小林研一郎 プラハ交響楽団 わが祖国(240111) | クラシックコンサート日記

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2024年01月11日(木) 19:00- サントリーホール 赤坂

□スメタナ:連作交響詩『わが祖国』

指揮:小林研一郎
プラハ交響楽団

約1か月ぶりのコンサート。
わが祖国を聴くのは、確か4回目である。
そのうちコバケンさん指揮のものは3回。
前回は日本フィルを振った公演を聴いた。
チェコのオーケストラを聴くのは初めてである。

プラハ交響楽団というのはCDでも聴いたこと
が無くあまり期待はしていなかったが、結構
いい音がしていた。ドイツのオケのような暗

く威圧的な音ではなく、柔らかく暖色系の音
である。木管はとても豊かな音量で、金管も
特にホルンなどはいい音がしていた。
弦は、つややかで渋い音。

全奏での大きな音量の時でも音が固くなっ
たり、にごることもなく、常に柔らかさを保っ
ていた。

コバケンさんの得意曲であるわが祖国を、
本場チェコのオケで振るのであるから、悪か
ろうはずがない。

一曲目の高い城は最初の出だしのハープか
ら、コバケンさん一流の思い入れたっぷりの
濃いい表現でのなつかしさでいっぱいの音が
出てきて、思わずぞくっとした。続く音楽は
オケに無理強いすることなく、常に柔らかい
音で熱い音楽が出てくるところはさすがだ。
ちょっと音楽の運びに もそっとしたところが
あり、もう少し決然としたところがあっても
良いのではと感じたが。。

二曲目のモルダウは、素晴らしい演奏。
さすがに本場のオケで聴くモルダウは、情感
豊かでドラマチック。弦の響きはうっとりする
ほど美しく、木管、金管も豊かな音で、
いい演奏で聴くと本当にいい曲である。

三曲目のシャールカも、劇的な熱い音楽に
なっていた。

休憩後の4曲目以降は、前半と異なり
劇性が少し後退し、オケ全体の響きの
調和をより優先したような自然な音楽に
なっていた。

第4曲のボヘミアの森と草原での弦の柔ら
かく透明な表現は大変美しかったが、
特に終曲のブラニークは、後半もっと高揚感
のある音楽が聴きたかったというのが正直な
ところ。

終演後は、熱烈な拍手とブラボーが飛んだ。
コバケンさんの熱烈なファンがいるのだろう。

演奏後、コバケンさんはオケの後ろまで握手を
求めていったが、帰りにコケそうなり、ひやっと
した。

ブログを書きながら、壮年期の小林研一郎が
チェコフィルを振ってわが祖国を演奏した
Youtubeを見たが、指揮台であばれまくり、
音楽もかなりあくの強いものだったが、このころ
に較べと、今回の演奏は随分自然な音楽に
なったと感じた。