第一話はこちら⇒だいなしかもしれない
第二話はこちら⇒だいなしかもしれない②
第三話はこちら⇒だいなしかもしれない③
zzzzzzzz
ん~?お腹すいた!
そしたら私の前にホットケーキがあった。
「お~!すごいよ。これ!」
なんとホットケーキは、私の体の何倍もあった。
丸い丸いホットケーキ。
そばには、これも私が見上げてやっと先っぽが見える、
蜂蜜の入った大きなチューブと、これまた大きな
フォークとナイフ。
「いい匂い~」フワフワだぁ。
まず、バターを塗らないとね。
バターどこだろう?
そう思ったら、舐められた。ベロベロって。
え?私?バターじゃないんだけど~!
塗らないで~。
目が覚めた。
虎が私を舐めてた。予想通り?ごめん。
今日は土曜日。
でも今日は学校がある。帰らないと。
あーダルい。
リビングに行くと、まだ寝息が聞こえる。
二人分。
ん?
見ちゃった。
なんで二人一緒に寝てんの?
まーいいか。急がないと。
そうして私は着替えて、お姉ちゃん家を去った。
それからしばらくして、おねえちゃんは目を覚ました。
「頭、いたい。」 ガーン、ガーンと心臓の鼓動に合わせて
鐘を叩かれてるみたい。
「はい、水」
「ありがと」
ゴクゴク。あぁ美味しいよね。こういう時の水は。
って・・・
「誰?!」
彼、ゆうくんは、お姉ちゃんより少し早く起きて
雑炊を作ってた。
二日酔いにはいいからって。
「うまいー。」
お姉ちゃんの胃に染み渡る、雑炊。
「でしょー?」
ゆうくんはちょっと得意そうだ。
すごくきれいな笑顔。
お姉ちゃんの胃に、その時、別のものが
染み渡ったみたいだった。
それから数日後のある日。
お姉ちゃんはバイトでレンタル屋にいた。
22時。そろそろ、交代だった。
今日は来なかったな、ゆうくん。
「いらっしゃいませ」
ドアが開いて、お客さんが来た。
眼鏡かけた、中年のサラリーマンの男の人。
「返却なんだけどさ、ちょっと遅くなって。」
「あ、はい。お調べします。」
レジを通す。全部で10本だった。
やっぱり延滞してた。
お姉ちゃんはちょっと金額見てびびったけど、言ってみた。
「ご、5万円になります。」
「はい。」
はいって?すごい、あっさりしてるのね。
「いや~1週間じゃ見切れなくてさ。」
なら、10本も借りなきゃいいだろって思ったけど
そんな事お客様に言えないわって、お姉ちゃん。
そして、その人はまた、10本レンタルして帰ったのだった。
「おつかれさまです~」
お店を出ると、彼がいた。ゆうくんだった。
「びっくりした~。何?」
「今から、付き合ってくれない?」
「どこに?」
「いいから」
そして、ゆうくんはお姉ちゃんの手を掴んだ。
その手はとってもお姉ちゃんには温かかった。
そこは駅前だった。
花壇があって、その周りは高くなってて、座れた。
ゆうくんは、ギターケースから、ギターを取り出しながら言った。
「ケイちゃんに、聞いてて欲しい。」
「え?」
「ずっと、ダメなんだ。同じ様に弾いてるのに。」
「ケイちゃんがそばに、いれば、弾ける気がする」
そして、彼はギターを弾き始めた。
はじめのうちは、誰も気にとめなかった
ちょっとぐらい 弾けるミュージシャン志望のが
小遣い欲しくて 誰かのカバーを弾いてるんだろうって
どうせ たいした事ない ただの通りすがり って
けど
その音は 暗い夜道 これから仕事に向かう お水の人
疲れきって仕事から帰ってきた人の心に
なぜだか 入り込んできた その歌声は
もっと聞いていたい 疲れがほぐされるんだ ここにいると
いつの間にか
花壇の周りは、人がいっぱいになっていた。
もう、11時になろうっていうのに
お巡りさんが来るまで
ゆうくんはその中に、中心にいた。
お姉ちゃんは派出所で注意されている、ゆうくんを
待って一緒に帰った。彼のアパートに。
待ってる間、お姉ちゃんのハートは
すっごい温かくなっててちっとも寒くなかった。
< 続く >
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読んでくださって、ありがとうございます。
特に、コメント~ありがとう。
挫けそうになっても、書く気力をもらってます。
多分、もう1、2回でこのお話は完結できるかな?