鹿児島藩で建立された621体の田の神

 

つい最近出版された「田の神図録」(副題:江戸期の田の神621体を追って 著者:永田政幸 南方新社)が目に留まったので個人的な意見を述べてみたい。

ここに、紹介する田の神とは江戸時代の鹿児島藩に集中して見られるもので、日本では実に珍しい人形神でもある。

 

江戸時代、鹿児島藩を中心に建立された謎の「田の神」

 

古来、日本の神々はすがた形がないもの

 

この本に目が留まったのは、本州などにはこのような人間の姿をした神々は祀られていないこと。日本に古来から伝承されているのは「山の神、田の神」は同じもので、すがた形はないものとされてきた。そして、春秋去来と言われるキツネが神々の使いとして信仰されてきたのである。

 

代表的な「山の神」、すがた形は無いので祠に祀られている

 

中国の神々との相似

 

古来、中国の神々は日本と違って王や英雄たちがモデルとなるケースが多い。そこのところが、当時の鹿児島藩が中国と信仰文化とつながっていたのではないかと考えることができる。

 

人形の田の神(インターネット参照)