「大切な何かを失うことは
あたらしい何かを得ることの前触れ」


「失った」とはおもってないけど
それにもとから恋じゃないから
失恋でもないけど・・・

互いに交わすことばの
ひとつ、ひとつが
あの頃みたいに重くはない。

あのひと、全然変わってないっていうけど
そんなわけない。


私はなにを見つめてたんだろう、
去年の今頃。
「死にたい」って言葉をさんざん聞かされて
それに同調しようとして
もうきっと彼はいつか自ら命を絶つってことが
絶対に揺るがすことの出来ない決意だと思えて
哀しくて哀しくて
ひどい夢ばかり見て
眠れなくて
もうすこしで病むところまで行ってたように思う。

今はもう、死にたいって言葉をあまりきかない。
まだ彼は希望なく惰性で生きてると言うけれど。



ああたぶん私、そんなことはどうでもいいんだ。
やっぱりどんなときだって頭にちらついてしまうのは他の女性のこと。
彼がなるべくそちらへの意識を逸らそうとしているのも
感じ取ってしまうから。

ああ、もう寝よう。
桜が咲いてるよって言ってみたけど
どうせ休みに花見なんか行かないって。
ああ、今はダメな気分なんだね。
ってそれで終わり。

数日経って桜並木の写メが届く。
なんだ、やっぱり行ったんだ?
でも誰となの。

嫌な自分。…けして言葉にはしないけど。

付き合っているのは不本意と、何度も聞かされわかっているけれども。
いつかもしかすると、その誰かをほんとに好きになったりするのかなって。
それはあり得ないと貴方は言うだろう。
でもたぶんね、そういう感情も、やっぱり私にはずっとわからないんだろうな。



彼は以前私にこう言った、僕に出来ることがあればしてあげたいと。
ただしそれは愛ゆえではないのだ。では何ゆえ。
私には分からない。

自分とて恋心ゆえ相手を求める気持ちがないではないが、とてもそんな風には。

今のこの関係に満足していると沢山考えた末にそう思えるようになった。
でも互いが互いに求めるものが何もない状況でも、相手を愛していると思えること、その理由とは何?
 面倒になったけど
 捨てるに捨てられないんだよ
 病んだ人は捨てられなくてね…

どんなカタチでか、人は人に必要とされたい。

それがたとえ愛の無いセックスであったとしても
こころにあいた虚ろさを
ひとときでも埋めてくれるものになりうるのならば
求めたくなるものだったりするのだろうな。

傷の舐めあい。
中々私には…わかりえないことだけれど。
私は唯あなたの心がそれによって救われるために
彼女らが救われることを祈る。

不思議なことにあんなに自分をくるしめた嫉妬心も今はもう、ずいぶん薄らいだよ。
痛みに慣れたのかな…

・・・

連絡を途切れさせてしまったのは私のほう。
いそがしくてその暇が無かった…って
それはウソではないけれどでも
しょうじきなところは

そっけない言葉ばかり
でも気分がそんなに落ちているわけでもなさそうだし
もうたぶん、いろいろと面倒になったんだろうなと。

わからないでもないよ。
面倒なときもある。
目的無くただ続けるだけのやりとりだし。
私を好きか嫌いかということなど別にしてもね。
だけど律儀なあの人は、ぜったいに返事を欠かさない。
だから、こちらのいそがしさにかこつけて
しばらく置いておこうと思った。

そうしたら夜におつかれさま、ゆっくり休んでとだけ書かれたメール。
ああもう。つかれたよ。
もう途切れてしまうかと思った、だなんて?よく言う。
いつだって忘れたりはしないのに。

試すつもりなんて無いはずだけど…
やっぱりちょっと試してたのかもな。
ずるいな私は。