失われる命と、授かる命。 | 父と家族の末期がん闘病記

父と家族の末期がん闘病記

2012年6月末、当時65歳だった父が突然、末期の食道小細胞がんとの診断を受けました。
現実と向かい合うため、父との日々を忘れないための記録ブログです。

やしきたかじんさんが、64歳という若さでお亡くなりになったことを、たった今ネット上のニュースで知りました。


以下、ニュース記事より転載
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たかじんさんは2012年1月に初期の食道がんの治療のため、芸能活動を休止。同年4月に切除手術を受けた。昨年3月下旬に1年2か月ぶりにテレビ番組に 復帰。復帰後のテレビでは、療養中も合併症で再手術を受けたり、腸閉そくで入院していたことや、手術後には75キロあった体重が50キロ台まで落ちてし まったことを告白していた。

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また一人、著名な方の命が食道がんによって奪われてしまいました。

2012年と言えば、我が父の食道がんが発覚した年でもあります。
父は初夏に「癌」と確定診断が下った時点で既に手術も放射線治療も不可能な末期と診断されていましたが…

見つかった時点で初期と診断され、手術もされていたたかじんさんの方が先にお亡くなりになりました。

思えば、勘三郎さんもそうでしたね。。


食道癌の恐ろしいところは、初期でも命の危機に晒されてしまうという点です。

一方、いろいろな方のブログを拝見していると、手術の後何年も再発せずに普通の生活を過ごされている方もいらっしゃいますし、実際に父のように化学療法が奏功してくれている例もあるのですが・・・

平均寿命値がはじき出されているということは、それ以上がいる限り、それ以下もいるということ。


現実はかくも厳しい。



今朝9時過ぎ、父から電話がありました。

バイクで熱海に来ていて、海を見ながら私のことを思い出して電話してくれたのだと。

休みすぎると逆に目が回るから、熱海まで来ても30分くらい海を眺めながらコーヒーを飲んで、またすぐ自宅に戻るそうです。

風邪を引かないようにブクブクに厚着をしていて、だるま状態なんだよと笑っていました。



私のお腹の中に命が宿ってくれていることはまだ話ししてません。

羊水検査の結果に安心してからと思っていますが(早くても1か月以上先)、里帰り出産しないこともあり、父の調子が良いのであれば、まだ当分話さなくても良いかという気にもなってきました。。。

父がものすごく落ち込んだり、調子が悪くなった時に少しでも前向きな気持ちになってもらうため、とっておきの隠し玉なので(笑)


幸い、お腹の子は順調に育ってくれています。
今週末で14週に入り、今月末には安定期に入ります。


失われゆく命の尊さを感じる一方で、授かった新しい命の尊さを噛みしめ、今後も心穏やかにマタニティライフを過ごしていきたいと思います。