決して一人じゃない。 | 父と家族の末期がん闘病記

父と家族の末期がん闘病記

2012年6月末、当時65歳だった父が突然、末期の食道小細胞がんとの診断を受けました。
現実と向かい合うため、父との日々を忘れないための記録ブログです。

何かと慌ただしく、あちこち動き回っていた1月。


妊娠5か月の安定期に入ったこともあり、先週は関西地方を旅してきました。

旅・・・と聞けば聞こえはいいけれども、実際は神戸で開催されていた夫の専門医試験受験のお伴です。
( 試験は2日間に渡り筆記と口頭試問が行われたのですが、口頭試問は朝7時20分集合ということもあり、試験に遅刻しないための目覚まし要員ですw )


医師というのは、医学部で6年間を過ごした後、医師国家試験に合格することで一生の国家資格を取得できるわけですが、その後自分の専門分野(科)に進んだ中で様々な臨床を経験し、各種専門医試験を受けてキャリアを磨いていく必要があります。

その専門医試験を受ける条件には、「 専門分野で○年以上の臨床経験 」とか「 定められた勉強会カリキュラムの受講 」など、諸々の条件があるため、今回夫の受けた試験は早くとも30代前半にしか受けられない試験でした。


この専門医受験に際し、夫はまさに机にかじりつくように勉強していた数か月間。

当然通常勤務をこなし、17時半頃帰宅した後、夕食→小休憩を挟み、19時~24時まで書斎にこもりきって勉強。
朝は1~2時間ほど勉強したあと出勤。
週末も一日12時間くらい勉強し、年末年始も実家に帰省せず、趣味も凍結し、教科書や問題集と格闘していました。


その努力の甲斐あって、受験後の自己採点では合格間違えないだろうという数字が取れたようです。
良かった、良かった。


しかし・・・


自己採点を終えたホテルの部屋でカタカタとPCを叩き、Amazonの画面を私に見せてくるので何かと思いきや、

「 次受ける専門医試験のために、この教科書とこの教科書、買っちゃうね。 」

と次なる目標を定め、自宅に戻って早速届いた新しい教科書を読み込み、勉強し始めています。

今週末も勉強会に参加予定で、近々学会での発表を控えているので、その準備も始めなくてはならず。。
本当におつかれさまです。


そんなこんなで、父の主治医と夫の専門は違えど、その専門性を維持し、日進月歩に進化する技術や知識を身に付けていくことがどれほど大変なことなのかを痛感します。

病院HPの医師紹介ページに、" ○○専門医 "と肩書が書かれていることがよくありますが、それは医師の中でもその専門性に優れた証であることに違いなく、医師としての紛れもない努力の証でもあると思います。


父も、夫の試験勉強の状況を心配してきてくれたので、夫の様子を伝えると、

「 頑張ってるのは自分(患者)だけじゃないんだな~。
 僕の主治医も、きっと日々いろいろ勉強しているんだな。 」

と、しみじみ。

そうだよ。
もちろん一番大変なのは患者本人( 父 )だけど、医療関係者も、そして家族も、みんなで病気と闘ってるんだよ!
パパが一人で戦ってるんじゃないよ!

そのことを忘れないで、これからもがんばって欲しいな。



もう何回目の投与になったか正確にすぐ思い出せませんが、おととい、2014年に入って初めての抗がん剤(タキソテール)を父は投与しに行ったそうです。

今年もしっかり、父の病魔を抑え込んでくれますように。