「Real Clothes(リアル・クローズ)」11巻(槇村さとる) | 水の中。

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病気に倒れた田渕の無事に思わず泣いてしまい、自覚する絹恵。
(今まで耐えられたのは、ボスがいたからだ)
しかし感傷にひたる時間もなく、田渕不在のチームの運営に振り回され……?


Real Clothes 11 (クイーンズコミックス)/槇村 さとる
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おお! なんか前巻での登場人物リストラが上手くいったもようで、物語全体がスッキリしてきましたリアルクローズ。
絹ちゃんがボス田渕への恋心を自覚しつつ、「だけど私はボスとどうなりたいんだ?!」と悩むあたり、この主人公らしいですね。


うーん、それはねえ。恋でないとは言いませんが、彼女が好きなのはやはり「有能な上司としての田渕」なのですよね。つまりはただ「いつまでも仲良く一緒に仕事がしたいだけ」のことではないかと……。


もっと言ってしまうのなら、絹ちゃんとゆー主人公の人生における「仕事」の優先順位が非常に高いために、職場の最重要人物である田渕が一番大事なひとになってしまうだけのことではないかと。かと。


……かとは思うのですが! 色恋って勢いであって理屈ではないので、「とにかく好きなんだもん!!」と壁を突き破るだけのパワーがあるのなら何でもアリだよなーとは思います。



しかしなー、わたくしが田渕の立場であったならと考えてみますと(←それ考える必要あったっけ……?)、仕事での自分に惚れてくれている女なんかとは一緒に暮らせないけどなあ……だって気が休まらないじゃないすか、そんなのって。
ううーん、やっぱりイヤだなー、家庭は職場とは隔絶した世界でないと。24時間有能でなんかいられないっつの病気になるっつの。


という個人的なボヤキはさておき、ファストファッションH&Hへ転職した最近の美姫サマですが、あれ似合うのか?? というのが疑問で。
田渕は「若返りましたね」とか言っちゃってますけど、私には「若作りしてますね」にしか見えないのですが……いえ、安い服が悪いとゆーのでなく、ファッションて本人の個性とのバランスだと思うので、あれほど強い自我を持ち、美意識の高い中高年の美姫サマが着る服ではないだろー、と思ってしまうのですよねえ。
百貨店と対立する立場へ美姫サマを持ってくるという物語上の展開ですけども、でもやっぱり似合わないよなーと思ってしまいます。


そんな美姫サマが「百貨店はもう終わっているんじゃなくて?」と自信満々に田渕に言ったりするので、なんつーか説得力があるよーなないよーな感がとてもビミョウ。←考えすぎ