そして、月日は進み、コロナもありましたが、無事、妹の修了・卒園式と小学校(フリースクール)の修了・卒業式の日がやってきました。
幼稚園と小学校で、午前・午後での開催でした。
妹のほうは・・・
私は仕事で出入りしていて、予行演習を見たことがあったため、感動もそれなり・・・
コロナですごく短くなってしまったしね。。。
練習の際はなるべくステージのほうは見ないで、気持ちを入れないように気をつけていたのに!
そして、小学校のほう。
正直、何も考えていませんでした。
Hは卒業生じゃないし。
フリースクールの卒業式ってどんななのかなぁ、なんて気持ちなどがあったくらいかな。(ほんと失礼)
妹の卒園式やその後の待ち時間で退屈そうなH。
式場である大きな礼拝堂へ行くと、入り口にいらした校長先生が、Hを見るやいなや、ペンッとHのおでこを軽くはたきました。
Hは、「やめてよぉ~、きゃははは!」と嬉しそうにしていました。
「H、うれしそうだなぁ」と私はぼんやりと考えました。
卒業式が始まりました。
いろんな分野のプロフェッショナルが揃っている学校なのですが、一番は音楽。
校長先生は、わらべ歌では日本では権威な方です。
どんなイベントにも、とにかく様々な楽器の生演奏があります。
そして、生徒たちはとにかく歌を歌います。
短くまとめられた式の中でも、三度、合唱がありました。
指揮は、校長先生。
妹の誕生日イベントに招かれて幼稚園の誕生日会に行った際(誕生児の親のみ招かれる)に、たまたま「お楽しみタイム」が学校の合唱で、聴いたことがあったのですが、この学校の合唱はすばらしく、フリースクールという名の学校に偏見のようなものがあった私が、「これは、すごいかも」と感じたことのあったものなので、楽しみにしていました。
でも、そんな「お客さん目線」ではなく、私の視線はHにくぎ付けになりました。
前奏の終わるころ、Hが大きく息を吸って、指揮をする校長先生の顔をしっかりと見て、大きな口を開けて、体を揺らしながら歌い始めたのです!
一緒に並ぶ、どの子よりも、大きな口で。
何よりも驚いたのは、目でした。
ずっと、校長先生のほうを見ているのです。
目には力があり、真剣なのです。
何かに集中することは、よほどな事柄でない限り困難なH。
塗り絵を仕上げたのも小学3年生が初めてでした。
ショッピングセンターで捕まった、携帯会社の話を長々と聞いている親の横で、暇だから塗っていた塗り絵が一枚完成した時は、「おお!一枚塗り切ったのは初めてだ」と、小さく感動しました。
幼稚園のころは、集団行動、イベント、発表会など、どれも参加できず、
がっかりすることに慣れていた私。
(頭では分かっていてもね、やっぱり、まのあたりにすると辛かった)
3曲、全部。
見事に歌っていました。気持ちよさそうに・・・
合唱を聴きながら、涙があふれて止まりませんでした。
Hが歌っているのがうれしい、というか、Hの目が、校長先生を信頼していたことに心底驚いたのです。
うまく言葉にはできませんが、Hと校長先生の信頼関係のようなものがはっきりと見えたのです。
そして私の中に沸き上がってきた感情がありました。
「もう私ひとりでがんばらなくてもいいんだ」
でした。
「ここに、預けよう」
「この人に、おまかせしよう」
と、ぼんやりと感じていました。
その言葉が繰り返し、心の中に流れ、目からは涙があふれ続けました。
Hの母親になって10年。
初めて抱いた感情でした。
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卒業・修了式にて、通知表をいただきました。
それはそれはオリジナリティのある通知表です。
各科目が一枚ずつあり、
一番上に綴られている総評のようなところには、校長先生の言葉があります。
そこには、たしか、こんなような内容が書かれていました。
「Hちゃんの頭の中は、いったいどうなっているのでしょう。
不思議で、のぞいてみたくなりますが、
今はそっと、見守りましょう」
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笑えてきました。
私も、見てみたいです。
校長先生と一緒なら、そっと見守れそうな気がします。
そんな気がしてすぐに、ステイホーム。
そんな思いはどこへやら。
今日も大声をあげたり、あきれたり。
これからも母の自分磨きは続きそうです。
大きな、バックアップのもとで。
発達凸凹さんの育児は、いろんな局面があります。
そんな時、こころから頼ることのできる、自分がいなくても任せられるような気がするような先に出会えることは、とても心強いことだなぁ、と感じました。
もちろん、子育て自体もそうだし、もっと言えば、人生そのものも、そうですけどね。
タイトルの子どもの嗅覚というのは、
しっくりくる言葉がなく、こうしました。
Hは嗅覚が過敏です。
そして、自分の好きなものを嗅ぎ分ける能力には本当に長けているのです。
今回のこの学校も、そうでしょう。
転校の数か月前は、勧めても「キレイじゃないから嫌、無理」と言っていたのです。
状況が変わり、「見学に行ってみたい」と自分で言い始めました。
Hはすごい。
本当はたぶん、私は彼女をうしろから、支えていけばいいだけなんだろう、と。
それはね、うん。昔からずっと、そう思っています。
実は妹も、自分でこの幼稚園を選んだのです。
0歳児から託児所・保育園に預けていましたが、登園しぶりの多い子でした。
HSCかな、というタイプ。
環境の変化に弱く、人の気持ちにも超敏感な次女。
(Hと足して2で割ってもらえないか、といつも思う)
子どもはすごいですね。
親というのは、いかに子供の人生には「自分」が出るのを我慢し、子を信頼し、子の可能性を潰さないか、それに尽きる、と私は思います。