花粉の国から | 水の中。

水の中。

海外小説のレビューと、創作を。



昼下がりのオフィス。

用事を終えて戻ってきたところ、机の上にカバーのかかった文庫本が二冊のっている。
付箋つきで。

付箋に「読んでねv」という文字と、見覚えのある
細面のドラえもんの絵
このドラえもん、顔が細長いだけでなく、大変ビミョーな部分で線の位置が間違っている。

「Aさん、来てました?」
「あ、さっき来てたかもー」
まわりの返事を聞くまでもなく、同僚Aちゃんの置き土産である。
このようにしてAちゃんは、花粉の飛び始める時期を嫌って、休暇をとってハワイへ旅立ってしまった……。

Aちゃんが残していった本とは、パトリシア・コーンウェル「痕跡」
私は実はこのシリーズの主人公スカーペッタが好きではない(というか頑固すぎて疲れる……)のだけれど、いい大人が他人の好きなものにケチをつけるのはどうかと思われるので、それを彼女に言ったことはない。
そのおかげでAちゃんは新刊を読み終えるたびに貸してくれるので、好きではないシリーズを読み続ける、という貴重な体験をさせてもらっている。

それにしても、Aちゃんの休暇は一週間だ。

一週間後に日本に帰ってきても、花粉はブンブン飛んでいると思うのだけど、ハウスダストにすら反応しないアレルギーゼロな体質の私が口を出すことではないかもしれない。

本のお礼に、体によいお茶でもプレゼントしようかと思う。

……何がいいんだろ。←アレルギーがないので無知