「コラソン」塀内夏子 | 水の中。

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W杯アジア最終予選、低迷する日本代表チームは窮地に陥っていた――勝利を託されたヘルマン・ヴィーズラーは、残り試合の全権限を条件に新監督へと就任する。
「代表を選び直す時間は無い、FWをひとり入れる」
ヘルマンが選んだFWは戌井凌駕、6年前に乱闘事件の果てに日本サッカー界を追放された、札付きの選手であった。

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こ、これは!
塀内センセーのサッカー漫画! しかも日本代表が題材ですよ!
だけども正直なところ、サッカーの漫画でなく、漫画のサッカーだと思ってお読みになったほうがよろしいかと……。



いえ、いまどきのサッカーファンなどには、これはリアルなドラマだとは感じてもらえないと思うのですよね……。

ダメダメ代表チーム(でも俊輔みたいな天才なひとはいる)、
腐りきった連盟のお偉方(しかし小物すぎる!)、
突然現れた、狂犬のようなFW(2巻のヘルマン発言で分からなくなったのですが、つまり戌井はどのへんが優れた選手なの……? まさかガッツだけとか?←ありそうだ。タイトルがコラソンだしな……)などなど。
分かりやすいといえば分かりやすい設定ですが、もーちょっとオトナな演出が出来ないものか。いや出来ないか。



いえ、なんつーかそのへんはもうこの際どうでもいい!



近年の塀内センセー漫画のなかでは、ギリギリ成立していると思うのです。
中でも、戌井凌駕というチンピラ狂犬主人公は、なかなか魅力があると思うのです。
というわけで、わたくしこの漫画を、

「戌井凌駕とゆーツンデレ主人公がチームに認められていく課程を楽しむ漫画」

として読むことにしました!



3巻もガツガツぶつかってくれるといーなあ……。