妄想劇場 ~ぺぺの予言書⑪ 洞窟2~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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オスモロス・タートルは、ゼルベルグに気付き、足で踏み潰そうとしてきました。
ゼルベルグは、間一髪、背中に背負っていた、棒をつっかえ棒にし脱しました。

ゼルベルグ「これは、厳しいな。」


ゼルベルグは一度、みんなのところまで、退却しました。


ゼルベルグ「どうすればいいんだ。」


アロク「じゃあ、次は俺が行くぜ。」


そう言うと、勢いよく飛び出していきました。


ぺぺ「呪文は使っても、殺すなよー。」


アロク「分かってらぁ。」

アロクは、右に左に動きながら、オスモロス・タートルの足の間をすり抜け、剣らしきものに一直線で向かっていきました。


ぺぺ「あ、危ない!」


オスモロス・タートルは、ゆっくりと座ろうとしてきました。


アロクは、慌ててオスモロス・タートルの脇まで、逃げました。


アロク「ふう~、間一髪だぜ。」


しかし、今度はアロクのいる脇のほうに体を寄せてきました。


アロク「お、お、おい…。」


アロクは、洞窟の壁に出っ張りがあったので、それに飛び付きました。


アロク「あ、あぁ~。」


洞窟の壁の出っ張りが崩れ、オスモロス・タートルの甲羅の上に、アロクは落ちました。
しかし、その甲羅はすごく滑りました。


アロク「わぁ、わぁ、わああぁ~。」


アロクは、甲羅を滑り落ち、オスモロス・タートルの顔の辺りの地面に落ちました。


アロク「ひ、ひいぃ~。」

すぐに、みんなのところまで、退却しました。


アロク「だ、駄目だあ~。」


ゼルベルグ「アロクも、駄目か。」


ぺぺ「どうすれば、取れるんだ。」


アロク「てか、何で“あれ”にこだわっているんだ、俺たち。」


ゼルベルグ「仕方ない。諦め……。」


ぺぺ「諦めないよ。」


ゼルベルグ「え?」


ぺぺ「予言書だよ。」


ゼルベルグ「分かった。」

ぺぺの予言書には、こう記してありました。


「3人目を仲間にしたあと、洞窟に向かうだろう。そこで、伝説の生き物の後ろにある、剣を抜くことになるだろう。」


ぺぺは、覚悟を決め、オスモロス・タートルに向かっていきました。


オスモロス・タートルは、口を大きく開け、息を吐きました。


ぺぺ「お、おえぇ。」


とんでもなく凄い異臭を、放ちました。


ぺぺは、鼻がひんまがりそうなほどの臭いを堪えながら、それでも向かっていきました。


ぺぺは、「そうだ!」と、あることを閃きました。


ぺぺ「火を司るものよ。我にその力を与えたまえ。」

そう唱えると、ぺぺは自分がいる反対側の壁に向けて、火の玉を放ちました。


壁がガラガラと崩れると、オスモロス・タートルも、そちらに目をやりました。

ぺぺは、「今だ!」と思い、剣に向かって一目散に走り出しました。


しかし、そう簡単には取れません。


「バチーン!」


オスモロス・タートルは、尻尾を使い、ぺぺを弾き飛ばしました。


ぺぺ「うわあ~。」


激しく壁に体を打ちつけました。


ぺぺ「ゴホゴホッ。」


サーラ「ぺぺ!」


アロク「ぺぺ、大丈夫か。」


ぺぺ「あ、ああ、なんとか。」


ぺぺ「ごめんなさい、オスモロス・タートル。」


ぺぺは、そう言うと、もう一度火の呪文を唱え、オスモロス・タートルの頭上の洞窟の壁を狙い、崩しました。
オスモロス・タートルは、奇声を発し、床に崩れ落ちました。


アロク「死んだのか。」


ぺぺ「いいや、気を失ってるだけだ。」


ぺぺは、ようやく剣にまでたどり着きました。


ぺぺ「ついに、たどり着いた。


みんな、剣を抜くぞ。」


そういい、ぺぺは、剣の柄に手をかけました。
そして、ゆっくりと抜き始めました。


ぺぺ「おおおおぉぉ~。」

抜かれたその剣は、錆び付いてはいませんでした。むしろ、抜くことによって輝きを増してるようにも、見えました。


ゼルベルグ「勇士の剣だ。


その剣は、選ばれたものにしか抜けないと、言い伝えられてる。」


アロク「じゃ、じゃあ、ぺぺが勇ましきものなのか。」


ゼルベルグ「そういうことになるな。」


サーラ「凄い!ついにやったね。」


ぺぺ「ああ。」


それから、一行は洞窟の入り口付近まで戻り、一夜を過ごしました。







※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。