世継ぎもなく失政を重ね続けた綱吉の苦しみに満ちた治世は終わり、時代は家宣の天下へ――
しかし民衆に歓迎されたその将軍は、わずか三年で急逝してしまうのだった。
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男女逆転の社会がどうこう言う以前に、一巻分のページ数の中で、中高年の恋愛を何組も見せられるのはキツイ……。
なんつーか画面的にもキツイ……。
いきなり日よったことを言ってすみません、そもそも男女のながーい時間を追った上でやっと結ばれた恋なので、もうちょっと感動的なことが言いたいのですが、読み手である私自身が恋愛体質ではないせいか、右衛門佐の一世一代の大告白
「男と女っつーものは子づくりだけが全てじゃないじゃろ! 愛じゃろ!(←たぶん)」
も、わたくしには
「性交の目的は子作りだけでないじゃろ!!」
としか読めずに、(えー、このトシでなんでそんなに元気なの……)とゲンナリしてしまいました。いやむしろ純愛なんですけども。分かってはいるのですけども!
ええー、そういうわけで中高年うんぬんはさておき(置くと語るとこないのでは)、
あいかわらず「で、なんで男女逆転時代劇なわけなのだろう」というあたりがワカラナイ読者のわたくしですが、
今回の間部さまの活躍などを見るに、やはり「女性に男性としての社会的立場を与えたらどうなるか」とゆーかなりフェミニン(フェミニン?)な問題提起あるいは思考実験なのかもしれないですね。
だがしかしその結果、かなりしょっぱいことになっておりますが……。
何と言いますか、巻を重ねるごとにキツくなってきて楽しめなくなってきました。
私みたいな夢みがち? な人間には、こういう権力に群がる男女の業なんてものは胃にもたれる……もっとスウィート感のある物語でないと消化できないといいますか、だったら読むなという話ではあるのですけど……うーん、一巻くらいの雰囲気の、痛快時代劇がよかったですね。
映画化されている本作ですが、映画のほうは1巻ベースのような物語になっているのでは、という気がします。というかそれ以外にやりようがないよなー、これは……。