「真夜中のサヴァナ」ジョン・ベレント(真野明裕訳・ハヤカワ文庫) | 水の中。

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北米で一番美しいと言われる都市、サヴァナ。
この街と奇妙な人々に魅せられたNY在住のジャーナリスト、ジョンは、ある富豪の殺人事件に出会う――


と書くとミステリー小説のようですが、これはサヴァナを取材したノンフィクション。
しかし、小説以上に面白い。
冒頭の、墓地のシーンで驚かせ、あっという間に読み手をサヴァナの妖しい夜へと誘いこみます。
ある殺人事件が縦軸となっていますが、それを抜きにしても、個々のエピソードが秀逸。
こんなにも奇妙な人々に、こんなにも親近感を持たせてしまう筆者の筆力が素晴しい。
明るいエピソードは無いのですが、筆者の観察者としての距離の取り方がうまいのか、不思議なほど読後感がさわやかです。

本書は、クリント・イーストウッド監督作品として、映画化もされています。
実は私もDVDを持っていますが……正直いって、かったるくて観てられないです……。
ぜひ、本でお読みください。
(評価★★★★★)


著者: ジョン ベレント, John Berendt, 真野 明裕
タイトル: 真夜中のサヴァナ―楽園に棲む妖しい人びと