もう心の中に、あの人にいえないわだかまりが生まれなくなったから
ここへ来ようという気持ちもなくなった。
ふと、思い出して過去の言葉を
読み返して思う。

あの頃あんなにも、あの人は近くてとおくて、
いってはいけない、想ってはいけないと
気持ちを秘めてもいたんだな・・・

今では心のうちをなにひとつ隠さず
話してしまえるのに。

けれど私達の間にあるものは
あの頃からなにもかわってない。
あなたが死に憧れながら
それでもただ死ねないから生きているということも
ずっとそのままだ。
なぜだろう、急に、気がついた。
貴方は、人を愛せないのではない。
唯、頼ろうとはしないだけだ。

私は…(私も)愛されている。
そう、感じられる。

奇しくも
男女としては唯一人を愛することが
自然だというこの世の中だから、
「それを愛とは言わない」のだと。

恋、ではないだろうけれど。

恋はやきもちやきだけど
愛は与えるだけだもの。

与えるばかりの貴方の「それ」は
愛でなくて何だというのか。

自らの心のあるがままを受け入れて
生きるようになった貴方だから
身に付いたものであるようにも思う。
また明日も
君はあの人を抱くんだね…

あたしにだって同じだけの物を与えようと貴方はしてくれてるけど。

こんな馬鹿げた恋をなぜしているのかと人は笑うだろうな。