太宰治・人間失格を読んだ。

 幸せはいずれおおきな不幸をよびこむ。
 なるべく波風立てずに生きていかないと。 

そうだ。かれは同じような言葉を、発していた。

病む心、人を信じられぬ心、
あまりにもその心情が伝わって。
だがそれがわかったところで…
私はなにができるというのだろう?

おおきな溝がそこにやはり横たわっている。
あれからまた「死」のことばを聞かなくなった。
私がもうすこしで病むところまで行きそうだったのを、
感じ取られたのだろうか。
あのときも、やはり、
貴方はつめたい優しさを私へとむけてくれていた。

貴方はいつもとても身近にいるようで
だけど私達の間にはやはり深い溝があるのだ。

どこまで近づこうとしても触れられぬ。
やわらかでうつくしい、人を信じることの出来ない心。

しかし何ゆえ私はそれをうつくしいと思うのだろう?

人を信じられぬということは…
悲しみや痛みに敏感であるということ。
信じたいあまり、つよく繋がりを求めるあまり、
それが裏切られたときの悲しみ、痛みが
ほかのだれよりも強い。

ひとの心を惹きつけながらも
内にはけして招き入れぬ、君纏いしその衣は
悲しい色だ。
これは、これだけは絶対に書いておかなくちゃ。
少し前だけど
あなたははっきりと
わたしを「信用」していると
言ってくれたよね。

人間不信だという貴方から
信用という言葉を勝ち得た。
たとえ一時的にしても。

あれは…最高の勲章をもらった気分だったよ!
忘れないからね。絶対。