正月明けから1ヶ月半、毎日転機となったプライベートな出来事を思い出していた。自分が何をしたくて表現を続けて来て、今では若手や同輩に道を譲るようになれたのか。音楽は10年はやって来た。その答えは既に見付かっていて、あとは自分の役割を果たし続けるだけだと改めて思った。


自分の主張や表現がそのまま自分の人生に降り掛かって来ても、昔から怖くなかった。覚悟はしている。今になってようやくその覚悟が身を結び始めた。本当にやりたかったのは、歌を歌う事ではなかった。幼い頃から身近に居た人達とやり直したかったのだ。


2年前、仕事や活動拠点を変えると決めた頃に、母親とまともに今まで考えていた事を伝えて、相手もそれを受け止めた日があった。音楽ではなく、家族をやり直したくて尖っていたのだと。そのために止むを得ず選んだ事も、受け止めてもらえた。だから、自分は堕落も引退もせずここまで走り抜けた。


これからどんな事があっても寿命を全うしようと思う。たとえ歌えなくなっても、音楽の現場に歩み寄れなくなっても、自分の役割を全うする人生を送ろうと思う。音楽より大切なものを見付けたからこそ、音楽が選べる自分と仲間を信じて活動を続けようと思います。