝説

三冊まで出ていたものを、未収録分四章目を加えて一冊にした本書。
実物を見れば分かりますが、厚いです。
ありえない厚さです。
それでいて未完です。作者はもうお亡くなりになっていますので、永久に未完。

一言で言えば、「架空の戦国時代で魅力的なお姫様が大活躍するファンタジー!」なのですね。
この作者の「妖星伝」あたりの雰囲気を期待してしまうと、かなり違うのですが……。
主人公・鈴女のまわりに人が集まりはじめる二章(女神記)あたりまでは、ワクワクして読めて、楽しいです。
しかし、その後がもうワカランチン(何語だよ)に。

私が思うに、八染という謎の美女が出てくるあたりから、おかしな具合になっていくような……。
八染は実は八十女という妖怪(?)なのですが、この人が空を飛び出すあたりから、どんどん話の収拾がつかなくなっていきます。
鈴女たちもどこかへ消え去り、架空だったはずの世界に実在の人物などが現れ出して、謎の戦争へ突入。ちょっと読者おいてけぼり?のような。

これは、作者がご存命であっても、未完だったかもしれないなあ……。
という気がする作品。

伝奇好きな方(以外は読まなくてよいかと)へ。
ちなみに装丁は横尾忠則。

(評価?←未完なので)


最近、友達に教えてもらった面白い番組があります。

それは、日曜朝七時半の「魔法戦隊マジレンジャー」

マジトピア(魔法の国のことのようです)の勇者の血をひく小津家の五人兄弟が、あふれる勇気を魔法に変える、愛と勇気の物語。
お分かりでしょうか。魔法戦隊物、この一見両立しそうにない、二つの世界。

……やっぱり両立してません。

扇風機に変身して戦ったり、コショウに変身して敵のクシャミを誘ったり、そのへんまではいいです。
いいですけど。
今週はナゼか空中ブランコで戦闘してましたよ、マドモワゼル!
そしてその後、巨大ロボ化して、合体してましたよ、セニョリータ!

なんというか、アレですね、今週で私はすでにツッコミどころを見失いました。
ま ほ う に ま け た(とゆーか、どのへんが魔法なのかがサッパリわからない……)。

ついでに録画した「仮面ライダーヒビキ」が、ひどくマトモに見えました。

太鼓で戦ってるのに。

主役が細川茂樹なのに。

主題歌が布施明なのに。
(どのへんの層をねらった番組づくりなんだコレ……)

というわけで、録画したこれらを深夜に鑑賞していたため、連載してるつもりの小説「OVER」は、明日か明後日の更新になると思われます!




「今日、帰ってくるんじゃなかったの?」



残業して帰宅したところ、実家の母から、そんな電話が。


そういえば、私は月末になると、よく帰省していたのでした。
日々に追われていて、行けないという電話をするのを、すっかり失念していました。
私が帰るものと思い込んで、家族は待っていた様子。

あまりにもがっかりした声を出されて、罪の意識を感じた私は、早朝フラフラ起き出して、実家へ向かいました。

……というわけで、いま実家です。
しかし、犬とふたりきりです。

「ああ、よかったー!誰もいなくなっちゃうところだったのよー!!」
と、母は出かけていきました。
なんでも、地域ボランティアの講習会があるそうで。
父は仕事で。姉は仕事で。祖母はデイケアセンターへ行っていて留守。

欲しかったのは、留 守 番ですか?

「あ、この子の汚れがとれないのよー。お願い、なんとかしておいて!」
到着するなり、犬のおしりを洗う私……。

「あとこれ、直しておいてね!」
わけのわからない町内会の回覧を作らされている私(誤字があったよ!)……。

犬は幸せそうに寝てますが、犬のご主人さまである私、
三時間しか眠ってませんよ。ゲフ。



(ちなみに写真はサイパン。たぶんマニャガハ島)

ダーウィン・マイナーの職業は、事故復元調査員。
いつものように事故調査を終えた帰り道、銃撃を受ける――



著者: ダン・シモンズ, 嶋田 洋一, 渡辺 庸子
タイトル: ダーウィンの剃刀


そうです。ダーウィンというのは進化論の人でなく、
主人公ダーウィン・マイナーのこと。

事故調査のプロフェッショナルである、このダーウィン。
彼の部屋の描写――蔵書7000冊(作家の出身地ごとに分類ってナニ?)やら、複数のチェス盤(ネット対戦でゲーム進行中)や、本物志向の家具類(美術品もホンモノ!)や、テレビがない(ないわけではないが、しまってある)――を読んだだけで、
「うわー、付き合いにくそう……」
と思ってしまいます。
しかし、意味もなく浮世離れしているわけではなく、悲しい過去や、特殊な経歴を背負っている孤独な人なのですが、その彼が大掛かりな詐欺ビジネス組織に命を狙われてしまうわけです。

この物語には、謎解きの要素はありません。
かなり早い時点で、敵が何者であるか分かります。では読者は何を読むのかというと――主人公ダーウィンが、いかにして戦うか。

ラストへかけての戦闘は、準備段階から細かく描写され、かなりの迫力です。
この物語で作者が語りたいことは、恐怖と、その克服なのかもしれませんが、カーチェイス、空中戦、銃撃戦、とどめはナイフを使った接近戦と、ありとあらゆる戦いの連続です。
それにしては物語に静が感じられるのは、言ってしまえば、説明が多いからでしょうね……。

そう、ダン・シモンズが徹底した取材を行って本作を執筆しているのは、読み手にも伝わってきます。
ハードボイルド作品としては、かなりの完成度であると思われます。

だがしかし。
ダン・シモンズのファンが、彼の書くものの何を愛しているかと言えば、情の部分ではないかなと思うのですが……。人生の悲しさや、小さな喜びの大切さ、そういったものを拾い上げる感性の豊かさが、この作者の一番の魅力ではないかと。

このシリーズは続くようですが、私は違う傾向の作品が読みたいです。
(ダーウィン、これだけ特殊なキャラなのに、魅力が感じられないのが不思議だよな……)

(評価★★★)



「また犬を飼おうと思うんだけど、今悩んでるのよねえ~」

と言って来た会社の先輩である彼女が、何を悩んでいるのかというと。

「女の子にしようか、男の子にしようか、決められないのー」
だそうで。


そういえば、我が家の場合はブリーダーさんにお願いする前に、家族の希望を聞いたのでした。

姉(姉がいるのです)は、
「私、弟が欲しかったからオス犬がいい!」と言い、

母は 「私も息子が欲しかったのよねー。男の子がいいわあ」と同意。

父も 「これ以上、家に女が増えるのはイヤだ」とそれに賛成し、

祖母は祖母で、
「どっちでも」(←自分以外の生き物に興味がないと思われます)と一言。

その時は何とも思いませんでしたが、

今にして思うと……




私、いらない子だったんじゃ……?(動揺)

世界で多発する、謎の人体発火現象。
英国王室シンシア妃の危機を救った嵯峨敏也は、美由紀へ協力を求める。
事件の影には、最新の防衛システムを操るメフィスト・コンサルティングの姿があった――



著者: 松岡 圭祐
タイトル: 千里眼の死角

シリーズ10作目の本作、文庫ではシリーズ最新作となります。
いつもリアリティーすれすれのラインを力技で疾走する、華麗な松岡ワールドですが、今回はとうとう、地球規模(すげえ……)の物語になってます。

今回の2大テーマ、
「メフィスト・コンサルティングの内部抗争(?)」
「ヒロイン岬美由紀の恋愛問題」
やはり読者として気になるのは断然、後者なわけで。

そういえば、前もありましたね、こんな展開……。
そしてなんだか、いつの間にか他の女性と付き合ってたね、嵯峨くん……。

そして言ってしまうと、今回もまあ、いつものオチなわけですが。
なんだかねえ……。
思うに、稀代のヒロイン(と作中で呼ばせてしまうのが松岡ワールド)岬美由紀のおせっかいぶりは、彼女自身の孤独から来ているわけなんですよね。

とびぬけて有能で、行動力のある、しかし孤独で不安定な彼女だからこそ、他人ごとにのめりこんでしまうわけで。

同じ臨床心理士のシリーズでも、ジョナサン・ケラーマンのアレックスとは全然ちがうのですね。あちらは恋人と愛犬に囲まれ、人格も安定した保護者タイプで、弱者を放っておけない。
美由紀の場合、身近な心を許せる人間は、なんと蒲生刑事だけ。女友達らしき人は、北にいる李秀卿くらい。

そんな不安定さが、このヒロインの魅力でもあるわけなので、美由紀が幸福な恋を手に入れることがあるとしたら、それはおそらく、シリーズ最終巻なのではないでしょうか。

今回出てくるメフィスト・コンサルティング内部のお話ですが、この組織にはあくまで謎につつまれた潜在的な脅威であってほしかったように思います。
ボスキャラが改造人間すぎて、なんとなく戦隊モノを見ているような気にさせられたので……。

ハリウッド映画のように楽しむのが正解の、このシリーズ。
来月は文庫で「へーメラーの千里眼」が出るそうな。楽しみですね。

(評価★★★)

同僚Aちゃんは、体育会系だが、意外と読書家だ。

私があまり好きでない、パトリシア・コーンウェルが好きだったり、
うまく生きていくための本なんかを、よく読んでいる。
引き出しのたくさんあるひとだと思う。

「今日、ちょっと年齢の話になったんだけどさあ」
Aちゃんが、思い出すように言った。
「うん」
「40歳くらいの人に、『ぼくらくらいの年代の人って、なんて言うのかな?』って聞かれたわけ」
「うん」
「だから、『初老じゃないですか?』ってフツーに答えたら、すごいガッカリされたんだけど……どうしてだと思う?」

……初老?

Aちゃんはいろいろな引き出しのある人だ。

ただし、その引き出しは、入れ間違っていることが多い気がする。


(追記)

実は彼女は間違っていないということが、後になって分かりました。
初老で正しいのです。
でも40くらいで言われたくないなあ、初老なんて。