久石譲 新日本フィル 春の祭典(240217) | クラシックコンサート日記

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2024年02月17日(土) 14:00- すみだトリフォニーホール 錦糸町

□久石譲/I Want to Talk to You - for string quartet, percussion and strings ‒
□モーツァルト/交響曲第41番 ハ長調 K. 551「ジュピター」
□ストラヴィンスキー/バレエ音楽『春の祭典』

指揮:久石譲
新日本フィルハーモニー交響楽団

となりのトトロなどのジブリ映画の作曲者である久石譲が指揮するコンサート。
彼の指揮を聴くのは2回目である。

最初に、先日亡くなった小澤征爾を追悼するバッハ アリアが演奏された。淡々とした表現であったが、それなりに美しい演奏だった。

プログラムの最初は、久石譲の作品。弦楽四重奏に加え弦楽合奏+少しの打楽器の編成。ミニマル・ミュージックで弦楽四重奏の奏者が少しずつ音をずらして弾いていくところは面白い。


二曲目は、モーツアルト ジュピター。

映画音楽の作曲者が指揮するという先入観はなるべく持たないように聴こうとは思っていたが、やはりどうしても映画音楽風、ややロック風に聴こえてしまう。各楽章ともにあっけらかんとした演奏で、この曲の持つ気品、格調高い佇まい、壮麗さを感じさせない。どの部分も同じような調子で演奏が続くという感じだろうか。。


なんとなく気乗りがしないまま、休憩後は春の祭典。

リズム主体で、ある意味ロック音楽のようなこの曲では、それほど違和感なく聴けた。
久石譲という人は、耳のいい人なのだろう。大音量でオケを鳴らしてもバランスが良く荒っぽい音にならない。この曲の複雑なリズムは整理されており、第一部の終盤や、第二部の終盤などは、かなりの迫力であった。新日本フィルは、濁りが少ないいい音で鳴っていた。ただ、全体的にややあっけらかんと鳴らし続けたような感じで、1年半前に聴いたデュトワ/サイトウキネンのような神秘的で精緻な響きの美しさ、リズムの変遷の面白さ、劇的な緊迫感というものはあまり感じなかったが、それはないものねだりなのであろう。

ジュピターの時は演奏終了後すぐに結構な拍手が起こっていたが、曲が終了しても最初はぱらぱらとしか拍手が起きなかった。決して退屈な演奏だったわけではないし、オケはいい仕事をしていたとは思うが、この日の聴衆にはあまりなじみがない曲だったのだろうか。私は、ジュピターよりずっと面白く聴けたのであるが。

この日は満員御礼。久石譲という有名人が指揮するということでチケットが売れているのだろう。顧客層が拡大するのはいいことではあるが、私にとっては客演も含め上岡俊之音楽監督時代の方が、聴きごたえがある演奏が多かったように思う。50年近く聴いてきたオケなので、そう簡単におさらばすることはしないつもりではあるが。。。