妄想劇場 ~ぺぺの予言書⑨ 宿敵~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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翌朝、一行は街をあとにしました。しかし、相変わらず、手がかりのない旅です。


ぺぺ「どうしよう。このままじゃ、早く平和を取り戻せないよ。」


アロク「仕方ないだろ。どこに、邪悪なものを牛耳ってるやつがいるのか、分からないんだから。」


ゼルベルグ「こうやって、邪悪なものを倒しながら、進むしかない。」


サーラ「そうね、城にいるとか、砦にいるとか。どこかに居てたらね。」


ぺぺ「それは、本のなかの話じゃないか。現実見ようよ。」


ゼルベルグ「まあまあ、グダグダ言ってても仕方ない。とりあえず、行くしかない。」


アロク「しかないか。」


そうやって、旅をすること5日が経ちました。


すると、一行の目に映った光景は…。


一行「ああっ!」


みんな、一目散に駆け出しました。


ぺぺ「あぁっ、酷い!なんということだ。」


サーラ「酷すぎるわ…。」

アロク「チクショー!もう少し、早くここに着いていれば。クソッ!」


ゼルベルグ「ん!何かいる!」


既に、焼き払われてしまった村に一行は、怒りに駆られていました。しかし、まだそこに、それを実行した犯人がいるようでした。


?「久しぶりね、サーラ。」


サーラ「あぁ、あなたは、魔女のパラディ。」


パラディ「運よく、まだ生きていたのね。」


サーラ「あ、あなたがやったの。この村をこんなめちゃくちゃに。」


パラディ「だったら、どうなの?」


サーラ「許さない。あなたは、絶対に…。」


そういうと、サーラの髪が逆立ち、翼を力強く広げ、目は赤く光っていました。

パラディ「サ、サーラ、お、おまえ、まさか!」


サーラ「そうよ、勇ましきものから、勇ましい気持ちをもらい、一人前になったのよ。」


パラディ「だったら、尚のこと。おまえをここで、殺す!」


サーラ「みんな、下がってて。ここは、私とパラディの戦いだから。」


2人は間をとると、パラディが先制で攻撃を仕掛けてきた。指先から、無数の火の玉を発射した。


パラディ「死ね、死ね、死ねぇ~!焼け死ねぇ~!」

サーラは、とっさに羽根で、自分の体を包み込みました。


サーラ「く、く、くくぅ~。」


サーラは、何とか耐えました。


パラディ「これなら、どうだ!」


パラディは、両方の掌をサーラに向け、炎をぶつけました。
サーラは、翼を使い、空高く羽ばたきました。


パラディ「逃がすか!」


サーラのあとを、パラディは追いかけました。


サーラ「このまま逃げてても、らちがあかないわ。」

サーラは、背中の羽根を一本抜くと、大きな剣になりました。いえ、サーラの意思で、羽根を剣に変えました。
サーラは、ふと振り向き、パラディに向かっていきました。


サーラ「オオオオォ~。」

パラディに、切りかかっていきました。
パラディは、身を翻(ひるがえ)しかわしていきました。


パラディ「ちっ。」


左腕を少しかすったようです。


パラディ「こしゃくな!」

パラディは、体を大の字に広げると、両方の手首を合わせ、サーラに向かって掌を向けると、掌から閃光がほとばしりました。


サーラ「ま、まずい。」


慌てて、地上へと降り立とうとしました。


パラディ「遅いわ!」


パラディは、サーラを追いかけるように腕を動かし、閃光を発し続けました。


「ドド~ン!」


凄まじい砂埃が舞い上がり、辺りは霧がかかったかのように、見えなくなりました。


砂埃が収まると、そこにはサーラの姿がありません。

パラディ「どこだ、あの馬鹿!」


しかし、すぐにどこにいるのか気付きましたが、もう遅かったのです。


「ドスッ!」


パラディの肩胛骨のあたりから胸に、真っ白な剣が貫きました。


パラディ「い、いつのまに、わたしの…うえ…に……。」


サーラ「あなたが閃光を放ったのは、私が羽根を抜いて作った人形。


さっき、羽根から剣を作ったように、同じような感じで人形を作り出したんだ。」


パラディ「にしても、わたしが……気付か…ないとは。おまえのちからは……わたしを……こえて………いた……の…………か。」


そう言うと、パラディは絶命した。


サーラも、かなり体力を消耗していました。


ぺぺ「サーラ、大丈夫か。」


サーラ「ええ、何とか。少し休ませて…。」


アロク「俺たちが交代で見張っててやるから。」


サーラ「あ、ありがとう。」


そう言うなり、その場に倒れるようにして、横になった。







※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。