正月明けから1ヶ月半、毎日転機となったプライベートな出来事を思い出していた。自分が何をしたくて表現を続けて来て、今では若手や同輩に道を譲るようになれたのか。音楽は10年はやって来た。その答えは既に見付かっていて、あとは自分の役割を果たし続けるだけだと改めて思った。


自分の主張や表現がそのまま自分の人生に降り掛かって来ても、昔から怖くなかった。覚悟はしている。今になってようやくその覚悟が身を結び始めた。本当にやりたかったのは、歌を歌う事ではなかった。幼い頃から身近に居た人達とやり直したかったのだ。


2年前、仕事や活動拠点を変えると決めた頃に、母親とまともに今まで考えていた事を伝えて、相手もそれを受け止めた日があった。音楽ではなく、家族をやり直したくて尖っていたのだと。そのために止むを得ず選んだ事も、受け止めてもらえた。だから、自分は堕落も引退もせずここまで走り抜けた。


これからどんな事があっても寿命を全うしようと思う。たとえ歌えなくなっても、音楽の現場に歩み寄れなくなっても、自分の役割を全うする人生を送ろうと思う。音楽より大切なものを見付けたからこそ、音楽が選べる自分と仲間を信じて活動を続けようと思います。






一体何から書き出せばよいのか、正直言って悩む。

 

久慈から「北三陸の新たな民謡」を生み出しているバンド・ブンドウズのドラマー・阿部氏が急逝した。

 

ブンドウズから、同バンドにとって重要なライヴの模様をYouTubeにて配信する旨が発表された。

 

どういう事を意味するのかは分かっていた。

だけれど、あくまで一つの地元のバンドのギグとして向き合う事にした。

 

配信開始は22時。敢えて家にはいなかった。

 

フジロックだったろうか、プレミア再生前のカウントダウンが少し懐かしかった。

東京メトロに揺られながら、カウントは終わり、ライヴの配信が始まった。

 

何年も前からグルーヴを体得していたかのようなブンドウさんのベース、

カッティングからサイケデリックなギターソロまで振り幅の大きいギター、

MPCからピアニカまでこなすマルチプレイヤー、

そして、Euler's Identity時代から比べようもないほど進化したタイトなドラム。

 

各メンバーが歌えることもあり、味の濃さと鮮やかさは申し分ない。

音色的にも多彩で、最低限の照明と音響だけでステージは華やぐ。

 

ライヴ自体はあっという間に終わってしまった。

チャットで同窓会が発生していたが、20分もなかったはずだ。

 

画面が暗転し、メンバーのクレジットが表示された。

そしてチャットにはブンドウズから初めて、阿部氏が亡くなったことが発表された。

 

https://www.youtube.com/watch?v=XQhuYOmq0OI

 

沈黙ほど喪失を雄弁に語るものはない。

まさに今、ブンドウズは沈黙の季節を迎えていると思う。

 

12月にはショウジガミ氏がフェイバリットに挙げている

「光風&Green Massive」との対バンが控えている。

 

今後のアナウンスを、静かに待ちたい。

 

 

最後に、阿部氏へ。

 

上京してすぐ、Euler's Identityからライヴ出演の依頼を頂いた際、

東京でトラブルに巻き込まれてしまい、断らざるを得なかった。

 

もしあの時すべてを振り切って岩手に向かえたなら、

あなたのドラミングが観れていたと思うと、悔しくて仕方がない。

 

上京前に久慈駅の地下道でショウジガミ氏と当時のEuler'sで集まり、

弾き語りを披露し合ったあの夜を、大切に覚えていこうと思います。

 

どうか、あっちでもドラムを叩いていてください。

あなたが岩手出身のミュージシャンに遺したものは、

とてつもなく大きく、掛け替えのない作品と思い出です。

 

ご無沙汰してます。
ブログは劇遅更新です。

9/15、上野水上音楽堂で開催される野外フェス「ウエノポエトリカンジャム6」に出演します。

今回の対バン、まさかの谷川俊太郎さんです。

自分は、新橋サイファーのマイクリレーに参加します。さらっと。

入場無料ですので、お時間あるかたは是非。

楽屋楽しそうだなー。

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公式サイトはこちら。