「俺には車がある」『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』 | 映画のデス・ロード

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ダッチ2台でデカい金庫を引きずり回し、氷上で潜水艦とチェイスして勝利、は"車は地面を走るもの"という常識を越え、飛行機から車を飛ばし、崖だってビルの間だって飛び越えるし、なんなら成層圏まで飛び越えて、うっかり車で宇宙に行っちゃうなど、回を重ねるごとに車本来が持つポテンシャルを超えた活躍をスクリーンに叩きつけてきたワイスピシリーズ


さらに、ドミニクを中心としたファミリーの絆は、『MEGA MAX』ではデカイ金庫に繋いだワイヤーの頑丈さで、スピンオフ作品の『スーパーコンボ』では車の繋がりで、前作『ジェットブレイク』では磁力の強さでファミリーの繋がりの強さを表現するというわかりやすくてかつ痛快で豪快な心情描写。


そして新作『ファイヤーブースト』では、ドムが何よりも大切にしてきた2つ、車とファミリーが壊される!!



『MEGA MAX』でドムのファミリーに金庫を盗まれた上に父親を殺された麻薬王の息子ジェイソン・モモアがドミニクに復讐を始めた!

ローマに行ったローマンたちを罠にはめ、ドムたちは指名手配犯に仕立て上げられてしまう。
Mr.ノーバディが行方不明なのをいいことに、新顔のツーブロックゴリマッチョが率いる秘密機関に追われた末、レティは隔離されてしまう。

さらにはミアやリトルBを誘拐してみたりと、サイコギャルモモアの仕掛けるファミリー解体工事に、ドムのファミリーはひとりまたひとりとバラバラに。

これまで以上に絶体絶命な状況まで追い込まれてしまうドム。

だが!

「俺たちファミリーの絆はやわじゃねぇ! 俺には車がある!」と、愛車のダッチのニトロと怒りをブーストさせたドムが挑む2時間半1本勝負な車プロレス映画でした!


仲間がピンチと聞けばすぐに飛んでいくドム、ママが危ないと聞けばすぐに武装するステイサム、リトルBの身の危険を知りドアを突き破るジェイコブ……。

逃亡劇と追跡劇が延々続く単純なストーリーでありながら、誰かが誰かのために車と己の魂をブーストさせる激アツの1作。


2部作(はたまた3部作?)になると聞いてはいたので完結しないとわかってはいたが「えっ!?ここで終わり!?」という場面で終わった衝撃と「えっ!?あの人が!?」という展開にうちひしがれるミッドクレジットまでノンストップで爆走します。

近年のワイスピシリーズ恒例である車の限界突破アクションは本作でも健在。

予告にもあるローマでの大玉爆弾運び大作戦にジェイコブの㊙️カスタムカーなんて序の口。
ドムがダムを突っ走るクライマックスには『逃亡者』もビックリ!


監督交代などのドタバタもあってか、交通法規と辻褄をガン無視した展開の連続で最高でした。

そのドタバタのせいか、今回はネーミングセンスの良さもブーストしております。

何てったってレティが収容される場所の名前が"秘密機関の極秘施設"ですからね。

なんだその頭痛が痛いみたいな名前は!!

その後、施設の場所が明かされるのですが(だったら極秘じゃないじゃない! という話するのは野暮だぞ!)、その場所も無駄にスケールがでかくて最高でした。

かと思えば、本作の序盤でファミリーのリーダーになって浮かれるローマンと、それに呆れたテズの友情にホロリとさせられる話もあって、もう大満足の1本でした。

ともかく続きが気になるので、製作陣の撮影スケジュールをブーストさせてはやく完結編を見せてくれ!