どもです。

三村智保九段もAlphaGoの棋譜についてコメントする記事を書かれてますね。


http://mimura15.jp/2919.html


専門家に出てこられちゃあ、こちらも商売あがったりだぜ!ということで、先に5局目まで記事を書いちゃうことにしたのだった。拙速、拙速。


Googleの囲碁AI『AlphaGo』と樊麾 (Fan Hui) さんの個々の対局について
振り返ってみたいと思います。
主に、人間側の対局心理を推測します。
(注! 棋譜を見てるだけなので、まともな検討はしてません!間違ってたらごめんね)


4局目の棋譜は以下をご参照ください。


http://gokifu.net/t.php?s=6401453923632744


黒:AlphaGo

白:樊麾 (Fan Hui) さん


白14は小さくはないけど、このタイミングでは左辺では?(10-C ワリウチなど)


黒21からの攻撃、黒31まで好調そうに見えます。白の形がどことなく弾力に欠けており、重い。

少しわかりやすく(?)表現すると、現時点で左上の白の一団にはっきりとした眼形がなく、多くの手を費やした割に強化されていない、という感じ。


白32は、やや無理気味ですが、承知で突入したものでしょう。他の生ぬるい手ではジリ貧になりそうなので、気持ちはよくわかる。

しかし、当然ながら黒33から連絡を阻まれて、苦戦ですね。


黒47は紳士の一着。

というのは、上辺の白を取ろうと思ったら取れるんですが、あえて取らなかった。



上図のように取る展開もありますが、例えば白54のように削減されるような手が残っていたり(厳密に読むと、この手は成立してないかも、だけど)、左下の黒を攻められて、下辺の白地が大きくなるような可能性もあり、必ずしも石を取れば勝てるとは言えないかも。


黒49から左辺の白の攻めを続行して、主導権を握り続けてます。このあたり、白は防戦一方で打ってて不機嫌でしょう。


白74まで、なんとか左辺の白の一団は安定。黒も左下がだいぶ固まったので、不満はないでしょう。


そしてさらに黒81から上辺に食らいつきなおす。

白98まで、なんとか白はつながったものの、先手で上辺を生きられて、地合いの差がはっきりしてきました。


黒99から最後の戦場へ。ずっとずっと、黒が打ちたいところ、大きいところへ打ち続けてます。

白114まで、白も左下は荒らしたものの、下辺の白模様が完全に破壊され、黒117で懸案だった上辺の黒6子を助け(白から13-Kにハネ出されると、取り込まれてしまう)、おおよそ大所は打ち終わりました。

こういう碁は白の立場だと辛抱に辛抱を重ねていて、息苦しい感じがするでしょうね。


白118は先手。黒123で手を抜くと、上辺の黒は死にます。


白128、130はずいぶん丁寧に受けている感じがしますが、よくよく見てみると上辺の白の一団、全体の眼がなく、確実に生きているとは言い難いので、丁寧に眼形を確保せざるを得ない。これは厚みの碁の成果の1つ。


黒131に回って黒の勝勢。白144から最後のまぎれを求めましたが、白154とつないだところで、黒155,157が決め手。実は、ぱっと僕はこれが成立していることに気が付かなかった。

詳細は割愛しますが、地中に手が発生して終了。抵抗も完璧な手順で押さえこんでいます。


白がもし妥協したら、こんな展開かもしれませんが、盤面10目以上は黒が良いかな。



わりと、品のある碁でした。AIに品なるものがあるのかな?

少し時間を置いてしまいましたが、3局目です。

ここ数日間で、ちらほら新しい情報も出てきていますが・・・。


・樊麾 (Fan Hui) さんのコメント(Facebookより)



TOEIC400点台の僕がざっくり意訳してみた(てめえ=AlphaGo)


てめえに対する考えを改めねばならなかったようだな。打つ前は自信があったが、てめえは序盤、中盤、終盤、隙がなかった。

2局目に発狂してから、ずるずるっと5局まで負けてしまった。

だが、俺よりも強い人間はまだまだいる。あんまり打てた感はないが、どうしようもない出来だったというわけでもない。まぁこんなもんっちゃこんなもんと言えるが、してやられちまったな。

ま、てめえもなかなか大した奴だったということさ。


Google人工知能囲碁AlphaGo、朴永訓の見解

http://nitro15.ldblog.jp/archives/46716737.html

(抜粋)

パク・ヨンフンはAlphaGoの囲碁スタイルに対しても言及した。 “樊麾2段との五対局を見たが初戦は互いに滑らかに置いたが二局目から樊麾2段が戦いを挑んでくるとすぐにAlphaGoも荒っぽく対抗した。 そしてAlphaGoが優勢だった。 これを見て相手の態度により戦略を別にすると見られる。”として“コ・ジェ9段が明らかにしたようにAlphaGoの実力は立派だ。 以前に優れていたどんなプログラムとも違う。 次元が違う。 均衡感覚も良くて判断力も良い。 しかしこういうのを全て勘案しても最高級プロ棋士を相手では2子以下の実力だ。 当時の棋譜ではそうだ。”

⇒僕が、今より勝負勘が優れていたであろう学生時代、当時の山下九段、高尾九段に2子や2子逆コミ3目くらいで2勝1敗だったので、おおよそ似たような距離感なのだろうと推測できます。


さて、以下が本日のメイン。


Googleの囲碁AI『AlphaGo』と樊麾 (Fan Hui) さんの個々の対局について
振り返ってみたいと思います。
主に、人間側の対局心理を推測します。
(注! 棋譜を見てるだけなので、まともな検討はしてません!間違ってたらごめんね)


3局目の棋譜は以下をご参照ください。


http://gokifu.net/t.php?s=671453923601921


黒:樊麾 (Fan Hui) さん

白:AlphaGo

黒9は15年くらい前?に一時期流行った布石。

樊麾 (Fan Hui) さんは34歳らしいので、僕と世代が近く、おそらくもっとも勉強をしていたころの布石で、自信がある戦型に持ち込んだものでしょう。


黒21は筋が悪いものの、非常にパワフル。部分的にうまくいくかは判断がし難いのですが、AI相手に急戦に持ち込みたい気持ちは理解できます。


白28は自然な1手であり、おおらか。目立つ手ではないのですが、感じのよさそうな手です。このあたり、人間らしさを感じます。


黒33~35からさらに急戦志向。これに対して、白36~黒47から黒地を固めるデメリットはあるものの、一気に力を蓄えたのは英断と表現すべきか。

相手に地を与えて、自分が厚みを蓄えるというのは、先行投資みたいなものなので、なかなか怖いものです。


白48はまさにこのタイミングで、ある程度の棋力の人なら、おそらく5割以上の人が「とりあえず」ここに打ってみるのではないでしょうか。

読みを伴わなず、感性のみで打つならこの1手、みたいなところ。


白52も、最善かわからないけど、いかにも手になりそうなところに突入していて、読みの精度はこれらからは類推できないけれど「おそらく正しい」ように見えます。


白58まで機敏に値切ってから、待望の白64の切りへ。

先行投資の回収はここに期待しているわけですが、ここで黒65、67という動き出し方がどうだったか。

白66、68とまともに急所にくらって、ここの数手でいきなり体勢を崩されてしまいました。

例えば、こんなかわし方はどうでしょうね??



黒69~黒79までなんとか脱出しましたが、代わりに白80で右上の黒の一団がピンチ。


黒93では下の図のよう打っておけば生きていた(白98に対しては黒99以下で生き)のですが、手続きをしなかったので、白94に打たれてコウにされてしまい、一気に終わってしまいましたね。


白98で取られて以降は蛇足ですが、最後に白154から有無を言わせない進行で、黒を仕留め切ったのは、なんというかエライ!

人間的な感性だと「別に取りに行かなくても優勢だし、うっかり損をしたら事だけどなぁ」などと考えてしまうので、あたかも(?)読み切りのように召し取ったのは、エライ!って感じです。


樊麾 (Fan Hui) さんとしては、1局目はサラサラ打ってみたものの負け、2局目は相手の悪手が出たにも関わらずもたついて負け、3局目は自分からゴリゴリ仕掛けたものの力負け、このあたりでちょっとくじけかけてしまったのではないかなぁ、と思います。

終わったことだけど、なんかかわいそうになってきたな。

Googleの囲碁AI『AlphaGo』と樊麾 (Fan Hui) さんの3~5局目の内容を書きたいんですが、あんまりまとまった時間が取れないので、今回はちょいと別な話で。

などと言っているうちに、明日16時から中国の羅洗河九段が『AlphaGo』に4子置かせて打つ、というニュースも流れてるので、ネタには困らないなぁ。


http://www.eweiqi.com/news_detail.asp?id=22633

(中国語が読めないのでよくわかりません)


まぁ、この状況でプロが4子置かせて打って負けても、なんの痛痒もないので、粗探しができればプロ側としては御の字?

持ち時間、『AlphaGo』側のスペックなど、よくわかりませんが。。。


それはさておき、表題の「プロ棋士、25歳限界説。」

ちょっとミスリードを誘う感じでなんなんですが、別に碁打ちのピークが25歳まで、という意味ではないです。

強くなること、勝つことだけを考えていけるような、プロ棋士になれるかどうかは、25歳までに判断すべきじゃないかな、ということです。

そして、危機感を持って、勉強して、行動する必要があるんじゃないかな、と。


単純にいえばトーナメントプロとしてやっていけるかどうか。

真の意味で勝負の世界に生きるということは、幸せともいえるし、辛いともいえるし、

いずれにしても、最初はプロ棋士は皆これを目指しています。



そもそも、トーナメントプロってどう定義すれば良いですかね。

賞金だけで、人並みの生活ができる、という感じでしょうか。


今週の週刊碁に2015年度の賞金ランキングが掲載されてました。

過去の賞金ランキングは以下を参照しました。


日本棋院賞金ランキング

http://www.igodb.jp/cgi-bin/price/navi.cgi?mode=part&part=1

関西棋院賞金ランキング

http://www.igodb.jp/cgi-bin/price/navi.cgi?mode=part&part=2


年によりけりですが、だいたい20位くらいで7~800万円から1,000万円ってところですかね。


プロ棋士の総数はというと、日本棋院:約330人、関西棋院:約130人でおおよそ460人くらい。

20位がだいたい上位5%、まぁまぁ悪い暮らしぶりではない。

上位10%(NHK杯に出られるくらい?)だと、5~600万円くらいなんでしょうかね??

生涯現役ができる世界とはいえ、最前線で戦い続けることは容易ではないし、数字で見ると

なかなか大変だ。



閑話休題。

プロ棋士は、だいたい15歳前後くらいで入段します。

今日でこそ、学業と両立しているような子もいますが、多くの人(特に、一昔以上前の人)は

ただひたすらに、青春を囲碁に捧げてきたものと思われます。(他人事のように言うことでも

ないんですけど)


若いうちはわき目もふらずに勉強しまくっていてもいいんですけど、囲碁に限らずどんな業界でも、

10年もいれば、自分の立ち位置や伸びしろなんて、肌でわかると思うんですよね。

トップになれるのか、上位5%に届くのか、10%に届くのか。


トーナメントプロはなかなか難しそうだ、と思ったら、レッスンプロでしょうか。

レッスンって、スポンサーからの賞金以外で生計を立てる一施策としてはもちろんいいと思う

んですけど、トーナメントプロの対義語としてレッスンプロって言っちゃうと、狭義すぎて

可能性を狭めてる気もするんですよね。

仮に、ビジネスプロと呼んでみましょうか。


僕は今のところ、囲碁ビジネスのスキームを作りたいので、早めにトーナメントプロの夢に

見切りをつけて、ビジネスプロとしてやる気のある若い子とかと一緒に仕事をしたいなぁ、と

勝手に思ってます。こんなこと言ったら怒られちゃうかな。


まぁ、人生もどう打っても一局なので、そんな感性の人がいればぜひ教えてください、と

ぶん投げてしまっておしまい。