「大奥」5巻(よしながふみ) | 水の中。

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首尾よく大奥総取締へとおさまった野心家の右衛門佐。
しかし唯一の世継ぎであった松姫の急死により、五代将軍・綱吉の心はしだいに平衡を失い、その治世は荒れていくのだった――

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画像がなくてさびしいので4巻をはってみる(何故無いのじゃー!!)。 


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とうとう5巻まで来ましたね~、おなじみ男女逆転時代劇。


えー、しかしこの物語のコンセプトをいまひとつ、いえ、いまみっつくらい咀嚼できていない感のある私ですが……。


そもそも、「なんで男女の立場を逆転させなきゃならんのか」がよく分からず、
お万の方こと有功サマがいなくなられてからはキャラクターに思い入れることも難しく……。


しかし今回の綱吉の子づくり細腕奮戦記(ちょっと違う)を読んでみて初めて
「うわー将軍さまって尊厳もクソもないわ。跡取りをつくるためには個人なんてものはないんだわ」
と暗澹たるキモチになりました。



これ、ふつーに男性が将軍様であれば「まあハレムがあっていいですことウヒヒ!」と笑うくらいで、特にその身の上を気の毒に思ったりはしないわけですよね。しかし女性である綱吉は「若い男達を悦ばせるために、どれほどのことを床の中で覚えてきたか分かるか!」と嘆き怒る。
一方で、男性である右衛門佐は、貧乏な公家に生まれたがために毎夜のように身を売り(←種付け要員)、「学問などどんなに頑張ったところで飾りでしかない」と苦悩しながら生きてきたわけです。



男女の立場を入れ替えただけで、何故それほどまでに悲劇に見えるのか。



ううーん。なんだろうなー、やはりその性別に本来そなわってない(かどうかはともかく、そう思っている)ことを強いられる苦痛なのかなー。
男らしく女らしくなんてナンセンスと言いながら、逆の立場に立ったところで、人は自由になれるわけではないのか。
まあ、単純な男女逆転の問題ではなく、男性の死亡率が急激に高まって男女の比率が崩れてしまったという、この世界の切羽詰った事情がそうさせるのかもしれませんが……。


というわけで相変わらず、この物語の目指すところが全然まったく分からない(1巻当初は「そうか柴田昌弘の『ラブ・シンクロイド』の時代劇版みたいなものかー!」と思ってた……)、ホントにまったく分からない頭のわるい読み手の私ですが、ようやく吉宗の時代にお話が戻ってきましたので、今後を楽しみにしております。



(それにしても有功サマはさー、つるぴかおじいさんになっても清らかだよね……)