「光る君へ」第28話~歴史的汚点の「一帝二后」 | 前世はきっと平安貴族

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歴史大好き!とりわけ平安時代をこよなく愛する私です。
こんなに惹かれる理由はきっと前世で生きていたからにちがいない。
源氏物語ネタをメインに、色々思っている事を書いてゆきます。あらすじとか一切書かずに自分の思いだけを強引に綴ってゆきますので悪しからず〜。

不慮の入院・手術で感想を書くのが

すっかり遅くなってしまった。

 

まぁぼちぼち行きましょう。

 

今回は「一帝二后」というお話。

 

これはこの時代を知る人にとって

避けては通れない大事件。

 

なんせ「ひとりの帝に2人の正妻」が

出現するという事なんですから。

 

何でこんな馬鹿げた事を?

 

それは権力欲に燃える藤原道長が

娘の彰子の地位を固めて

中宮定子様に対抗させるため。

 

定子様が出家の身であるという事を

最大限に利用しまくって、

無理矢理ゴリ押しの暴挙に

出たわけです。

 

行成くんもその片棒を担がされて

気の毒になぁ・・・。

 

多分、行成くんはこの時点で定子様が

還俗していたとはっきり認識して

いたのではないかと思う。

 

だから本当は一帝二后などに

する必要はなかったのよ。

 

けれども道長に対する類稀なる

忠誠心によって、一条帝に彰子立后の

必要性を説いたのでしょう。

 

彼、真面目な苦労人だからね~。

 

行成くん、この時に自分の正義を

売った事を後悔しただろうな。

 

だからこそ、その日記「権記」に

定子様が還俗していたと記述したの

だと思う。

 

それは定子様に対するせめてもの

罪滅ぼしだったのかな・・・?

 

 

で、何だっけ?

このドラマでは安倍サンタマリアの

強い勧めで一帝二后を実現したん

だっけ?

 

いやはやホントびっくりだわ。

 

国の最高権力者が

こんな一介の陰陽師の言う事を

ホイホイ真に受ける展開なんて

あり得ませんてば。

晴明・・・ラスプーチンかよッ!

 

なんだかんだ言って、彰子中宮の

実現のために必死の様子の道長。

 

そこで安倍サンタマリアがすかさず

「立后の日は2月25日が良いでしょう」

と準備万端な進言をする。

 

その上

「こうなる事は分かっておりましたので

先に占っておきました」

 

「国家安寧のため、先を読むのが

陰陽師の仕事でございますれば」

 

って、何よこのパーフェクトぶり!

めちゃくちゃ腹立ちました。

 

 

一条も、彰子を中宮にする事に

悩みながらも結局自身の生い立ちと

彰子を重ねて同情のような形で

立后を受け入れた。

 

何やねん?これ。

 

実際の一条帝は「一帝二后」を

承諾する事を「恥」に等しいくらいに

思っていたんじゃないかなぁ?

 

だって、自分の代でこんな

おかしな先例を作ってしまうなんて。

 

本当にやり切れない思いで決断

したんだと思う。

 

 

そんな私の怒りをよそに

ドラマではそれはそれは見事な

立后の儀式が行われました。

 

まぁ実際に彰子がその場にいたはずは

無いのだけど、こういうシーンは

やはり感動しちゃいますね。

 

 

 

立后した証として、彰子の御帳台の

前に2個の獅子形。

そして草鞋という特別の履き物。

 

こういう描写があるのはとても嬉しい。

 

できれば一瞬の映像だけでなく

ちゃんと説明も欲しかった。

 

せっかく平安時代を扱うのだから

こういうところをしっかり

アピールしてほしいのよ。

 

 

 

~定子様3度目のご懐妊そして崩御~

 

人生はどうしてこうも

上手くいかないのだろう?

 

あれほど「皇子を産めぇ~!」と

催促されていた時には懐妊の兆し

すら無くて

 

こんな不安定な立場になって

続けざまに身籠るとは。

 

誰よりも定子様が1番そう思って

いらした事でしょう。

 

心労と、それに加えて一条からの

度重なるお召しに、定子様には

もはや出産を無事成し遂げる体力すら

残っていませんでした。

 

自分はこのお産で死ぬ・・・

 

そう悟っていたからこそ、彼女は

辞世の歌を遺しておりました。

 

ドラマでは1首しか紹介されな

かったけど、本当は3首ありました。

 

いずれの歌も心をえぐられるような

哀しい秀歌です。

 

 

後世に生きる我々は、定子様の運命を

分かってはいたけれども、いざ

こうして「その時」が来てしまうと

本当に悲しい。

 

お産で命を落とした后妃は

定子様の他にもいらっしゃるけれど

あまりにも惜しい命でしたね。

 

一条の嘆きはどれほどのもの

だったか!

 

定子様に対する愛情と後悔の念で

いっぱいだったに違いない。

 

幸せにしてあげたかったのに

幸せに出来なかった・・・。

 

自分の至らなさを省みて、それは

苦しかっただろうとお察し致します。

 

葬送の日は雪が降っていたとか。

定子様の棺に寄り添いながら

涙とともに歩く伊周の姿こそ

ドラマで描いてほしかったな。

 

もういい加減「道長憎し!」の

伊周はうんざりだよ。

 

 

でさ~、私はここで安倍サンタマリアに

言いたい。

 

この人、定子様が皇子を産む事や

これから起こる天変地異や

彰子が立后する事までも見通せる

能力があるんだったら

今回の定子様の崩御だって

それが出来たんじゃないの???

 

だったら何も無理矢理「一帝二后」なんて

馬鹿々々しい事をしなくても

良かったじゃん!

 

道長はこの事実をどう捉えて

いるんだか?

 

「おい!お前のせいで俺はこんな

みっともない努力をしてしまったぞ!」

と安倍サンタマリアを責めるシーンが

あっても良いと思うが?

でも、無いんだろうな。

 

な~んか辻褄の合わない事ばかりで

疲れてしまう。

 

道長をとことん善人にしたいがために

周囲の人間がどんどん歪んで来て

いるようだ。

 

そんな中、ウイカ納言と定子様の

「青ざし」のシーンには唯一心を

慰められた。

 

「いつもいつも」

 

心を寄せ合い、定子様は高らかな

笑い声を上げる。

 

それが最後に見せてくれた

笑顔だった・・・。

 

 

高畑充希さん、素晴らしい演技を

ありがとう。

あなたの美しさ、愛らしさは

定子様のイメージを届けてくれました。

 

 

 

===まひろと三郎への独り言===

 

 

いやもう別にいいんですけどね。

 

どうもこの2人、浮いている感が

ハンパなくて。

 

三郎、明子の邸に居る時に

「入内して幸せになるような事はない」

って、まだそんな事言うか!

 

白々しいんだよ~。

 

そのまま倒れて危篤となるも

意識の中にまひろが出てきて

助かる・・・と。

ハイハイ、もうこのパターンいいってば。

 

そういえば宣孝が

「実は先日、子が生まれまして~」

とニヤニヤしながら報告に来たが、

三郎は「それはめでたい」と

祝いの言葉を述べていた。

 

まさか自分の子だとは

露ほども疑っていないようだな。

 

宣孝ももう一押しして

「石山寺から帰ってきてすぐに

授かった子なんです」

とでも言ってやれば良かったのに。

 

 

まひろはまひろで、

赤ん坊に漢詩を聞かせたりして

アホか?

 

世間では色んな事があったのに

全く関心を持つわけでも無く

見当違いで浮世離れした生活を

するまひろさん。

 

少しは世の中の事に関心を

持たないと、とても「源氏物語」など

書けないと思うんですけどね。

 

でもきっとサラサラ~ッと書いちゃう

んだろうな。

 

そして大評判となり、彰子中宮の

後宮に出仕の道が開ける、と。

 

うわっ汗

寒気がしてきた不安

 

 

・・・こんなに暑いのに。