川勝知事 訓示 令和6年度 失言 考察 | デブリマンXの行方

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静岡県の川勝知事の失言とそれに伴う電撃辞職が話題になっている。

初めは特に興味なかったが、川勝知事が「悪質な切り取りである。全文と動画を見て頂ければ特定の職業を貶める意図はないことは明らかだ」というようなコメントをどこかでしていたので、興味が湧いたので読んでみることにした。

 

 

上記から引用した、釈明は以下の通り。

 静岡県の川勝知事が、4月1日の新入職員への訓示で職業優劣発言をしたと捉えられる問題について記者の取材に応じ、「本当に驚いている」と心境を述べた。

 指摘された部分については、「(県庁職員の仕事は)農業をやってるとか商売をされてるとか、あるいはものづくりをされている方と違う仕事ですから、しっかり知性を磨いてくださいという意味のことを言った」と釈明。「不愉快な思いをされた方があるとすれば誠に申し訳なく思っております」と述べた。

上記の内容から、川勝知事の中では、訓示の発言に問題が無いという認識である問いことがわかる。

わたしの考察としては、訓示の中の以下の文言に、川勝知事の本心が詰まっていると感じた。

 それから、皆さん優秀ですから、なかなか思いが分かってくれない人がいるかもしれない。そういうときに情理を尽くすということが大切です。理屈ではわかってても、腹にすとんと落ちないところがあります。ですから、HEART TO HEARTで、心からこうすると本当にいいというように言って差し上げると、すとんと落ちる場合がある。ですから、情と理、情理を尽くして自分が正しいと思う信念を貫くということが大切です。

「皆さん優秀ですから、なかなか思いが分かってくれない人がいるかもしれない。」。この点が、重要なのだと思う。つまりは、普段から「野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいは物を作ったりする人たち」に苦労させられて来たのではないかと感じるし、おそらくその通りなのだろうと思う。職業優劣というよりも、純粋にそれらの職業に就く傾向のある人たちとは知識量に差があり過ぎて、譲歩しないと会話が成り立たないと考えているのではないだろうか? それが川勝知事の中で揺るがない本心であり、これから社会に出る優秀な若者達に伝えたい現実であるからこそ、本人の中では失言に当たっていないのではないかと思う。

 

現実として、県庁に入れる程の若者には、小売業や畜産をする能力が(適性は無視して)備わっている可能性が高いと感じるが、その逆は難しいのではないかと感じる。例えば、川勝知事の訓示の姿を見ると、20分弱のコメントをカンペらしきもの無しで、数字まで細かく述べている。若者全員にこれほど聡明な頭脳があるとはさすがに思わないが、川勝知事自身の能力の高さは明らかであるし、それを小売業などに勤める人に代われと言われれば、その代役が務まる人は数十人に1人くらいではないだろうか? もちろん、どの分野でも、その業界に浸かって初めて現場の専門性が身につくので、そういった意味で話が通じないというのは大いにある。わたし自身、製造業から保育へ移ったことのある身であるが、業界の常識や属する人の性質は真逆と言っていいほど離れていた。そんな業界間の専門性を埋めて会話するほどの知識や知性が求められるのであるから、県庁職員の能力は当然高いものが求められるだろう。

 

以上から、わたしは今回の川勝知事の発言は、本人にとっては実務経経験から来る揺るがない事実であると考える。ただ、それはそれとして、言って良いことと悪いことがあるのは自明。世の中もっと本音を言った方が、改善に繋がって生産的だと常日頃から考えているわたしであるが、今回の川勝知事の発言は百害あって一利なしの失言というか、例え話を誤ったと感じる。

 

電撃辞職について、その真意はよく分からない。

リニアの開業が正式に延期になったことで、その間に静岡に利益をもたらせる新知事の誕生を狙っているのかもしれないし、裏金問題でグダグダの自民党を見てここが勝負所と思ったのかもしれない。まさに、県知事の深い御心は小生には推し量ること叶わず、といった具合である。

ハローワークを頼って就活しようとしている若者には、小売業すらも遠い。