妄想劇場 ~ベンチ⑧-1~ | 気まぐれバードのキマグレコ

気まぐれバードのキマグレコ

何でも綴りたいことを綴っています。

彼の“欲”は、次第に強くなり、遂にはこんなことまで言い出した。


彼「今日、仕事休んで、君とずっといたい。」


彼女「馬鹿じゃないの?ずっといたい気持ちは分かるけど…。」


彼「けど、何だよ。それが俺が君を思う気持ちなんだ。」


彼女は、何も言えませんでした。


しかし、それ以降、彼は頻繁にメールや電話を沢山するようになりました。


返事が出来ないのが分かってるはずなのに、必要以上に何度も…。


そんなある日の午後、彼女はついにこう言いました。

彼女「私は、あなたの便利屋じゃないんだから。」
そういって、彼女は彼の前から去っていきました。


彼は、「俺は何をやっているんだろう?」
そう思い、彼女を追いかけました。


彼の手には、何か握られてました。


暫く走ると、彼女を見付けました。しかし、声をかけずに彼女に急接近しました。


「ドスッ!」


鈍い音とともに、彼女が前のめりに倒れました。背中が真っ赤に染まっていました。


それを茫然と見ていた彼が、突然絶叫しました。


「嗚呼嗚呼あぁぁぁ~~~!!!」


血塗られた両方の掌で、自分の顔を激しく擦りました。


そのあと、すぐに周りの男性数人に取り押さえられました。


彼女の方は、すぐに救急車で病院に搬送していましたが、その途中で息をひきとりました。





※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。