🧭 はじめに
Fedora をインストールする際、多くの人は Live ISO から起動して、GUIベースの Anaconda インストーラーを使うことになります。
日本語環境を選択すれば、当然ながら「日本語キーボード(jp106/109A)」も選んでいるはず――ですが。
実はこの時点で、将来的にログインできなくなる“罠”が仕掛けられていることをご存じでしょうか?
💥 問題の概要:AnacondaはUS配列でパスワードを処理している
FedoraのAnacondaインストーラーには、以下のような一見すると問題なさそうな手順があります:
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Fedora Live ISO を起動
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日本語を選択
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ロケールやタイムゾーン、キーボードも「日本語(jp106)」を選択
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ユーザーを作成し、パスワードを入力
ここで安心してはいけません。
パスワードの入力だけは「US配列(us101/104)」で処理されているのです。
その結果:
-
設定したはずのパスワードでログインできない
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表示と記録されたパスワードの内容が異なっている
-
特に記号を含むパスワードは、高確率で「入力ミス」扱いになる
という致命的な事態が発生します。
🔍 詳細な現象
Anaconda の UI 上では日本語キーボードを使用しているように見えますが、
パスワード設定に限ってはキーボードレイアウトが us に固定されているため、
JIS 配列と US 配列でキー位置が異なる記号を使うと、完全に別の文字列として保存されてしまいます。
🔐 Anaconda でのパスワード入力時の注意点:使用する文字種に制限あり
⚠️ 特に避けるべき記号(JIS配列とUS配列で位置が異なるもの)
| 記号 | US 配列のキー位置 | JIS 配列での挙動 |
|---|---|---|
@ |
Shift + 2 | 「(JISでは Shift + [)」 |
_ |
Shift + - | 「ろ」キー(JIS) |
{} |
Shift + [ / ] | 「[」や「]」キーで位置ズレ |
" |
Shift + ' | 「Shift + 2」(JISでは @) |
= |
Shift なし(右上) | 「Shift + 0」(JISでは ^) |
✅ 配列に依存しない「安全なパスワード」の例
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半角英数字のみ
-
US/JISどちらでも物理キーが一致する記号(
!#$%&)を使う
| パスワード例 | 安全な理由 |
|---|---|
Aa13579!$ |
覚えやすく、記号も共通 |
MyPwd2024# |
よくある形式+配列に依存しない記号 |
Strong99Pass! |
! はどの配列でも同じ位置 |
Fedora_1234 |
_ は避けた方が安全(JISでは「ろ」) |
KitaNoYuki84% |
日本語っぽさと記号を両立 |
インストール時のパスワードは、できる限り「英数字のみ or 安全な記号」に限定するのが賢明です。
🛠️ 回避策:AnacondaのUS配列強制を乗り越える手順
✅ ステップ①:Live 起動直後に一時的に US 配列に切り替える
bash
sudo localectl set-keymap us
sudo localectl set-x11-keymap us
確認:
bash
localectl status
→ VC Keymap と X11 Layout が us になっていればOK。
✅ ステップ②:Anaconda(インストーラー)を起動
bash
anaconda
この状態なら、表示されたキーボード配列と、実際の保存が一致します。
✅ ステップ③:インストール完了後、日本語キーボードに戻す
bash
sudo localectl set-keymap jp106
sudo localectl set-x11-keymap jp jp106
echo KEYMAP=jp106 | sudo tee /etc/vconsole.conf
✅ ステップ④:GRUB 起動時も日本語キーボードに対応させる
bash
sudo nano /etc/default/grub
以下を編集:
bash
GRUB_CMDLINE_LINUX="rhgb quiet vconsole.keymap=jp106"
保存後、GRUB を再構築:
BIOS(レガシー):
bash
sudo grub2-mkconfig -o /boot/grub2/grub.cfg
UEFI:
bash
sudo grub2-mkconfig -o /boot/efi/EFI/fedora/grub.cfg
✅ ステップ⑤:ログイン後、パスワードを再設定(日本語配列で)
bash
passwd
→ これで以後は、日本語配列で正確にパスワード入力が可能になります。
📝 最後に:Anacondaは見た目と内部処理が一致しないことがある
今回の件で分かったのは、「GUIで設定した内容が、必ずしもそのまま適用されるわけではない」ということです。
Anaconda は強力なツールですが、一部の処理(特にパスワード入力)では、内部的に US 配列に固定されてしまうという仕様上の制約があります。
🧠 教訓とおすすめ
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インストール時のパスワードは「配列に依存しない文字種」で構成する
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必ず
localectlで実際のキーマップを確認しながら作業する -
必要なら一時的に US 配列に切り替えてからインストールを行う


