「光る君へ」第10回~待ち焦がれた「寛和の変」よりも気になったこと | 前世はきっと平安貴族

前世はきっと平安貴族

歴史大好き!とりわけ平安時代をこよなく愛する私です。
こんなに惹かれる理由はきっと前世で生きていたからにちがいない。
源氏物語ネタをメインに、色々思っている事を書いてゆきます。あらすじとか一切書かずに自分の思いだけを強引に綴ってゆきますので悪しからず〜。

ふぅ・・・

何から書いたら良いものか・・・

 

あのね、

今回は「いよいよ寛和の変だぞ!」

とワクワクしていたのよ。

 

冒頭で兼家が4人の息子たちに

陰謀の全容を伝えて、それぞれに

指示を出していた。

(道綱もいたね♪)

 

いやが上にも

「さぁ次は花山天皇出家の場面に

レッツゴーだ!」

と、期待は膨らむじゃない?

 

それがまぁどうした事か

まひろと道長のやり取りになって

あれよあれよという間に

夜の逢瀬になってしまった。

 

衣(きぬ)を被いてたった一人で

しのんで来たまひろを

「まひろ!」

「会いたかった」

と後ろからガバッ!と抱きしめる道長。

 

あの~

これ、まひろの妄想だよね?

 

次の瞬間「あぁ、夢だったのね」と

がっかりするんでしょ?

 

女の子によくある

「だったらいいな」的な

妄想ですよね?

 

 

しかしいつまで待っても

そのようなオチには至らず

「これはまさかの現実か?」と

思い始めた頃に聞こえた道長の

言葉。

 

「一緒に都を出よう」だと?

 

「藤原を捨てる」だと??

 

挙句の果てに

「俺はまひろに逢うために

生まれて来た」だと???

 

はぁ???????????

 

お茶を吹き出しそうになりました。

 

 

アンタあの時、兄上たちと一緒に

兼家の陰謀を聞いてたよね?

 

東三条家の命運がかかっている

大勝負が目前に迫っているというのに

何たわけた事言ってんのよ!

 

あかん…完全に平衡感覚無くしとるわ。

 

まひろと一緒なら遠くの国で

生きてゆくために魚を獲ったり

する事も出来るらしいですよ驚き

 

今まで何の苦労もせず育って来た

おぼっちゃまが?

 

 

何これ・・・

安っぽいソープオペラみたい。

 

これ、若い女の子であれば

自分のために身分を捨ててまで

駆け落ちを申し出てくれる相手に

キャ~♪とか言って感動する場面

なんだろうけど、

 

ごめんなさいね〜

もうこのぐらい年になると

恋愛を醒めた目でしか見られなく

なっちゃうのよ〜。

 

この2人に全然感情移入出来ないの。

 

しかしそんなノーテンキな道長を

何とか思いとどまらせようと説得

するまひろは正しい。

 

でも

「あなたは偉くなって、

直秀のような理不尽な殺され方を

する人間が出ないような

より良き政(まつりごと)をする

使命があるのよ」

ってどゆこと?

 

私、直秀が何故殺されたか

いまだに理解出来ていないんですけどね

 

兼家の陰謀が成功するかどうかも

分からないというのに、あたかも

この先の東三条家の繁栄と道長の

栄華を見越しているかのような

口ぶりは一体どうした事か?

 

道長もさぁ、まひろと結婚

したければ勝手にすればいいじゃん。

正妻にしなければいいんだし。

わざわざ都を出なくたっていいと

思うんだけど。

 

それとも何か?

「僕はまひろ1人だけを愛したいん

でーす!」

「他の女性なんていらないんでーす!」

ってこと?

 

あのね、史実ではアナタ

源倫子と源明子の2人と公の結婚をし、

息子の頼通には「男が妻ひとりで

済むものか!馬鹿者!」と怒ったのよ?

 

そのあたりの矛盾に一体どう

決着をつけるのだろうか?

 

で、月明かりの下

まひろと道長は結ばれて・・・

 

あ~あ

 

何がソウルメイトだよ!

 

 

それにしても脚本家さんは

どうしてこの逢瀬を

ここに持って来たのか?

 

どちらかというと

「寛和の変」の後の方がまだ

マシだったのではないか?

 

陰謀が成功し兼家が摂政になった事で

「ああ嫌だ嫌だ!俺はこんな汚い一族の

中にいたくない!」と辟易した道長が

藤原を捨てようとする設定ならば、

ドラマとしてはまだ許せる気がする。

 

兼家が摂政になっていればこそ、今後の

道長の出世も期待出来て、まひろの

「あなたには使命があるのよ」

という言葉も俄然現実味を帯びて来ると

いうのにねぇ。

 

どうもこの逢瀬のシーンは

順番を間違えたような気がして

ならない。

 

 

ところで

私にはどうしても「まひろ」が

未来の「紫式部」と一致しない。

 

この人がゆくゆく日本が世界に誇る

”あの”「源氏物語」を執筆するなんて

到底信じられないのだ。

 

頭の中がお花畑状態にある今の道長が

前人未到の権力の絶頂に立つ運命の男

だという事も全然想像出来ない。

 

回を重ねるごとにその片鱗を

垣間見るようになるのであろうか?

 

いずれにせよ

今後この2人のパートについては

まったく異次元の見方をした方が

良さそうだ。

 

 

 

さ、気を取り直して

「寛和の変」行きましょう。

 

元慶寺において見事に出家

あそばされた花山天皇。

 

内裏を出て元慶寺へと向かう

ハラハラドキドキの様子は

「大鏡」に書いてある内容に

準拠しておりました。

 

花山天皇が女装していた事とか、

月明かりに怖気づいた事とかね。

 

途中で愛する忯子からの手紙を

花山が取りに戻ろうとした時、

ドラマでは道兼が「お文は全て

元慶寺にお移し致しました」と

言ってたけど、

そこは「大鏡」みたいに

ウソ泣きをして天皇を丸め込んで

ほしかったな~。

 

あと、

丸坊主になった花山を残して

道兼が逃げる際にも

あんな悪人ヅラで笑いながら

去るんじゃなくてさ、

 

「俗体の姿を最後にひと目

父に見せてから戻って来ます」

って「大鏡」のように白々しく

演じた方が一層悪どい感じがすると

思ったけどな。

 

 

ともあれ兼家の陰謀は大成功!

平安京をバックに高笑いをする

兼家のどアップの映像が流れました。

 

 

今回のMVPは間違い無く道兼。

 

その「俺がやった!」

「俺のおかげだ!」の強烈な自負が

これからの道兼の精神的支柱になる

のは間違い無いでしょう。

 

ちなみに騙されて出家したと

気づいた花山天皇が必死に道兼を

呼び戻そうとした際に立ちはだかった

武者たちは源満仲の一派。

 

この「摂関家の犬」同然だった

彼らの子孫がやがて武士の世の中を

立ち上げるのだから歴史は面白い

ですね。

 

 

ところで花山天皇の側近であった

藤原義懐。

 

この人の扱いが一貫して雑だった

のは残念でした。

 

実際の彼は父が右大臣で摂政、

母が皇族という高貴な血筋。

 

甥の花山天皇は彼の一族にとって

光そのものだったでしょう。

 

大切にしないわけがありません。

 

きっと心を込めてお仕えして

いたと思うんですよね。

 

なのにドラマの中の義懐ときたら

権力を鼻にかけたり、何かと言えば

女を侍らせて乱痴気騒ぎ・・・。

 

あの雑な扱いは・・・ないわ。

 

「寛和の変」の時だって

あんな女遊びに興じたり

していませんでしたよ。

 

帝が行方不明と聞いて必死に

探して元慶寺にたどり着いたの

ですから。

 

しかも、彼はいさぎよく

花山天皇に殉じるかのように

出家しています。

 

世情を理解出来る真面目な人柄

だったのではないかと思います。

 

 

さて

極悪人兼家の思惑通りに

出家の身とおなりあそばした

花山天皇もとい花山上皇様。

 

私ね、今回本郷奏多がどれだけ

狂乱の演技をしてくれるか

ひそかに期待しておりましたの。

 

何たってあの

「足で扇をあやつる花山天皇」

ですからね。

 

騙されたと知った時は

どんな曲芸態度を見せてくれるかと

目を見張っていたのですが、意外と

フツーでしたね。

 

でもね、彼はこれで終わりじゃ

ないですよ。

 

法体となっても生来の女好きは

結局直らず、何かと厄介な事を

やらかします。

 

その話は今後のお楽しみという

事でピンク音符

 

 

 

そういえば道長のもう1人の

妻となる運命の女性・源明子が

登場しましたね。

 

真っ白い袿が美しい!

いかにも身分の高い姫君といった

風情です。

 

永井路子は著書「この世をば」で

明子を「風の精」と表現して

いました。

 

世間の俗悪に一切染まらず

最後まで純粋で少女のような

キャラクターでした。

 

しかし、聞くところによると

このドラマでの明子は

六条御息所的な存在としての

ポジションなのだそうです。

 

えええ?

あの嫉妬深くプライドの高い

六条御息所ぉ~~??

 

本当なのかな?驚き