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一瞬でいい

一瞬でいい/唯川 恵
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4人の友達が、そのうちの1人を事故により失ってしまうことで、残った3人のその後の人生に影響を与えることになる。いろんな人との出会いがあるが、最終的に3人は元の姿に戻っていく。同じつらい経験をしているから、さらに人生を重ねることで相手の気持ちがよりいっそう理解できるようになっていく。


切ない気持ちになるが、すごい泣けるというところまではいかなかった。でも、次から次へと3人の話の移り変わりがあって、飽きずに読める。


『一瞬でいい』というタイトルはどこから来ているんだろうか?もう1回読んだら分かるだろうか?

たくさん専門医が来た日

20XX/XX/XX


午前中はいつもよりも暇で、担当のグレイトホーンドアウルも出血を避けるために、1日ケージの中から動かさないようにミッチから言われたので、担当の処置は、バルドイーグルとターキーヴァルチャーの目薬だけだった。2羽とも明日眼科専門医にみてもらうことになる。


また、軟部外科専門医Dr.アンダーソンがやってきて、アイリン担当のバルドイーグルの手根部の手術をやった。途中からそのアシスタントに入った。デブリードメントをして、できるだけテンションがかからないように、皮膚をよせて縫合して終了。


ミッチがプロジェクトをあげるといったから、喜んだら、ハリスホークのシナモンがやって来た元の場所に帰るみたいで、そのケージの洗う係を任せられた。つまり、プロジェクトではない。ハリスホークは南部の鳥なので、南の州に帰るんだと思う。


1時から麻酔関係のミーティングでみんな集まった。酸素ボンベの取り扱い方、麻酔器の取り扱い方などをみんなで確認し、その後、麻酔専門医のDr.カールト?がやってきて、モニターの見方などを教えてもらった。実際にはスモールアニマルではこうだとか、そんな感じで、鳥の場合の特別な説明はあまりなかった。ETCO2をしっかり見ていて、対応するようにといった感じ。ETCO2はSpO2よりも早く反応するため。その他は、モニターに異常があれば、いろいろチェックして、血液ガスを測るという話が出てきたため、そのプロジェクトをそのうちやってみるだの、そんな話しをしていた。


夜は4-5件初診がやってきて、そのうち2件の身体検査を任せられた。身体検査はあまりやっていないので、正常か異常かを知ったり、身体検査を系統立てて効率よく迅速にやるには、もっと触って実際にやってみないとダメだと実感した。


まず一つ目のシャープドシンホークは、羽が折れているといって連れてこられた症例だが、頭の中で先入観でおかしいものと信じきっていたため、正常なものを異常だと感じてしまったりした。この症例は窓にぶつかって落ちていたものを拾ったらしい。実際には、右翼のアルーラに石灰化が見られた以外は、特に異常が見つからなかった。この鳥はトリコモナス症が多いらしいので、そ嚢のスワブをして直接顕微鏡で見たが、トリコモナスは見られなかった。ライス(しらみ)がいたので、その駆除をしたり、皮下補液を行った。それに対して、初めてアドミッションレコードを書いたが、間違いだらけでパウラに嫌な顔をされた。


2件目はレッドテイルドホークで、箱の中でうつ伏せの状態だった。立つことができず、呼吸もやや悪かった。翼などに骨折はなかったが、口腔内に出血があった。気管の方からか食道の方からかは区別が付かなかった。この症例もライスとフラットフライがいたので、その駆除をした。皮下補液、ザンタック、メタカムなどを投与し、アスペルギルス予防のためにイトラコナゾールも開始した。この症例は今後の回復をみないとなんともいえない。レントゲン上は特に目立った問題はみられなかった。眼の検査では、右眼の角膜に小さな傷が見られた。

9時過ぎに終了した。今日はパンがもうなくなったので、家でペンネの入ったトマトスープをつくった。



バルドイーグルの手根部の手術
鳥心色心-baea surgery


退院前のハリスホーク
鳥心色心-ハリスホーク1


シラミ
鳥心色心-ライス1



術後

20XX/XX/XX


朝から、ターキーヴァルチャーに目薬を差して、マーシャにレッドテイルドホークのハンドリングを習ったりした。今日は、部屋を暗くして捕まえる方法を習った。部屋を暗くして、『フリック』と言うと、マーシャが小さなフラッシュライトをつけてくれるので、それを手掛かりにレッドテイルドホークの足根部をつかむ。他にもグレイトホーンドアウル2羽とレッドテイルドホーク1羽のハンドリングをしたので、今日は計4回もやった。


担当のバルドイーグルの処置も終り、次にグレイトホーンドアウルの処置をやろうと思ったら、周りのスタッフが手術やミーティングでいなくなってしまった。ミッチは戻ってきてから、昨日手術をしたグレイトホーンドアウルを見ると言っていた。しかし、朝タオルの上に出血の痕があったので、早く出してよく見てみたいと思ったので、ミッチが戻る前に処置を開始しようとした。やっぱり、ケージから出したら、手術部位から血がポタポタ垂れてきた。そのまま処置台の上まで連れて行き、翼を確認したところ、ESFピンの根元から出血していて、ガーゼなどをあてて圧迫したがなかなかとまらなかった。手術部位の処置をさっとすませ、またボディラップをしているうちに、ミッチが戻ってきた。ミッチは勝手に処置をやっていたので初めは怒っていたが、出血していたことを伝えると、あとで誤ってきた。結局、いろいろやってみて、止血するのにかなりの時間がかかった。夜7時まで確認したが、その後は出血していないようだった。しかし、処置時にとった血液のPCVは15%で、それからも出血していたから、PCVはまた10%近くになっているような気がする。明日また輸血をする予定。


昨日夜に来たバルドイーグルは今朝になっても立てず、骨折もひどいことから安楽死となった。スタベーションでアイリンが治療を行っていたスノウアウルも呼吸状態がよくなく、今夜安楽死となった。


今日の一番の収穫は、BAOWのトリコモナス症の症例をみたことだと思う。口の中から異臭がして、口腔内の特に上側にトリコモナス症に特徴的な、チーズ様のマスが壊死層となって厚く突出していた。このように口腔内がとても狭くなってしまい、下顎や副鼻腔にまで病巣が及んでしまうと、エサを食べたり、呼吸をしたりするのもうまくできず、ペレットを吐くこともできなくなる。あまりに重度の場合は、今日の症例のように安楽死となってしまう。




トリコモナスという病気にかかったバードアウルがやってきた。
鳥心色心-トリコモナス1

同じやつのレントゲン写真。あごが腫れている。
鳥心色心-トリコモナス2