2026年3月6日(金)
〜東京遠征の次の日はお店探検隊
2026年3月6日(金)
〜東京遠征の次の日はお店探検隊
2026年3月5日(木)「青春の路線を走る一日」
今日は少しゆっくりした朝だった。娘が出勤するのを見送ってから、奥さんと三人で新宿へ向かう。
出発は9時半。通勤ラッシュのピークも過ぎていて、どこか穏やかな朝だ。新宿駅で娘と別れ、スーツケースをコインロッカーに預けて身軽になる。
まず向かったのは 東京都庁舎。展望台に上がる前に、都庁の職員食堂でランチをとる。ここは安くて美味しいことで知られているが、今日も安定の味。旅先のレストランとは違う、日常の延長のような食事が逆に心地よい。


その後は歌舞伎町へ歩く。ここは若い頃、映画館のバイトをしていた場所だ。当時働いていた 新宿ミラノ座。
呼び込みやもぎりをして、夜は会計報告。
映画館の付属店だったハンバーガーショップ「ウインピー」で友人もバイトしていて、仕事が終わると仲間と終電まで飲んだ。


かつて 新宿コマ劇場 があった広場のあたりは、今もどこか雑多で混沌とした雰囲気が残っている。ただ、時代は変わった。小田急西口の一帯は更地になり、大規模な再開発の準備中。
景色が変わりつつある新宿を見ていると、時間の流れを実感する。それでも、昔から変わらない場所もある。思い出の飲み屋街 思い出横丁。学生時代「小便横丁」と呼んでいた場所だ。今は外国人客がカウンターを埋める国際的な空間になっていて、時代の変化を感じるが、赤提灯の雰囲気はそのままだ。
午後は、娘の職場にも顔を出した。場所は 老舗百貨店 の2階。親としてはつい「この立地で商売は大丈夫かな」と心配もしてしまうが、働く姿を見られただけで嬉しい。
そしてこの日のクライマックスがやってくる。16時、新宿駅から小田急ロマンスカーに乗車。しかも、奇跡的に取れた展望席の最前列。乗ったのは赤い車体のロマンスカー、小田急70000形電車。先頭車両1号車の1C・1D。まさに特等席だ。


発車と同時にビールを開ける。特別な席で飲む最初の一口は、それだけで旅の味になる。ロマンスカーは静かに新宿を離れ、神奈川へ向かって走る。
車窓に流れる景色を見ていると、ただの景色ではなく、人生の記憶が一つずつ現れてくる。
大学は S大学。最寄りは向ヶ丘遊園。小田急線は青春のすべてが詰まった路線だ。駅を通過するたびに、そこにいた友達、先輩、飲み屋、バンド活動、恋愛、失敗。いろいろな記憶が次々とよみがえる。
向ヶ丘遊園の坂道、最初の下宿。4畳半の部屋に16人が集まって飲んだ夜。
怒っていた真面目なICCの先輩。ビートルズを歌う酔っぱらい達。ブルーグラスバンド での日々。
ギターは Martin D-28。仲間たちと練習し、演奏し、酒を飲み、恋もした。そんな景色を思い出しながら走る列車は、ただの移動手段ではなく、時間を走る列車だった。
気がつくと奥さんはビールを飲んで寝てしまい、薄めを開けて西日対策で忙しい様子。それもまた旅の味だ。
大井松田を過ぎる頃、夕日が車内をオレンジ色に染める。そして、あっという間に旅は終わる。短い乗車時間だったが、今日一日はまるで時空を旅したような感覚だった。
東京の街。
青春の場所。
家族との時間。
すべてが重なった、不思議で豊かな一日だった。