
どこかへは行きたいな、と思っており岸和田公演へ参ることにいたしまして。
全国ツアーのテーマは、酔いどれ菊さん。
藤娘で呑み、宗五郎で呑みまくり。
丁度20年前に玉さまの『藤娘』を観劇して以来、菊さんの藤娘は初観劇です。
チョンパで開いた時の華やかさ。
紅い振袖で登場した時にはその艶やかさに会場中からため息が。
私は子供の頃から本当に集中力の無さには定評がありまして(←)、
この様な観劇時でも、心のどこかでは冷静にあれこれ観察、分析、ツッコミなどしてしまっているのですが。
初めて、文字通り我を忘れて魅入ってしまったのが、菊さんの揚巻でした(初役時、名古屋公演2004年)。
ほろ酔い、という設定で、花道での花魁道中。
このときは花道沿いの少し後方のお席だったので、オペラグラスで七三での芝居を観ていたのですが。
本舞台へ進む前のほんの一瞬、ふと後方をにっこりと一瞥された、
その瞬間に我に返ったのでした。
まさによだれが垂れるコンマ2秒前でした。
完っっっっっ全に魂持っていかれていた、と、己でも信じられない気持ちでした。
これが「我を忘れて」という現象か。
後にも先にもアレが唯一(多分)の経験でした。
そんなことを思い出しながら⋯
やっぱり集中力がありませんんんんん。
視覚効果として、
お顔の横で揺れる藤のかんざしもまた、婀娜効果があるのではないでしょうか。
◆
『雨の五郎』では、やゑ亮に注目しておりました。
スケート経験がおありとのこと、
その体幹や、裾の短い拵えなので内転筋ベクトルなども今までの大勢の立ち廻り等より比較的わかりやすく。
愛治郎丈とのコントラストも綺麗で、
重力を感じさせないリフトには、周囲でも感嘆が漏れました。
◆
この度襲名フェスでは、ありがたいことに南座初日以外は5列目以内。
この日は16列目、ということで、
楽器の聴こえ方が全然違うなあ、と、音楽もしっかり楽しめまして。
前方列ですと、広範囲に観ようとするとかなりキョロキョロしてしまうので⋯毎度、近所のみなさまごめんなさい。
特に、『雨の五郎』長唄の声がどストライクの美声でした。
楽器隊も、パンフレットにお写真掲載いただきたいです。
