投身自殺にまきこまれ、死にかけた高校生の伶。
それからというもの、彼には「あちら側」の存在が見えるようになってしまう。
「あなたは生者でも死者でもない、ただ一人の特別な存在――」
戸惑う伶の前に、みずからを生気を喰らう「ヴァンピール」と称する美少女が現れるのだが。
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叶さんブログ でレビューを読んで「へえー」と興味をひかれた本作ですが(決して褒めていらしたわけではないのですが、その褒めていない部分が気になったので……)、ああ、なるほどなるほど。
確かにな~、これといって軸となるテーマもないような。
これは結局、キャラクターの魅力と、一話完結世相反映モノの読みやすさで読ませるしか無さそうなお話ですね。
半分だけ死人である主人公には世の中の陽のあたらないところが見えちゃって、というやつ。
うーん、こういう話であれば、なにも主人公が「死にかけたから半分死者」でなくとも語れそうな物語ですが……。
とはいえ、この主人公、現代っ子らしいタフさと無神経さと優しさはなかなか魅力的で、好感が持てます。
ただなあ、この作者さんはどうもご自分のキャラクターに思い入れのあるタイプではないのか、はたまたそういう主義であるのか、いつもわりと客観的に突き放したような描き方をするので(とくに女の子の造形がけっこーひどい気がする……)、こちらも「ああそう」というカンジにしか受け取れないというか……そうですね、何といったらいいか、魅力的な要素があっても、あまり登場人物に血のかよったカンジがしないのですね。
読み手が思わず感情移入してしまうような、切実さがない、というのか。
なので、こういったキャラクターで読ませるタイプのB級ホラーテイストの物語が成功するものなのか、ちょっと疑問ではあります。
それにしても、本作のこのスカスカさを見るに、昔の作品(思うに「八雲立つ」あたりからよくない変化があったような……)のように、決して世間ウケしそーにない世界を、世間ウケしそーにないスタイルで描いていたころのほうが、読みどころがあったなーという気がしますね……。