妄想劇場 ~ぺぺの予言書⑩ 洞窟1~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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しばらく休み、サーラも回復し、一行は再び旅を始めました。


しかし、もう辺りは薄暗くなってきました。


ぺぺ「どうしよう、今日はまた、野宿にしますか。」

サーラ「えっ?またなの。この前、変な動物に襲われそうになったし、やだな。」


アロク「じゃあ、どうするんだよ。」


ゼルベルグ「見ろ、あそこ。洞窟らしきものがないか?」


ゼルベルグが指差す方へ、一同は目をやった。


ぺぺ「確かに、それらしいね。もっと近くに行かないと、分からないけど。」


アロク「どうする?行くのか。


洞窟で過ごしたとしても、野宿にはかわりないぞ。」

サーラ「分かってるわよ。

とりあえず、行ってみましょ。」


一行は、洞窟らしきものを目指し、歩み始めました。

段々、近づくと、やはりそれは洞窟でした。


しかしそれは、かなり深いようでした。


ゼルベルグ「かなり奥までありそうだな。ついでに、探検でもするか。」


サーラ「さっきの戦いで、疲れてるから、私はいい。」


アロク「じゃあ、一人でいるか。」


アロクは、少しいたずら顔でニヤニヤしながら言いました。


サーラ「まあ、女性を一人で置き去りにしようなんて。意地悪だわ。」


アロク「冗談だよ、冗談。」


ぺぺ「それより、行くの、行かないの?」


サーラ「まあ、少しくらいなら。」


アロク「じゃあ、決まりだな。」


ぺぺは、荷物の入ったリュックからランタンを取り出し、火をともしました。


足下は少しヌルッとしていて、滑りやすくなっていました。50m程進むと、二手に道が分かれてました。


アロク「早速かよ。面倒だなあ。」


ぺぺ「みんな、どうする?」


アロク「面倒だから、とりあえず左に行ってみようぜ。」


と、アロクは、一人で先に進もうとしました。


ぺぺ「灯りは、僕がもってるんだぞ。




全く、勝手なんだから。」

アロク「まあまあ、いいじゃないの。」


そうして、しばらく進みましたが、道は途中でとまりました。


アロク「何だよ、何もないのかよ。」


ぺぺ「で、どうするの。引き返して、もう一つの方に行くの?」


ゼルベルグ「この際だ。行ってみるか。」


一行は来た道を引き返し、もう一つの道を行くことにしました。


アロク「しかし、この洞窟不気味だよな。コウモリ、1匹も飛んでこないよか、生き物がいる気配すらないぜ。」


ぺぺ「たしかに、言われてみればそうだ。



まさか、邪悪なものの仕業?」


ゼルベルグ「かもしれないな。」


アロク「ちょっとだけ、やってみっか。



火の力を司るものよ。我にその力を与えたまえ。」


そう唱えると、両手に1つずつ火の玉を持ち、左側の道の方に1つずつ、投げつけました。


「ドゴォ~ン!」


激しい音とともに、壁が崩れましたが、それ以外は何の反応もありません。


アロク「本物の洞窟みたいだぜ。に、しても、あまりにも気味が悪いぜ。」


ぺぺ「うん、でも、右側の道を進んでみよう。」


一行は、右側の道を進みました。
ずっと、ずっと、どのぐらい歩いたのでしょうか。かなり奥まで、来ました。


アロク「お、おい、まだ、奥に着かないのかよ。」


サーラ「私、もうだめ…。」


ぺぺ「2人とも、もう少しだけ、頑張って。それで駄目なら、一度休むから。」

そして、暫くまた歩きました。


すると、ようやくひらけました。が、一行は、驚愕しました。


アロク「な、なんだ、こいつは…。何で、こんなところにいられるんだ。」


ゼルベルグ「こいつは。オスモロス・タートルだ。


伝説の生き物だと聞いていたが、まさか、本当にいたとは。」


アロク「てか、見たこともないのに、何で分かるんだよ。」


ゼルベルグ「あの甲羅を見てみろ。所々、ちょっと赤く見えるだろ。それが、伝説でうたわれているんだ。」


ぺぺ「このまま、静かに引き返そう。」


ゼルベルグ「待て。オスモロス・タートルの後ろ、見てみろ。


何かある。」


サーラ「あ、何か剣みたいに見えるよ。」


ぺぺ「本当だ。


でも、殺すわけには行かないしな。
どうやって取るか。」


ゼルベルグ「そのまま行っても、大丈夫だろう。」


ゼルベルグはそう言うと、7mも8mもあるオスモロス・タートルの側を、すり抜けようとしました。


すると、今まで動かなかったオスモロス・タートルが、動き出しました。


ぺぺ「危ない!ゼルベルグ!」


ゼルベルグは、ハッとしましたが、既に目の前にオスモロス・タートルの足が、迫っていました。






※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。