その時計は
私よりもほんの少し未来を生きていた
4分先の未来を示す針は
私の心が時の流れに置いてけぼりにされないように
少し先を歩き
時々振り返りながら
私の心を引っ張ってくれているようだった
1年以上前から気付いていたけれど
ずっとそのまま
急げない心
急ぎたくない心
曖昧な時間の中にいる方が楽だった
規則正しく過ぎてゆく時間が
あまりにも冷たく感じられて
時間などただの数字の羅列であって欲しかった
届きそうで届かない
届いたら一瞬で通り過ぎてしまいそうで・・・・・・
4分先の未来に触れるのが怖かった
今日 時計の針を4分戻した
心のゼンマイを回し 現実の時間の上に戻って来たようだった
止まっていた胸の音が鳴り始めた
チクタク
チクタク
朗らかに
軽やかに
4分先の未来が急に心に飛び込んで来た
近くて遠かった未来が今私の腕の中にいる
明日も愛に満ちた一日でありますように・・・
おやすみなさい