時に彼は、自分の夢想や妄想についてまでわたしにさらけてしまう。
人が精神的に耐え難 い辛い状況にあったとき、その精神を守るために夢想をすることは大いにあるものだ。
自分にもかつてそういう時期があった。
病気で起き上がればめまいがし、歩くこともままならず1ヶ月も寝たきりになってしまった。苦しみながらも眠りに堕ち入れぬとき瞼を閉じて思い描くこと。…やはりそういう時に人間は、もっとも自分にとって理想的な異性に(時には性的な夢想によって)救いを求めるものであるらしい。
だがこうした夢想というものは、あくまでも人には話さぬものではないだろうか。いや…互いに匿名であったりする環境ならありうるかも知れぬが。いちどそれを話してしまうと自分の理想の世界に他人を踏み入れさせてしまうことになるのではないか。
おそらくはそのときの勢い?
もしくはもうどうなってもいいというなげやりさからなのか。
そして彼はこちらから求めてもその心の内をさらけることは無い。
そうして夢想を話すことも、殆どはきまぐれであるらしい。
それは…せつなく、苦しく、美しい夢想だ。
ああ、あの苦しみ。とても私には…