サトウユウイチのごすぺる放浪記 -817ページ目

1月に観たもの、聴いたもの、読んだもの


 都会とは違って、ここ北見ではなかなか無理をしても観たいと思うような映画がかからないのですが、今月は珍しく何本もかかりましたので、毎週のように映画館通いをしていました。


 至福の1ヶ月でした。


☆☆☆☆


 「チェ 28歳の革命」


 スティーブン・ソダーバーグ監督、ベニチオ・デル・トロ主演による大作。2部作ということもあり、日本ではパート1とパート2を分けて上映されました。
 かつて人気のあったカリスマを主人公に据えたとはいえ、とても北見の映画館で観ることのできるような代物ではないだろうと思っていただけに、この映画の上映を知ったときは驚くとともに、ちゃんとお客さんが入るんだろうかと心配になったものです。

 それでもしっかりお客さんが入ったということは、皆こういった歯ごたえのある映画を待っていたのですね。

 いくらおいしくても、スイーツばかりでは飽きてしまいますからね。


 映画そのものも、キューバ革命と、キューバの実権を握った後での国連総会の演説という二つの時間をミックスし、物語もドキュメンタリー・フィルムをつなぎ合わせたようで、さらに登場人物の顔の見分けがあまりつかないということもあり、話を追ってゆくのが大変でしたが、それでも、世界を変えようとする強烈な意志の力はスクリーンから感じることができました。


☆☆☆☆


ザ・フォール/落下の王国 特別版 [DVD]
¥2,945
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 「落下の王国」


 僕は自分が映画を観る理由のひとつを「自分がまだ見たことがないものを見る」ということだと思っています。
 「まだ見たことがないもの」は、見えるものだったり見えないものだったりするのですが、見えるものに関しては最近はCGの発達により、もう人間が想像するもので映像にしてみることができるものは無いのではないかと思えるほどに、さまざまなものを見ることができる時代になりました。


 それでもなお、世界にはまだ見たことがないものがこれほどまでにもある、ということを思い知らされたのがこの映画でしたね。


☆☆☆☆



 「007 慰めの報酬」


 ダニエル・クレイグによる新しいジェームズ・ボンドは、古くからのファンにはとまどいを持って迎えられているようですね。
 おもちゃ箱をひっくり返したガジェトも無し、美女と片っ端から寝ることも無し、嫌味なまでの余裕にあふれた態度も無い。


 でも、ロジャー・ムーアのジェームズ・ボンドを「なんでこんなものを皆ありがたがって観ているのだろう?」と不思議で仕方がなかった世代の人間としては、ようやく待ちに待ったシリアスなスパイ映画の主人公としてのジェームズ・ボンドの登場です。


 ベッドの上ではなく精神的に強く結びついた良き友人としてのボンド・ガールの登場や、敵にまわるCIAに、リニューアルされた犯罪集団スペクター(名前は違うけど)、敵と味方、善と悪が入り乱れるストーリーは、快作「ダークナイト」をも彷彿とさせます。

 そして次回はいよいよ、かつてのシリーズが持つお約束を守りながら今の時代を生きる、新しいジェームズ・ボンドが登場するようですね。


 さようなら、ショーン・コネリー!


☆☆☆☆


用心棒日月抄 (新潮文庫)/藤沢 周平
¥740
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 「用心棒日月抄」


 映画の話ばかりだったので、あとは読んだ本の話を。
 札幌出張のJRの中で読んだのがこの藤沢周平の代表作。
 

 昔NHKでドラマ化された時の配役、青江又八郎=村上弘明、細谷源太夫=渡辺徹、吉蔵=坂上明

という配役が、まさに適役中の適役だったことを実感しました。
 話の緩急のつけかたが実に見事で、時間があっという間でしたね。


☆☆☆☆


シュガー社員が会社を溶かす/田北百樹子
¥1,400
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 「シュガー社員が会社を溶かす」


 その札幌出張、実は新人職員の育成を目的とした研修会だったのですが、そこで講師として招かれていたのが「シュガー社員」という言葉の生みの親、社会保険労務士の田北さんでした。

 困った新人社員を「ヘリ親依存型」、「プリズン・ブレイク型」などのカテゴリーに分け、なぜそうなっていったのかを、豊富な実例を挙げつつも彼等がここに来るまでどのような人生を歩んでいたのかという所からさかのり解説してゆく講演は、実にエキサイティング。


 ただ、話の中には僕ら自信が若かりし頃に言われていたようなことや、僕らより上の世代にも垣間見えるものもあり、新人社員がいかに仕事ができないかを知ることは、人間の中にどのような弱さがあるのかを知ることなのかもしれない、などと思ったりもしたのでした。

☆☆☆☆


 映画館から山のように持ち帰った映画のチラシの中に、旭山動物園を扱った映画のチラシがあったのですが、西田敏行演じる動物園の園長さんのモデルになった人(つまり、本物の旭山動物園の園長さん)からもうだいぶ前にお話しを伺ったことを思い出しました。

 田舎の小さな動物園を運営していくのがいかにたいへんかを話されていたのですが、その中でも特に、人間のお菓子を食べてしまったばかりに死んでしまったゴリラの最期を職員皆で泣きながら看取った話が今でも忘れられません。

 行動展示で旭山動物園が有名になる、何年も前の話です。