妄想劇場 ~ぺぺの予言書⑬ 使命~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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何でも綴りたいことを綴っています。

砂漠を越え、しばらく進むと、新たな街が見えてきました。


アロク「や、やっと、休める~。」


サーラ「でも、何だか静かじゃない。」


アロク「そんなんどうでもいいよ。早く休もう。」


ぺぺ「うん、宿を探すか。」


一行は、宿を探し歩き始めました。
しかし、人の気配が感じられません。


宿を見つけ、中に入りました。


ぺぺ「すみませ~ん。」


カウンターに、人が座っていました。


ぺぺ「すみません、泊まり……、あっ!」


宿の人「…………。」


ぺぺ「大変だ!座ったまま、白眼をむいている。」


ゼルベルグ「脈はある。まだ、死んでないぞ!とりあえず、街の診療所を見つけて連れていかないと。」


サーラ「私、見てくる。」

サーラは、街の診療所を探しに行きました。
しかし、すぐに帰ってきました。


サーラ「た、大変よ!街の人みんな、ここの人と同じ状態よ。」


ぺぺ「え?」


街の家や店の中を覗いてみると、みんな宿の人と同じ状態でした。
しかし、ある家に子供が2人いました。


ぺぺ「君達、何があったの?」


子供1「分からない、分からないよぉ~~

うぇ~~~ん。」


子供2「とうちゃん、かあちゃん、どうしたの?眠たいの?」


小さい子供は、ずっと父母の体を揺すっていました。

ゼルベルグ「どうなってんだ?」


一行は、外へ出てみました。そして、周囲へ気を張り巡らせました。


「ジリッ。」


何か、物音が聞こえました。


一行は、そちらへ走っていきました。


ゼルベルグ「な、なんだ?


ん?人もいるではないか。
しかし、何かおかしい。


何だ、その黒いやつは。邪悪なものと人が一緒に、いるのか?」


かげ「それは、違うな。私は、かげの中でも上級なんだよ。だから、人間そっくりになれるんだよ。」


言い終わるのと同時に、ゼルベルグに襲いかかりました。


ゼルベルグは、とっさに腰元の剣を抜きました。


上級かげ「やるじゃないか。

おい、やっちまうぞ!」


ぺぺ「気合い、入れるか。」


かげたちは、見渡す限り、20体はいるでしょうか。


アロク「数には、呪文で対抗するしかないな。」


ぺぺ「いくか。」


アロク&ぺぺ「火の力を司るものよ。我にその力を与えたまえ。」


二人は、そう呪文を唱えると、巨大な火の玉を作り出し、かげたちに投げつけました。


下級のかげたちは逃げ切れず、燃えてしまいました。しかし、それと同時に街の方から、音が聞こえてきました。


サーラ「な、なに?さっきの音。


いっぱい、何かが倒れるような音が…。」


上級かげ「クックック、なんだと思う?


クックック、見てきてみろ。悲鳴あげるぞ。」


ゼルベルグ「ま、まさか。」


一行は、いくつかの建物の中を見てみました。


ぺぺ「あ、あぁ、こ、これは、どういうことなんだ?」


街のいくつかの人は、燃えていました。まるで、かげたちが燃えたのと同じように。


上級かげ「クックック、理解できたか。


かげを殺せば、かげを抜かれた人間も死ぬ。しかも、おなじように傷つく。



クックック、手も足も出まい。俺たちのやりたい放題だよ。


俺たちの完全なる勝利だーー!



ぐ、ぐうぅ、何でこんなこと……出来る………お、お前、


非情な……にんげん………か。」


ゼルベルグは、自分が手にしてた剣をとっさに、上級かげに投げました。そして、その剣が上級かげの胸を貫きました。


しかし、街の誰にもそんな傷を負った人は、いませんでした。


ゼルベルグ「あいつが、この街の人たちから、かげを引き出したんだ。」


ぺぺ「………。」


アロク「他のも、倒すしかないのか。」


アロクは、下級かげに囲まれていました。


ぺぺ「い、い、嫌だーーー!」


ぺぺは、その場から走って去っていきました。


ゼルベルグ「まて、ぺぺ。」


サーラ「………。」


ゼルベルグ「アロク。迷うな!倒せ!殺らなきゃ、俺たちが殺られる。


俺たちがいなくなると、誰も世界を救うやつがいなくなる。そうなると、みんなかげを抜かれて、“人”がいなくなるぞ!」


アロク「うおあああぁ~、火の力を司るものよ。我にその力を与えたまえ。」


四方八方に、火の玉を散らしました。


アロク「ああああぁ~、チキショーーーー!


こんなこと……


絶対許さん!」


ゼルベルグ「もちろんだ。

それより、ぺぺを探さないと。

勇士の剣を持つのは、あいつだ。あいつがいないと……。」


アロク「…あんた、何をしってるんだ?」


ゼルベルグ「いや、何も知らない。ただ、伝説を聞いたことがあるだけで、勇士の剣を抜くときは、世界が混乱に陥ったときだって。そして、その剣で世界を救うものが現れると。」


アロク「それが、ぺぺだと。」


ゼルベルグ「そうだ。この街の人たちみたいな犠牲者を出さないためにも、急ぐ必要がある。」


アロク「しかし、手掛りが…。それに、ぺぺも。」


ゼルベルグ「1つのある場所に俺は、目をつけているだがな。邪悪なものたちが、そこにいるのではないかとな。」


サーラ「え?」


ぺぺは、どこへ行ったのか?ゼルベルグが、目星を付けた場所とは?






※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。